『先へ進み』
ネタバレに近いですが、正確には、別の要素が影響して人間であるゼロは気持ち悪くなっているだけかと。
モンスターや魔族の方々には効いてないもののようです。
なんとか回復し、歩いて奥へ進むと・・。
「行き止まりじゃねぇか」
洞窟はここでふさがっていた。
「ノンノン、これはカモフラージュだYO!!」
そうガイントがいい、行き止まりの壁にてをかざした。
「音声認識『ひらけドアン!!』」
そう唱えた途端、行き止まりの壁が一瞬で消えて奥へと続く道が現れた。
「邪龍帝製作『音声認識型金庫用ドア』という魔道具の一種だYO!!」
金庫用って、思いっきり使い道を間違えていないか?
というか、邪龍帝って魔道具作りに長けているのか?
いろいろなツッコミを抑え、奥へ進むとかなり広い空間へとでた。
その奥の方には仮面の男、ファウストが立っていた。
「ようこそ怪物殺し君とその他の従魔たちよ!!」
「「「「その他ってひどい!!」」」」
明らかに他の名前を言うのがめんどくさくなったなこいつ。
ハクロたちはその他扱いされたのがむかついたようである。
「魔王復活の準備は整った!!なので今回はこれまで僕らが引き起こした黒魔石による騒動を解決してきた魔物使い君に見てもらおうと思ってね!!こうして招待状を送ったのさ!!」
なんかいつも以上にハイテンションなファウストである。そういえばガイントが魔王復活のための作業を不眠不休でやっていたとか言っていたな・・・。
もしかして、徹夜明けの変なテンションが入っている状態か?ドーパミンがあふれ出ているのだろうか?
その横を見ると、顔色一つも変わっていないメイドと、初めて見る黒メガネをかけた黒髪の長髪の白衣を着た女の人が立っていた。理系女子とかいうやつか?
「ぬ?・・・・この気配、お主ドラゴンじゃな?」
ハクロが何か気が付いたかのようにその黒メガネの女性を指さした。
その女性は眼鏡をくいっとあげてこちらを見た。
「ええ、ドラゴンですよ。どうもこの姿で会うのは初めまして・・・というべきかしら?邪龍帝です」
邪龍帝が人化した姿ってことか・・・・。ドラゴンの姿は氷龍帝が黒くなった感じとか言っていたな。
「邪龍帝、お主他の龍帝から行方不明扱いにされておるが、まさかこんなことに関わっているとはどういう事じゃ?」
アルテミスが厳しい目つきで邪龍帝を睨んだ。同族だからか、これまでの黒魔石によって起きた出来事の根幹ともいえるコイツにかなりの嫌悪を抱いているようである。同族嫌悪ってやつか・・・。
かなりの迫力があるのだが、当の邪龍帝は涼しい顔である。さすが龍帝というべきかどうか、負けてはいない感じであった。
「まあ、私自身こんなことをやって人々を苦しめることになったりするので、物凄く胸が苦しくて辛んいですよね」
「じゃあやるなよ」
そんな心情になるならば最初から黒魔石なんてものに関わるなよ。
「ですが、私とて魔王復活のために動きたかったんですよ。魔王様は私が仕えていた主ですからね。また、私は魔王様の妻でもありますからね。夫の復活を願うならば命だって犠牲にできますよ」
妻?
「ドラゴンが人間と子を成す話とかはごく稀にだがあるが・・・それにしては物凄く陶酔しておるように見えるが?」
「ええ、だって魔王様は誰でも愛してくれたのですもの」
あ、話が長くなりそうな予感。なんでこういう時に長々と話すような奴っているんかな。
ラスボスとかってよく話が長くなる時ってあるよね。
まあ、ラスボスではないけど。話はまだまだ続くよ。