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閑話 健康診断

なんか書きたくなった。

時期的にはライア加入前のあたり。

 今年、冒険者という職業が発足以来の初めての集団健康診断が開催されることになった。


 なんでも、最近冒険者たちが増えているのはいいのだが、不摂生な人がいるのが見かけられるため、その健康状態を調査する一環として行われるもののようである。


 参加費はただで、冒険者たちが受けられるというようだ。




「どうやら、魔物の使いの従魔用もあるみたいだな・・・」

「従魔用ですか?」


 参加を促すために配られてきた説明容姿にはそのようなことも書いてあった。


「モンスターが病気になることとかは余りないらしいけど、今の健康状態を調べるようだ」

「体重、身長、座高などがありますね・・・・」

「人間に行うものとあまり変わらぬではないか」


・・・・というか、従魔の中にはスライムとかがいるけど、この場合の身長ってどこ指すんだろう・・・・・?




 とにもかくにも、良い機会なのでこの際全員受けることにした。



 健康診断会場は王都の近くの平原である。


 モンスターなども出現するが、冒険者たちが意外にも多く集まっているので対応可能だろう。


 しかし・・・思ったよりも大勢来ているな。



「ハクロたちは従魔の方だからあっちだな」


 従魔用の方にはスライムやゴーレムなどが並んでいた。


 というか、スライムがかなり多いな・・・・。



いったんここで別れ、それぞれ健康診断を受けることになったのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 SIDEゼロ



「どうやら普通の健康診断とは変わらないようだな・・・」



 今回、測定される内容は以下のものである。


・身長

・体重

・座高

・3サイズ測定

・最高と最低血圧

・握力

・50m走

・腹筋

・背筋

・反復横跳び

・立ち幅跳び



 なお、従魔用もこれと大体同じらしい。


 だけど、従魔と言っても様々なモンスターがいるのでそのモンスター用の測定もあるとか。



「でも、この内容だとできないのが多いような・・・・・?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE従魔たち


「では、測定を始めますので従魔の皆さんは一列に順番になって並んでくださーい」


 ギルドから今回の測定のために来た職員の方々がそうよびかける。


 指示の通りに皆順番に並んだ。




「まずは身長からです」



 ここで、問題発生。



「あの・・・リーゼさんはどこを身長と言えばいいのでしょうか?」

「(;゜Д゜)」


 魚の測定方法だと、頭の先から尻尾の先までが大体全長である。そして、尻尾の付け根から頭までが標準体長。


 人だと頭から足なので、全長の測りかたで解決・・・・。


 だが、この後他の従魔たちでスライムは身長をごまかそうと体を伸ばしたりして正確にはいかなかった。


 最初から既に問題だらけなのだが、それなのになぜ従魔たち用の健康診断が実施されるのか。


 実は、健康状態を見るのは表向き。裏向きにはハクロたちのような存在がいたからであった。


 人に近い容姿と心を持つ従魔。同じようなモンスターが出て、ゼロ以外の魔物使いの従魔になる可能性が0とも限らないので、そのあるかもしれない出来事の準備として今回の健康診断が行われているのであった。


 なお、従魔たちの健康測定は女性ギルド職員がメス担当、男性ギルド職員がオスの担当をしている。


 ハクロたちのような見た目のがいるから配慮としてである。


 ただ、スライムの雌雄は・・・・魔物使いが提出した性別についての書類、もしくはそれ専門の雄雌を見分ける人が区別をつけているのであった。


 一応そういう専門的なことをする人もいる。ただし、この人は月間スライムクラブに携わっている人で、ギルド職員ではない。区別の仕方はその容姿らしい。




 体重は、従魔の中には1トンいくものがいるので特別製のものが使用されている。


 あと、ゴーレムやサイクロプスなどのような大型の従魔もいるのでサイズも合わせる。



「次は3サイズですか」


 さすがにこれはちゃんと区別できるものしか測定ができないので、女性ギルド職員が測定するテントの中で裸になって測定。


 なお、男性ギルド職員がこれに強く希望したが女性全員に拒否。


 理由としてはカトレアなどが原因であった。




 だが、この3サイズ測定をし終えた後、女性職員の中には己の胸などを抑えて落ち込む者や、血の涙を流す者が多発したので以降はこの測定は消えてしまった。




 血圧はゴーレム・スライムなど血液が流れていないモンスターは測定不可能。ブラッディスライムなどは一応血液(何のかは不明)の塊のようなスライムなので測定すべきかと議論されたが、流れているわけではないので測定不可能となった。


 握力に関しては手のサイズに合ったものが用意されて、トロールやゴーレムなども測定できるようになっているという配慮がなされた。ただ、この握力測定終了後にはどれも握りつぶされてしまったが。


 なお、ウルフなどの握力が測れない従魔に関しては、(あご)力測定に変更。



 50m走は特に問題がなかった。唯一普まともに行えた測定である。。ただ、水中で真価を発揮する魚系のモンスターたちの場合は特設水槽で泳ぎの方で測定された。


「あのー、腹筋・背筋って私はどうすればいいんですかね?」


 ハクロの場合、これの測定が無理。


 下半身が蜘蛛の身体なので、どう動いてもうまいこと出来ない。


 リーゼの場合は下半身が魚だが、ちゃんと前後動けたので問題はなかった。



 反復横跳びは中止。これは横に飛ぶ際に物凄く地面が削れかねないからであった。


 立ち幅跳びでは、着地の際に地面がものすごく揺れ、自身かと勘違いされるほどでもあった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 健康診断が終わり、数日後結果が各冒険者に送られてきた。



「あー、だいたい健康か。ただ、血圧が少し低いことが注意されているな」

「私の場合は測定できたのが少なかったのですが、健康のようです」

「我の場合は・・・血圧?いや、これ人の基準じゃろ」

「ケンコー」

「私に至っては少しやせてほしいとありました。と言うか、胸を減らせなどがあったんですが・・・血文字で」

「(*‘∀‘)」


 それぞれ一応健康のようであった。


 ただ、今回の結果を踏まえてこれ以降の身体測定はさらに改良が加えられていき、他の国でも同様に定期検診として広がっていったのはまた別の話・・・・。


「3サイズのことで、女性のギルド職員たちが血文字で書いているんですけど・・・」

「それは気にするな」



後日談

王都にて、美容に関しての話題が増え、美容関連の道具が山ほど売れ、ギルドの訓練場で体を動かしまくる女性の方々の姿が増えたのは先日の健康診断による影響とされている・・・・・。

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