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『従魔を増やそう!3』

今回は後半シリアス?

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっつ!!これはいまだに見たことがない珍しいものの数々じゃないか!!」


調査のため校長モッセマンとともに無理やり護衛として連れてこられた俺は、興奮している校長を見て若干引いた。


「これはまだ見たことがない、これはあるがめったにお目にかかれない、これはない、これは」

「いや早くみんなのところへ戻りませんか?あまり離れたくないし、なんか嫌な予感がするし」

「なにをいうかね!!転送魔法陣での誤作動によってこのような場所に行けるのはめったにないのだ!!偶然たどり着いたのだから今のうちにこの地についての情報収集は大事だろ!!」

「なんかもうあれですね、完全に学者バカですよね」

「そうだな」


 なんかもうスラ太郎の進化の時から思っていたけど、いやわかっていたがモッセマンさんは完全な学者バカのようだった。悪い人じゃないのはわかるけど、なんか引くなー。


 念のため何かあっても対処できるようにハクロとスラ太郎を出した。

ハクロはあたり一面に魔力の糸で感知してもらい、スラ太郎はなんか頭に触角が生えていた。この触角は『軍隊スライム(監視兵種)』のものらしく、これで辺りの異常を素早く感知できるのだとか。


「今のところ変なのはいないようだけど、なんかさっきから見られているような気がするんだが・・・?」

「うーん、私の糸には何も反応ないですしこの辺は見通しがいいようですからね。何もいないなら気のせいなんでしょうが、なんか私もそう思えるんですよね」

「ア、ナンカウエカラカンジル。デモウエニハナニモイナイ。ナンデカナ?」

「え?上になんかあるのか?」

「ナントナクダケドナンカイル。ケド、ミエナイ」


 上を見てみるが、何もなくただ変な色の空が広がっているだけだった。


やっぱ気のせいかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(おや?上から見ていることの気が付いたようだな。さすがにこの高度だと我の姿が見えぬか。だが、興味深い。あのスライムやアラクネは確かに強い力を感じるが、特にそれを従えているあの少年・・・人間とは思えんほどの魔力にあふれておる。くくくくっ、少し見てやろう)


スラ太郎の上に何かいるという考えは確かに当たっていた。だが、『ソレ』がいたのはそこからはるか上空で目に見えぬ高さにいた。『ソレ』はゼロに興味を持ち、その力を確かめようとした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、そろそろみんなのもとに戻るぞ」

「いやだいやだ!あと一時間くれ!!」

「駄々っ子かあんたは!!」


 もうそろそろ日が暮れてきて、もうすぐ元の場所に戻れる転送が始まるはずである時間であった。

もうみんなのところへ戻るつもりだったが、モッセマンはまだ調査したいと駄々をこねていた。


さんづけ?心で思ってる時ぐらい外すことにしたよ。


「なんかもうダメな大人の見本ですね」

「アレガダメナオトナ?」

「そうそう、スラ太郎はあんな大人になるなよ」

「デモマスターモ11サイデマダコドモデスヨネ」

「俺はあんな大人になるかよ」

「ですよね。ゼロ様があんなのになっても私はついて行きますからご安心を!!

「いやだからならないって!!」


いやいや言ってる校長がさすがにうるさくなり、こんなことになることを見越してあらかじめジョイント先生から許可はもらっておいた。


「ハクロ、モッセマンさんを糸で縛って引きずって戻るぞ」

「りょうか・・・!!上から何かきます!!」

「なに!?」


 ハクロが素早く何か異常に感知し、俺とスラ太郎をわきに抱え校長を速攻で縛ってハクロが引きずって素早くその場を離れるとさっきまで俺たちがいた場所が炎に包まれた。上からどうやら火球が落ちてきたらしくしかもその炎の色は温度が半端なく高いきれいな青白い色だった。


「な、なんだあれ!?」

「あの炎の色は・・・・まずい!!ドラゴンの一種かもしれん!!」


 さすが学者バカ校長。あの炎一発でわかるなんて。


「しかしなんでいきなり攻撃をしてきたんだ?」

「マスター、サッキノウエニイタカモシレナイモノ。モシカシテイマノヤツナンジャ?」

「そうか、さっきのやつか!!もしかして俺たちが感じ取れないほど上空に距離にいたのか!?」


火球が放たれたほうを見ると、そこに何かでかいやつがいることが分かった。距離としてはまだ離れているはずだが、それでもこの距離で見えるのは考えるとかなり巨大なドラゴンであった。


 ハクロに抱えられながら(校長は引きずられ)俺たちは全力でその場を(主にハクロが)走って逃げた。

いくらなんでも相手が悪すぎる。ハクロやスラ太郎が強いといってもさすがにあれは無理だと俺たちの中で確信した。


「ハクロもっと速く走って逃げろ!!追いつかれるぞ!!」

「いやでも、もう、追いつかれ・・」


 後ろから火球が迫りあまりにも早かったため気が付かず、俺たちは火球の直撃を受けた・・・



今回は鑑定の出番がなかったためここで解説


『ドラゴン』

太古の昔から人間ともつながりのあったモンスター。その圧倒的な力を持ち人間と争ったり、逆に親密になろうとする者がいたりした代表的なモンスター。様々な属性に特化したものもあり、その体から得られる素材は伝説の武具にもなる。

長い年月を生きた者は『エイシェントドラゴン』となり、さらに力を増す。


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