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『早いお帰り』

『魔王の(ころも)』・・・魔王が着ていたとされる衣。負のエネルギーなどの集合体であり、魔王の力によって変質してそのような衣となった。魔王を外敵から身を守ったり、また、魔層の存在を保ち続けさせる効果、いわばふ不老不死のような効果を与える。しかし、魔王本人と共にある存在でもあるので、何かで魔王が死んだ際には衣もまた消え失せる。

地面から飛び出た筒のようなものが砕け散り、中から闇より黒い衣をまとったゼロが出てきた。


「『魔王の衣』・・・成功だ」


ゼロがまとっている衣をみて、ファウストは己の研究の成功を確信した。


「・・・!?魔王様とは違う!!」

「なにっ!?」


 邪龍帝は感じた。自分が愛したあの魔王とは違うことに。


「・・・いいや、魔王なのはあっているよ。まあ、俺は俺のままだけどな」

「ゼロ様・・・・!?」


 ハクロたちは安堵した。己の主が変わっていないことに。


「心配かけたな」



 ゼロは、そのままハクロたち側の方に行き、真正面からファウストはたちを見据える。


「さてと、何から話せばいいのかな?」





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 正直言って何から話そう。魔王の衣身に着けちゃったけどこれって俺はそのまま時代魔王になったということでいいのかな?


 内心、俺は焦っていた。雰囲気的に落ち着いたふりをしているけどな。


・・・しかし、この魔王の衣とかいうやつなかなかしっくりくるな。着心地がいいというべきか。


 だけどこれって負のエネルギーが集まってできたやつなんだよな・・・。


「先ほどのゼロのままですね・・・・私が愛したあの人ではないのですか?」


 邪龍帝が動揺しながら質問してきた。


 ふと、頭の中に魔王の邪龍帝に対する記憶が浮かんできた。


「・・・魂としては、同じだそうだ。本人(魔王)から聞いたしな」



 俺は語る。先ほどまで話していた魔王との会話を。


 魂は同じだが、生まれ変わってしまっているものは再び蘇らないなどな。


 その話を聞いた皆の表情は驚愕していた。



「だけどな・・・・邪龍帝、いや、魔王にはルミア(、、、、、、、)と呼ばれていたんだっけな?」

「な!?あの人が私に名付けてくれた名前を・・・・!?」


 そもそも、従魔には名前を付けるのが普通だ。魔王だってかなりの従魔がいたし、名前だって一人ひとり覚えているさ。


 魔王と結ばれていたっていう邪龍帝もやはり名前があったようである。まあ、邪龍帝って言いにくそうだしな・・・・。


 愛称でジャーちゃんとか言っていたのかと思ったら意外にもまじめな名前。


「そいつからの伝言を最後にもらっているぜ」

「あの人の伝言・・・・?」


これだけは伝えないといけない感じだったからな。


「『先に逝ってごめん』とな」


 あの口ぶりからして、もっと一緒にいたかったのだろう。


「あの人がそんなことを・・・・」


 邪龍帝、ルミアは涙を流した。最後にそんな言葉を残したなんて・・・・。


 自身が愛したあの人の言葉。もっといい言葉があったんじゃないの・・・・・。


 そう思いながらも、自分をそういうふうに心配してくれたのは魔王しかいなかったので、その言葉は自分が愛した人の言葉だと信じられた。



「ルミアはまあこれでいいとしてだな・・・」


 これでいい話だったなーって感じに終わらせる気はないぞ。


「俺の立場はどうなるんだ?お前ら?」


 ファウストたちを見据えて俺はそう尋ねた。


 魔王の衣を着ているこの状態だったら俺は次代魔王とかにされるのか?









そもそも、邪龍帝を除くこの三人組の目的って確か・・・・

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