『結婚式』
やっとかよと言いたくなった。
・・・ついにこの日が来た。
「ゼロ様、ものすごく緊張していますね」
「そりゃそうだろうよ」
今日、ゼロとローズの結婚式が行われるのである。
というか、一生に一度の晴れ舞台に緊張しないほうがおかしいってば。
ガチガチに緊張し、魔王の衣を出しているのだが緊張感までは守ってくれないようである。
式が始まり、まずは新郎登場となる。
できるだけ緊張をほぐすためにリラックスの魔法をかけたが、あまり効果は無いようだ。
ガチガチに緊張している中、次は新婦登場となった。
ローズがウエディングドレスを着て横にならぶ。
ドレスはハクロが「生涯最高傑作です‼︎」と言っていたが、確かにすごい。
ローズに似合うようにデザインが良く考えられており、綺麗に見えた。
「旦那様・・・どうでしょうか?」
ローズが緊張しながら言う。
「とてもよく似合っているよ」
可愛かったし、緊張感がほぐれました。
誓いの口づけを交わし合い、大勢の拍手を受けて結婚式は無事に終了した・・・。
その日の夜である。
「・・・来たか」
魔王城の自室のベッドに寝ていると、ドアを叩く音がした。
・・・まあ、ここまで健全だったけどな。
「入っていいぞ」
そう言ったらドアが開き・・・ん?
「いや、ローズはわかっていたけど・・・なんでお前達まで?」
ローズが部屋に入ってきたのはわかった。
だが、ハクロたち従魔全員が同様に薄い布を巻いた状態で来るってなんでよ?
「旦那様、これは全員で話し合ったことなんですよ」
と、ローズが何やらしてやったりみたいな顔をした。
「・・・ゼロ様、私たちは全員ゼロ様のことが好きです」
ハクロたちが話し出す。
「じゃが、我らはモンスター。人と結ばれる話は無いんじゃ」
「ですが、前例は調べるとありました」
「・・・それが、先代魔王」
アルテミス、カトレア、ヤタも話す。
「魔族は元々は先代魔王が従魔と契りを結んで生まれた存在のようだぜよ」
「ですので、私たちと交わってもモンスターが生まれることはありません」
ライア、ハクロが話す。リーゼとスラ太郎は話すのが苦手気味なので黙っている。
「ですので、どうか私たちとも・・・」
全員が真剣な目で見てきた。
覚悟は決めたという感じである。
魔王の記憶みていたけど、間違っていないし・・・
「というか、結婚式のその夜に全員来るのは・・・」
「あら旦那様?これはみんなで話し合って決めたのですよ」
つまり、結婚式以前から決め合っていたのかよ。
「・・・本当にいいのか?」
『はい』
全員の声がそろう。
ま、望むならば・・・
その夜、魔王城にて皆がゼロと契りを交わし合った・・・
まだまだ話は続く




