『悪化』
翌日、悪化しました。
「・・・・」
気力ゼロ。こういうのを死にかけって言うのかねぇ・・・・・。体力的にきつくなったので、この際眠りの魔法をカトレアにかけてもらい、回復するまで眠るという物にしてもらった。
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「ゼロ様の症状が悪化していますね・・・」
ハクロたちは心配していた。カトレアによって眠っているが、病状がかなりひどい。ローズも看病に来ようとしてはいたが、モンスターは人とはいろいろ違うだろうから大丈夫なのだろうが、同じ人間であるローズだとかかる可能性があったからゼロが来ないように言ってある。
「スラ太郎の薬が効いてない様子を見ると・・・単なる病気ではない可能性があるのじゃ」
アルテミスはゼロの様子を見てそう述べた。
「カゼヨウジャダメダッタノカナ?」
「・・・薬草はほかにもありますから万能薬みたいなものが作れませんかね?」
カトレアがスラ太郎に尋ねる。カトレアは自分の部屋と地下に作った植物栽培室に様々な薬草も育てているのである。
「デキルケド・・・・ジカンカカルヨ」
「それでもいいですから作りましょう」
カトレアとスラ太郎が部屋から出て薬を作りに行った。枕には眷属のスライムが代わりに引き受けた。
「私たちは現状何もできないのでこのまま看病をつづけましょう」
ハクロはそういったが、内心物凄く不安であった。
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「・・・・ん?」
目が覚めると、部屋の中は暗かった。どうやら夜中に目覚めたようである。
体はだるいものの、体調は良くなった感じだった。カトレアにかけてもらったのは回復するまで眠るという物だったが・・・治ったら目覚めるという事なのか。
「ゼロ様ぁ・・・」
「おっと、ハクロか」
何か体に乗っかているような感じがしたので見ると、ベッドの端から上半身を俺の体の上にのせてべたーっとうつぶせになっているハクロであった。どうやら看病していてそのまま寝てしまったようである。
周りを見ると、アルテミスたちも同じように倒れて寝ていた。
よだれを垂らしていた感じがしたので、口を少し拭くとなにかの液体が付着していた。
どうやら寝ている間に薬を流し込まれたようである。
「みんな看病頑張ってくれたんだな・・・」
疲れて寝てしまった従魔たちを見て、俺は全員ぎゅっと抱きしめたくなるほど愛おしくなった。まあ、体がまだだるいので少し無理だが。
しかし・・・・口の中がすっごい苦いんだけど、何を飲ませたの?ものすごく不安になるんだけど。
鑑定で調べることができるんだけど材料にやばい物が入っていそうで怖い。
考えるのをやめて、俺はもう一度眠りにつくのであった・・・・。
ゼロのために作られた薬の材料はほとんどが薬草を組み合わせているが、一部ゲテモノあり。
なお、その詳細は墓場まで持っていくと看病した全員が宣言した。
・・・・本当に何を使ったの!?




