『追跡劇』
ちょっと違うかな?
「・・・失敗した」
「なんですとぅっ!?」
ハーピーが戻ってきたのを見た男は成功したかと思ったが、まさかの失敗を告げられた。
「・・・ターゲットの従魔に私と同じように、いや、それ以上に夢の主導権を取れるのがいた」
「流石に予想外であります・・・とにかく、今はこの場から離れて逃げるであります!!」
そういい、逃げ出そうとした男とハーピーの前に何人かの影が現れた。
「カトレアから話は聞いたぜよ!!」
「ゼロ様の精気を吸い取ろうなんてふてぶてしいですよね」
剣を突き出すライアと、こめかみに青筋を立てた笑っているようで内心怒り100%のハクロである。
カトレアは目覚めるとすぐに女性陣で泊まっていた部屋に戻り、メイドの魔族とハクロたちに素早く事情を伝え、夢の中でこっそりハーピーにつけた超ミニゴーレムを頼りにこの場所を特定したのである。
なお、ゼロとその他を起こすのは忘れているようであった。
「くっ!」
後方へ逃げようとしたが、そちらにも立ちふさがる人影があった。
「夢からおいかけてきました」
「ニガサナイヨ」
「魔王となる方なのですが、就任される前に殺されてはさすがにまずいですからね」
カトレア、スラ太郎、メイドの魔族であった。
「ならば上であります!!」
ハーピーの足に己をつかませて、空に逃げた。ハーピーの飛翔力は強く、あっという間に上空に行った。
さすがにここならと思っていたのもつかの間。
「(#゜Д゜)」
「主殿の寝込みを襲うのは許せんのじゃ‼︎」
空中を泳げるリーゼと人化を解いてドラゴンの姿になっているアルテミスが待ち伏せをしていた。
「ここまで包囲されては仕方がないであります‼︎」
男は懐ろに入れていた壺を取り出す。せっかくここまで溜めていたが、今は生き延びるのが先だ。
男の突然の行動の意味はわからなかったが、アルテミスとリーゼは何かまずいと思った。
リーゼが先に素早く動き、水魔法で水球を作り、男の口が動くよりも早く壺に魔法を直撃させた。
手に激痛がはしり、男は壺を離してしまい落としてしまった。
慌てて男は拾おうとしたが、ハーピーに掴んでもらっているためすぐに動けず、そのまま壺は落下した。
ハクロたちは何かが落ちてくるのがわかったが、風の影響などで、壺はハクロたちから離れた場所に落下し、地面に激突し、粉々に砕けた。
そして、壺が砕けると同時に何かが壺から噴き出し、そのままその場に溜まり、集まって何かを形作り出した。
形作り終わった時には、そこには真っ白な三つの頭をもつ巨大なモンスターがそこにいたのであった・・・。
あ、詳しくは次回




