閑話 従魔用空間拡張
ちょい閑話
アルテミスが従魔になり、これで従魔が三体になった。
「いやほんとついに三体目か。まさかドラゴンが従魔になるとは思わなかったな」
ついでにみんな一旦俺の従魔用空間にいれた。もうそろそろ転送の時間であり、念のためにみんな入れたのだ。しかし、さっきからアルテミスとハクロが喧嘩しているな。
『あの主殿よ、この空間は狭くないか?とくにこのでかい蜘蛛が面積とるのじゃが』
『そっちだって身体をわざわざドラゴンの姿に戻って体積とっているじゃない‼︎』
『別にいいではないか。人の姿でいる時は羽が伸ばせないからの。この空間で伸ばしたいのじゃ』
『でもただでさえ狭いのにそんなことしたらもっと狭くなるじゃないの‼︎』
・・・狭い狭い言わないでほしい。かなり傷つくんだが。
『主殿よ、もしかしてイマイチこの空間の感覚がわかっていないのか?』
「どういうことだ?」
『つまりじゃ、今主殿はイマイチこの空間の具合がわかっていないから拡張できないのじゃ。それがわかればこの空間はいくらでも拡張できるはずじゃ』
しかし、その感覚はまったくわからんな。大体俺は入れないからどうなっているかもわからないし。
『とりあえずそうじゃな、小さなビンをイメージしてほしい。その中にスライムを無理やり詰めた感じじゃ』
なんだそのイメージ。なんとなく想像できるんだけど確かに狭いな。
『で、そのビンから大きなタライにスライムを移し替えるようイメージしてみるのじゃ』
なんだそれ?それもイメージできるけどそんなんで本当に空間が広がるのか?
『うわっ‼︎なんかいきなりめちゃくちゃ広くなりましたよ⁉︎』
広がっちゃったよ⁉︎そんなんでいいのかよ?
『おお、さすが主殿。一発で成功するとは。さすがじゃな。これでのびのびできるの』
「あれ?そういえばスラ太郎の声がまったくしないんだが」
『ちょっとアルテミス、その足どけてみて』
『え?足じゃと?』
『なんか汁が滲み出ているんだけど・・・』
『あ・・・』
え⁉︎もしかして潰しちゃったの⁉︎
『すまんスラ太郎、主にまったく気がつかなかったわい・・・』
このあとなんとかスラ太郎を膨らまし、復活させ、さらにアルテミスに十分注意するよう叱ったのであった。