『ワポーンに寄り道3』
この章長いな・・・・ワポーン編をつけ足しておくべきか?
翌日、俺たちは嫌な知らせを聞くことになる。
「・・・・何?御羅衛門さんが?」
「はい、ギルド近くの路上にて、昨日の死体同様に干からびて・・・」
ようやく今日の昼頃に出国できるかと思っていた矢先、その知らせが宿泊していた俺たちの宿に届いた。
一応俺はSランク冒険者なので、こういう緊急事態には呼ばれることがるそうだが・・・・めんどくさいことに巻き込まれたかなこれ?
見に行くと、確かにギルドのすぐそばの道に御羅衛門さんが干からびて死んでいた。
干からびてはいるが、顔の特徴などが残っていたのですぐにわかった。
昨日まではちゃんと生きていたのに・・・。
「血が抜かれたわけではないようだね」
「血と言うよりも、別のものが吸い取られたと思われます」
「情熱・思想・理念・頭脳・気品さ・優雅さ・勤勉さ・・・とかではないYO!!」
この魔族三人組、黒魔石を扱っていた経験からかこういうのを分析するのは速いな。
一応、こいつらは友人と伝えている。魔族とか言ったらややこしいことになりそうだし。
「何が抜き取られているんだ?」
「主殿、おそらくじゃが精気のようじゃ」
要は気力とか、生きるエネルギーみたいなものらしい。
「精気が抜きとられているということは・・・」
「サキュバスあたりが疑わしいのぅ」
簡単に言えば、淫夢をみせて精気を抜き取るやつである。
「だけど、確かサキュバスは命までは取らないはずだよな?」
「そのはずだよ。彼女ら・・・インキュバスという男性版もあるけど、さすがに命まで搾り取らないはずだ。死んだらとれなくなるからな」
となると、犯人とは言えないな・・・。
そもそも、御羅衛門さんは話によると淫夢なんかは見ていなかったらしい。
「そりゃもう真面目な人で、ギルドでは慕われていたんですよ」
昨日の感じからしても、悪人ではないと感じ取れたからな。
「まるで、『黒翼のハーピー』のような事件だと騒がれていて・・・」
この国で三大伝説モンスターと言われているやつの一つか。
「だけど、記録では死んだとあるからね」
ファウストの話によるとそうらしい。
「襲おうとした相手に逆にやり返されたらしくて、悔しさで舌噛んで死んだと・・・」
「そのやり返してきた相手は?」
「今まで似たようなことをやってきた賞金首の人で、一応黒翼のハーピーを倒したのはいいけど、それとこれとは話が別だということで裁かれたらしいよ」
「うわぁ・・・・」
ひでぇ結末だな。
「だけど・・・・三日おきに襲っていたようだからね。今回のは速攻で行われているし、たぶん違うと思うよ」
結局何かはわからないが、このままにしておくのもなんかまずい気がする。
「そういえば、御羅衛門さんが昨日の事件を調べた際にわかったことがあるんでした」」
ふと、なにかを思い出したかのようにギルド職員の一人が言った。
「何か?」
「実はこの干からびる事件、数日前から似たようなものがあったそうです・・・・」
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「・・・まずかった」
ギルドから少し離れた路地裏にて、二人の影があった。
一人は口直しなのか、団子を食べていた。
「だが、あのギルドマスターよっぽど何かため込んでいたのか、精気の量がかなりの量だったであります。ギルドマスターの吸収して、後4~5人ほどで完璧だと予想していたのでありますが、あと一人分で十分であります」
「・・・これで終わり?」
「ああ、次でラストであります。思ったよりも早く貯まったし、これで計画が完成、お前はもう精気を集めなくて済むのであります」
「・・・やった」
「そうだな・・・最後の一人は派手に生きたいでありますな。警戒してはいたが、この際危険は承知であります!!最後のターゲットは『怪物殺し』にするであります!!」
「・・・!?」
「不満でありますか?ここで倒しておかないと後で厄介なことになるのであります。お前も吾輩たちの名k魔だとして倒される可能性があるのでありますよ!!」
「・・・でも、」
「安心するであります。このさい夢の中に入り、そこからならやつの従魔たちにも防げぬはずであります!!」
ソレはなんとなく嫌だと言いたかった。しかし、迫力に押され反論できず、悲しむかのような顔で、その言うことを実行しようとするのであった・・・・。
よくよく考えたら、防ぐ手段持っている奴いるんだよな・・・。




