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『板がいた』

そのままです

ぼかぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁん!!


「・・・結構簡単に出られたな」


 アルテミスに元のドラゴンの姿に戻ってもらい、内部から屋敷を破壊して俺たちは脱出したのであった。


あたり一面に屋敷だったものの破片が散り、外はすでに夜中になっていたので月明かりがその場を照らした。


「大量の黒魔石が原因で生まれたとしても、あまり強くなかったのぉ」

「そもそも戦ってすらいませんでしたけどね」


 まあ、今回の出来事は黒魔石により屋敷がモンスター化していたというだけだったな。もう倒してしまったし、これで今回の依頼はあっという間に完了かな?


「あとは、この町のギルドマスターに報告して帰って王都の方でも報告すれば完了・・・と言いたいけどね」

「ん?何か懸念があるのですか?」


 あるんだよな・・・・・。


 そもそも黒魔石が何でこの廃墟に多量に保管されていたかという話がある。それに、あの屋敷だったモンスターの強さが弱かったのも腑に落ちない。


 この前の30個の黒魔石によって出てきたなんかキモイ怪物は苦労したのに、こっちはこんなに簡単に解決だ。なんでだ?


 もしかしたら適正とかそういうのがあるのか?ありえる話だな。



「ん?」


 腕を組んで考え込んでいると、視界の端に何かが目についた。


『こんなばかばかしい方法で体を壊されるなんてひどいやい』


 ・・・・なんかそう書かれている木の板があるんだが。あ、あの扉の破片か。なんかきれいな四角の形になっているな・・・・。


 拾って見て見る。


「まさかまだ生きているのか?」

『生きているんだよなこれが』


 あ、つぶやいたら返事を返してきた。


 どうやら木っ端みじんになったものの、まだ生きているようである。


「おお、なかなかのすごい生命力じゃな」

「ここまでひどい状態になっているのに生きているんですねー」


 皆がのぞき込む。だいたい大きさはスマートフォンぐらいか?


『ふははは、体を壊されても一部が生きている限り何度でも拙者は蘇るぜよ!!』

「話し方変わっていないか?」


 「ぜよ」とか「拙者」とか・・・坂本龍馬かよ。


 というか、もしかしてモンスターそのものが変わっている?どれ鑑定・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:鑑定不可能

種族:メッセージボード改

MP:鑑定不可能

ATK:13

DF:9

スキル:「文字会話」「受信」「送信」「自己再生:根性」

称号:「ド根性」「超生命力」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・超劣化していないか?」


 明らかに魔力以外はステータスが駄々下がりしている。というか、なんだその種族名とスキル・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「メッセージボード改」

砕けた破片が意識を持ったモンスター。「インテリジェンスウェポン」でもありランクとしては不明。しかし、ほとんど攻撃する手段を持たないのでむしろないようなものである。


「文字会話」・・・表示する文字で会話可能。文字を読めさえすれば会話可能。

「受信」・・・どこからかのメッセージを受け取る。どこからかは不明。

「送信」・・・『受信』によってきたメッセージを送ってきたところにメッセージを送信可能。

「自己再生:根性」・・・バラバラにされようとも、燃やされようともとにかくしつこく再生して生き残る。

「ド根性」・・・死にかけても根性で耐えた者に付く称号。

「超生命力」・・・Gのごとき生命力を持つ者に付く称号。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なるほど、要はただの掲示板みたいなものか」

『誰がただの掲示板ぜよ!?』


 なんかすぐに文字が消えては浮き出て、消えては浮き出て・・・・。というか、「G」ってまさかあれか?え、この世界にもいるの?



「あの屋敷がこんなものに成り下がるとは・・・・不思議じゃな」

「ただのうるさい板になってますもんね・・・」

「カトレア、これゴーレムとかに組み込めないか?」

「ご主人、面白半分に行っているのだろうけども多分無理。組み込もうにもこの板自我が強い」

「タダノシャベルイター」

『人の事面白がっているのかぜよ!?』

「お前人じゃないだろ」

『・・・・そうだったぜよ』


 あー、要はあれだ。スマホとかにある「Si〇i(シ〇)」みたいなものか。


 物凄く無害になったな・・・・。コイツが本当に元は黒魔石が原因で生まれたモンスターだというのか?


『ともかく!拙者はまだお前らをトラップにはめていないのにこんな感じにやられるなんて屈じょ>「メッセージを受信いたしました」ボードの意識を一時停止し、開封いたします』


 あ、いきなり何か受信したようである。というか、話している途中に気絶させられる先ほどまでやばかったモンスターが・・・。


『メッセージを開封します・・・「やっほー、ゼロ君元気?世界の声ですよ』

「お前かよ!!」


 時々聞こえては何かしらのアドバイスをしてくれたり、危険を知らせてくれる有能やろうかよ!!


 ・・・いや、有能なら文句はないか?にしても、また何でこんなタイミングで。ものすごく久し振りな気がする。


『いやー、このメッセージボードを入手したのはリアルタイムでわかっているからね。試しに送ってみました。どうやら出来損ないの黒魔石で生まれたモンスターみたいだからそこまで危険性はないみたい。というか、もうただの板になるなんてね(笑)』


 結構ひどいこと言ってないか?というか、


「出来損ないの黒魔石?」

「ということは、生まれるモンスターも弱くなるんですかね?」

「ものすごく弱かったと思うのじゃが・・・」


 何やら重要な情報を世界の声さんは持っているようだ。


『このまな板やろーを従魔にしてみれば?名前を付けたうえで、互いに合意しないと従魔の契約は発動しないけどちょっと脅せば合意すると思うよ?これ何かと便利だと思うから従魔にしておいて損はないよー。以上、世界の声でした」・・・以上、メッセージ終了いたします>意識回復』


 何やらひどいことを言っていたような・・・・。


「結局何のメッセージだったんだ?」

「要はこの板を従魔にすればいいみたいですね」

「あまり戦力にはならなそうじゃがのぅ」


 というか、これで従魔になったら初めて無機物が従魔になるってことになるな・・・。あれ?いつの間にかこの板を従魔にする方向へ進んでいない?・・ま、いっか。


『・・・・はっ!?今のはいったい何だったぜよか!?』


 どうやらこの板も意識を取り戻したようである。


「えーと・・・とりあえずお前はどうするんだ?このままここにほおっておくか?」

『それだとお前たちに仕返しできないぜよ!!』

「いや、その姿のままでもできないだろうが」

『うっ・・・・』


 どうやって板が俺たちに仕返しするんだよ。


「というか、モンスターなら倒したほうがいいのかな?」

『ひぃっ!?・・・ごめんなさいぜよ!!もう人に迷惑をかけないから許してほしいぜよ!!』


 すぐに降伏したな。というか、もうその姿だと迷惑かけようがないよな・・・。


「うーん、じゃあ俺の従魔になるか?」

『ならせていただきますぜよ・・・』

「ハクロたちも別にいいよな?」

「いいですよね」

「ただの板じゃしな」

「モンクナイヨー」

「ゴーレムに組み込めないのですが、別にいいですよ」

「〇」


 満場一致である。


「それじゃ、名前を付けないとな・・・・・」


 しかし、ただの板に名前か・・・・・む、難しい・・・・・。



い、板か・・・・・。

※人化させる予定ありですが、現状しばらくは板のままです。板が人化って何かいい感じのモデルいないかな・・・?まな板な感じので。

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