『面倒ごとですよ』
この3人組の名前って魔道王国編で出てきているんだよね・・・・。
それ以前から活動しているけどさ、コイツら面倒ごとしか起こさないよな・・・。
「クーデター!?」
「そ、それを企てているのが王都に近い領地を持っている貴族のボワル・アンダー・デップリンとかいう中年のおっさんさ」
ファウストがそう言った。
せっかくなので事情とやらは聞いてやろうと思い、客間に連れてきて聞いたのだがとんでもない話である。
「黒魔石を渡して適当な騒動は起こしてほしいと思ったけどさ・・・」
「観察してみたらなにやらとんでもないことをしていたんだYO」
ザイネが頭を抱え、ガイントがお手上げみたいなポーズをとる。
いや、お前らが原因でそんな事態になろうとしているんだろうが・・・。
「これは確かに絶大な負のエネルギーを集められるんだけどねぇ、ちょっと質が悪くなりそうなんだよ」
そういえば、こいつらは黒魔石で各地に争いなどを起こして、その負のエネルギーをちまちま根気よく集めて、そのエネルギーを使って魔王とやらを復活させるつもりだったとか言っていたな。
というか、エネルギーに質なんてあるのか?
「黒魔石を組み込んだゴーレムの軍団『死をも恐れぬ騎士団』ですか・・・理論上は可能ですけど、名前がダサいです」
カトレア、そこツッコみいれるところ違うから。
「黒魔石は怪物化・モンスター化・ダンジョン化・魔力吸収などを引き起こす魔道具じゃろ?そんなもん組み込んだゴーレムが凶暴化するのではないか?」
「それをどうにかしたらしいんだよね~。ほら、最初に王都で怪物化を引き起こした哀れなあの人覚えている?」
「あのバカ坊っちゃんか?」
「そっちじゃなくてゴーレムを使った人」
「ハグエェか?」
印象には残っているんだよな・・・顔だいぶ忘れたけど。
「そのハグエェの親戚のマッデスト・テルゾがその問題を解決したようなんだよね」
王宮軍事ゴーレム部門のトップだったハグエェ。だが、数年前に怪物化していろいろやらかしたため、其の部門は現在永久凍結中である。
こいつらの調べによると、ハグエェの親戚であるマッデストもその部門に入っていたようだが、永久凍結により事実上の失職。さらに、騒ぎを起こした奴の親戚だから何かと嫌な目に遭っていたようである。
「で、騒ぎを引き起こしてもらい負のエネルギーを集めるために黒魔石を1個渡したのだけど・・・」
「その二人がどうも手を組んだらしく、調べによると人工的に黒魔石を複製・量産してそのゴーレム軍団に組み込んだ」
「その戦力でこの国を乗っ取り、さらには世界を狙っているようだけどNE」
「魔王復活のためには障害になると判断。そんななものが世界中で暴れられたら魔族の国も巻き込まれる可能性があるんだよね。あの国からすでに追放されているけどさ、魔王様が復活したらそれにあやかって国に帰ろうと僕らはしているからさ、できるだけ被害を抑えたくなってこうして怪物殺し君に土下座して何とかしてもらえないかなと思ってきたわけ」
うん、言い分はわかるが・・・・・。
「・・・原因お前らになるよね」
「「「それは否定しない」」」
言い切りやがった。そして、やっぱり面倒ごとをこうして持ち込んできやがった。
クーデターが起きるとわかっていてもさ・・・。




