閑話 ライアの一日
時間軸とかは無視の方向性で作っている○○の一日だけどさ、セリフがほとんどカタカナのスラ太郎や、むしろしゃべることすらないリーゼとかどう書こうか・・・・・。
ワゼは・・・・まあ、そのうち出番あるかな?
日の出とともに拙者の一日が始まるぜよ。
「はあっ!せいっ!ほいっ!」
板の姿から人化をし、主の家の地下に作られた滝にて滝行をして身を清めた後、日課の木刀での素振りを行う。
なぜ家の地下に滝があるのかはわからぬのぜよが・・・・。
そもそも、この家のほとんどが従魔としては先輩であるカルミアが改築、増築などをしているのだぜよ。
最近区画整理とやらをしたらしく、わかりやすくなっているようだが・・・・・増築などをしていたりして意味があるのかと尋ねたくなるぜよ。
これ、拙者が屋敷のモンスターだった時よりも相当なものになっているような・・・・・拙者がもし屋敷型のモンスターに戻れたらカルミアにリフォームとやらをお願いしたいぜよな。まあ、板の姿にも慣れてしまっているがぜよ。
本日は主が婚約者とのデートの日らしくて、拙者たちは自由に過ごせるのだぜよ。
まあ、ハクロとかはこっそりついていっているらしいぜよが・・・。
そういえば、従魔になってから思ったことは上下関係があまり見られないことぜよな。せいぜい主と従魔と言うぐらい大雑把なものだったぜよ。
まあ、過ごしやすいからいいぜよが・・・・。
ちなみに、拙者が来ている服は当初は人化したての時の自然と装備されていた服だったぜよが、ハクロに新しく仕立ててもらったものに変更しているのだぜよ。
これがまた着心地がよくて、さらしなども変えてもらったが、汗の吸収などが早く、すぐに乾くってのがいいぜよね。
とりあえず、今日は自由なのでせっかくだから王都にでも探索しに行ってみるぜよか・・・。
「こちらが、マスターがあなたたちに渡しているお小遣いですガ・・・・無駄遣いしないでくださいネ?」
「わかっているぜよ」
この家のメイドをしているワゼにお小遣いをもらい、王都に向かうぜよ。
王都とこの家はそこそこ距離があるぜよが、カトレア製馬車が何台かあるのでそれの一台に乗っていくぜよ。
王都につき、ライアは散策を開始した。
ライアは人化時は女剣士と言う見た目である。整っている容姿だが、元は板の姿だと知っている冒険者たちにとっては驚く事らしく、人化をするモンスターを従魔にしたいとかいうような魔物使いが増えてきているらしい。
まあ、ゼロの従魔たちが容姿端麗な者ばかりなのが原因だが。
そのため、最近ではアラクネ・スライムなどの討伐を受ける冒険者たちが増え、ハクロたちのような容姿が美しいものがいないかと血眼になって探しているような輩も増えてきている。
まあ、スライムはまだいいとして、もともとのアラクネがランクA相当なのを忘れて返り討ちに合うものが増えたようであるが。
『ランクAのモンスターたちは人に対しての警戒が強くなっており、めったに姿を見せないモンスターもいる。Aランク冒険者が何とか束になってやっと同等ぐらい。強さが半端ないため、刺激しないようにするのが良い』と言われているのに、それを忘れているからな・・・・。
忘れられがちだが、ハクロたちはとんでもないクラスのモンスターなのであった。
そういった知識が中途半端な冒険者も増えたため、冒険者用学校から臨時授業などを受けるようになどの通達が来たりする。
ついでに、ゼロの従魔たちはランクSにあたるので「触らぬ怪物殺しの従魔にたたりなし」と言われるまでの畏怖も集めているのだが・・・。
ライアの場合は、インテリジェンスウェポンみたいな扱いのため、ランクがつけがたいものらしい。
まあ、剣の実力などからSかAぐらいかと言われているが。
「にしても、王都は賑やかぜよな・・・」
ライアの出身地はホークアイと言う名の街にあった屋敷である。
もともとその屋敷ではろくでもないことが行われてたりしたが、今のライアにはその記憶がない。と言うか、生まれる前でもあったので知ることもなかったが。
もしかすると、アルテミスに木っ端みじんにされた際に、その記憶部分も木っ端みじんにされただけかもしれない。まあ、ライアには気にする必要もないことであった。]
だが、それでもホークアイの街の様子は見ておいたからわかる。
荒くれ者もおり、ここまで賑やかではない。
なので、こういったところはどことなく楽しくなるのであった。
「ふ♪ふ♪ふ♪ ふふふふふん、ふっふふふふーん♪」
適当なリズムで鼻歌を歌いながらライアは王都を探索した。確か主がたまに鼻歌で歌っていた「あにめ」とやらの何かのおぅぷにんぐの曲らしいが・・・確か、カトレアのゴーレムにはそれをモデルにしたものがあるらしい。
まあ、リズムが何となくいいから別にいいぜよが。
ちなみに、こうして王都を散策してはいるが、一応ゼロがローズとデートしているところとは反対の方に行っているのである。
自然と歩いているつもりだが、実はハクロがこういうときだけは無駄に有能になって糸で王都中を監視して、ゼロたちのデートにほかの従魔が近づかないように巧みに誘導しているのであった。
例えば、糸で人をこけさせて進路を変更させたりなどである。
そうとは知らず、ライアは適当に歩いていると一軒の店を見つけた。
みた感じボロボロだが、どことなく引き込まれる感じがした。
中に入ってみると、そこにはレジでキセルを持っている白髪のお爺さんとこの店の商品である様々な武器があった。
どうも冒険者用の武器屋のようで、爺さんは見た感じドワーフの方のようであった。
「・・・ほう、お前さんなんか買っていくかね?」
「うーん、刀はどこにあるぜよか?」
「あっちだ」
爺さんが指さした方向にはさまざまな刀が揃えられていた。
剣を使って戦うライアとしては、どれも物凄い業物だとわかった。
「す、すごいぜよ・・・・なんでこれだけのすごいものがこの店にあるんだぜよ・・・」
店はぼろいのに、おいてある武器はどれも職人の業物ばかりである。まあ、値段もそれなりにしてはいたが。
「おお、その歳でわかるのか」
ライアを人間と勘違いしているのか、若い女剣士だと思っているような爺さんがどこかうれしそうな声を出した。
「ここにある武器は、全部が俺の友達の作品だ」
「友達って・・・ドワーフのぜよか?」
「ああ、それぞれ別のやつのだがな。ドワーフ以外が作ったやつでも出来がいいものはここにすべて売っているんだ」
どれもがものすごくいいものばかりだが、なぜ売れないのか?値段は確かに高いが、十分その価値に、いや、それ以上のような価値がするものばかりである。
「今の若いもんはな、安くて簡単に手にはいるようなものばかりを求めやがる。そのためこういった手入れをすれば長持ちするようなこれらを買いに来ねぇんだ」
「なるほど・・・要は、質よりも値段を見ているのかぜよ・・・嘆かわしいぜよね」
「お前さん、そういったことがわかるかい?」
「わかるぜよ!!剣を使う者からすれば、剣は一生の相棒とできるほどの物がほしいぜよからな!!安価に壊れやすい物よりも、こういった頑丈で、長持ちする職人の業物の方がいいぜよ!!」
爺さんとライアはそのまま意気投合した。
ライアが扱う武器は剣だけであったが、それでも十分盛り上がった。
「この剣は玉鋼にアダマンダイトを少し混ぜているぜよね・・」
「おう、でここに炭素を加えてだな・・・」
刀バカにしかわからないようなレベルの話をしてから、いつの間にか夕方近くにまでなっていた。
「・・・で、ここの・・・あ、もうこんな時間ぜよな。もうそろそろ拙者戻らぬといけないぜよ」
一応門限は決まっている。過ぎてもいいのだが、あまり心配をかけたくはない。
「そうか、結構話が盛り上がったのに残念だな。・・・・そういえば、お前は何者だ?」
ふと、爺さんが今さら質問をしてきた。
「『怪物殺しのゼロ』の従魔、ライアだぜよ」
「怪物殺しの従魔・・・・なるほど、なんか納得できたな」
怪物殺しぐらいの強者なら、その従魔でもこういったことに関して話せるやつがいてもおかしくないと爺さんは納得した。
「またここにきて、この爺さんの話し相手になってくれるかい?」
「うーん、べつにいいぜよ。ただ、拙者が来れる時になるぜよが・・」
「それでいい。せっかくだし、その約束の証としてこの店の好きな剣をどれでも一つだけお前さんにやるよ」
「いいのかぜよ!?」
この店にあるのはどれも業物ばかりで価値がある物だ。その中の一つをタダでもらえるのはライアにとっては願ったりしないことでもあった。
刀に近い剣を物色し、これだという物を探すと見つけた。
刃の部分が淡い青色で発光しているかのような剣である。
「これがいいぜよ」
「おお、ワポーンという国からわざわざ来た鍛冶師が作った名刀『青桜』だな。お前さんの主が生やしたという魔桜と言う木の花びらをふんだんに混ぜ込んで作られたものだ」
「主の生やした木からぜよか・・・・」
なお、魔桜に関してはゼロは別に所有権とかを主張はしていないので違法性はない。
とりあえず、良い剣が手にはいったのでライアはまた店の来訪を約束して帰宅した。
帰宅した後は、剣の手入れをし、夕食をとった後に風呂に入り、そのあとは人化を解いて板の姿で眠りにつくのであった・・・・。
その日の夢に出てきたのは、大きな見事な魔桜の木だったのは言うまでもない・・・・。
後日談?
爺さんの店は、しばらくは開いていたが、歳と言うこともあり、ある日閉店することになった。
だが、店の大量の武器の買い手が見つからない。
そんな時、ライアがそのことを聞いてゼロたちに土下座してまで頼み込み、全員で協力して最後の一つまで完売させて、無事閉店できたという話もあったのだが・・・これはまだまだ先のお話。
いつかこれも書けると言いな。