『元凶現る』
短いかもね
魔王城から飛び出し、何やらいやな予感がしたのでそのままゴーレムで城壁の外へと俺たちは飛び出した。
「このぐらい離れれば大丈夫かな?」
「まだ揺れているなぁ」
城壁の外へ出て、ある程度の距離をとるもいまだに地面が揺れていた。念のために足が速いゴーレムに搭乗したままである。
「揺れすぎて・・・・酔いそう」
「それは同感だね・・・・」
物凄く気持ち悪くなる揺れと言うか、なんというか。
そうこうしているうちに揺れが収まった。
ほっとしたのもつかの間。
城壁がガラガラと崩れ、中から何かが出てきた。
「で、でかっ!?」
出てきたのは、ものすごく大きなタコのようなイカの様な形をしたいびつなものだった。
「タキュゥゥゥゥゥゥゥン!!」
それは雄たけびを上げた。
『魔道具ですね・・・しかも、暴走状態の』
「じゃあ、あれが魔族が消えていた原因の!!」
カトレアの見立てだと魔道具の様なものらしい。
そして、それはこちらに触手をにゅるにゅると伸ばしてきた。
「俺たちを襲うつもりか!?」
『間違いないようですね・・・」
「あの魔道具は見たことがないよ」
外部から持ち込まれた感じらしいが、とにもかくにもこのままでは危険である。
「取りあえずうかつに手を出せないから逃げるぞ!!」
ゴーレムを最大出力まで上げて俺たちは全速力で逃げようとした。
だが・・・
シュルガシッツ!!
「な!?」
『足がつかまれています!!』
相手の方が足が速かったらしく、駆けだす前につかまってしまった。
そのまま巻き付かれていく。
メキイッ・・・メキキッツ・・・ギシッツ!
「おいおいおいおい!!絞殺す気かよ!!」
『まずいですね・・・このままでは木っ端みじんにされます』
『主殿!!このままでは!!』
ゴーレムの全身にひびがはいり、内部にまで亀裂が。
「カトレア!!アルテミス!!急いでゴーレムから降りるぞ!!このままでは機体ごとやられてしまう!!」
慌てて俺たちがゴーレムから飛び降りると同時に、限界が来たらしくゴーレムは無残にも木っ端みじんに爆発四散した・・。
しかも、触手は俺たちの足元いっぱいに広がってしまっている。
本体は徐々にこちらに近づいてきており、歩幅からして確実に追いつかれる。
「せめてこいつの正体だけでも!!『鑑定』!!」
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魔道具『タキュン』
・・・魔道具の魔力供給を行う魔道具。ダンジョンから発掘され、魔族の国のとある貴族のコレクションとして保管されていた。魔力を無限に生み出せると思われていたが、代償として生きとし生けるものを飲み込んでしまうことがわかったため、封印して地下奥深くに埋められていた。
破壊ができなかったのは、この魔道具自体に物凄い防壁が張られていたので無理だったのである。
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「・・・・意外とあっさりわかったな」
でも、封印されていたってあるけどなんで今こうして動いて・・・。
そう考えているうちに、すぐに追いつかれた。
「タキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン」!!」
そして、すぐに全員触手に巻き付かれてしまった。
「う、動けない・・・」
「手足が動かせないのじゃ・・」
そうこうしているうちに、それは口のような部分を開く。
内部は物凄く真っ赤でまるでマグマの様であった。
「まさか!!あの中に俺たちを!?」
「・・そうだ!!魔王様!魔力ですよ!」
ファウストが何か思いついたようである。
「あの日記には魔王クラスの魔力が必要と!!だからその全魔力をぶつければ!!」
「そうじゃん!!その手があった!!」
最近飛行魔法やらしか使っていなかったから攻撃魔法を忘れてた!!
「って、こいつにはどの攻撃魔法が一番効くんだよ!!」
「ご、ご主人、魔道具なのでおそらくはどの魔法でも・・」
カトレアが触手に締め上げ投げながらもそういった。
「こいつはサイズが大きいから・・・久しぶりの『ビックバン』!!」
広範囲系爆発魔法を俺は唱えた。全魔力を込めた最大出力であり、なおかつ爆風が凄まじいので巻き込まれないように防壁もはった。
ズドォォォォォォォン!!!
魔法が発動し、物凄い爆発がその場に起こったのであった・・・・・。
わかりやすく言うと、ドラ〇エのイオナズンみたいな感じ。ただし規模はそれ以上。
この魔法、いつ以来になるかな?




