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閑話 ハクロたち従魔とローズの会話

主人公不在の閑話・・・・ローズが主人公の閑話かな


「それじゃ、めんどくさいけど行ってくる」


 ゼロはそう言ってその場から消えた。



 国際共通通信の魔法を使えるようになり、一国と同じ扱いになったゼロだが、定期的にその魔法を使用してそれで飛んでいく場所に様々なことを報告しに行かなければいけなくなっていた。まあ、2ヶ月に一回程度であるが。




「うーん、ゼロ様が返ってくるまで暇ですよね」

「久々の休みじゃな」


 従魔たちには休みとなる。あの魔法で行く世界はこの世界と時間の流れが違うようでこちらの方が遅いらしい。


 その時間のずれ分の寿命は行き来しても固定されているから変わらないらしいが・・・・。


「あのー、旦那様いませんか?」

「ん?」


 玄関の方で聞きなれた声が聞こえたので、ハクロたちが向かうとそこにはローズがいた。


「あ、ローズさん」


 ゼロの従魔たちにとってはもはや顔なじみである。最近だんだんこの家に第2王女のローズが来るようになってきているからである。


 理由は、ゼロと婚約しているため結婚した後は王宮から出されてこの家に住む予定になっているからである。


 そのため、今のうちに王宮での暮らしとの違いに慣れていこうということでこうしてくるようになっているのだ。


 ゼロの婚約者(イコール)従魔たちにとっての別の主ともなるわけで呼応言う普通の対応になってきている。


 ちなみに、国王に決められた婚約でもあるのだが本人からの希望でもあるため誰も不満を持っていない。いや、貴族達の中には王家とつながりを持ちたいものがおり、ローズを虎視眈々と狙っていた者がいたが、ゼロとの婚約発表によりあきらめられているのである。


 婚約を解消させたいと思う貴族もいたが、何せ相手は『怪物殺し』の異名をもつランクSの冒険者魔物使い。従える従魔たちもSランク相当で、そう簡単に手出しできるわけがない。


 ゼロは気が付いていなかったが、中には暗殺者を送り込んできた者もいたが、家のセキュリティに引っかかって防がれていた。



 とにもかくにも、相手は自分たちの主の将来の結婚相手である。わざわざ来たのにゼロがいないからといって戻ってもらうというのはいかなるものか。


「・・・ゼロ様なら今留守ですけど、せっかく来たのだしお茶会いたしませんか?」




 ハクロの機転により、家の一番広いダイニングルームで茶会をすることになった。


 まあ、単に紅茶を飲んで、お菓子を食べて、たわいもない世間話をするだけであるが。



 紅茶とお菓子はワゼが持ってきた。さすができたメイドである。


「そうですか・・旦那様は今国際共通通信でいないんですね」

「あれは少し面倒くさいのぅ」

「ゼロ様もめんどくさそうにしていましたからね」

「ご主人としては一国と同じ扱いになったのはいいが、これはこれでメンドクサイと言ってましたからね」


 クッキーのようなお菓子を食べながら時間が過ぎていった。



「そういえば、皆さんは旦那様のことを今はどういうふうに思っているのですか?」

「「「ぶふぉっ!?」」」


 ローズはふとそのような質問をした瞬間、カトレアとスラ太郎以外は飲んでいた紅茶を吹き出した。


 どうやら完全な不意打ちだったようである。


 以前ローズは、「正妻は私ですけど、他の皆さんは旦那様の第2夫人とかになるつもりはありますか?」と聞いたことがある。


 その時はカトレア以外は顔を赤らめたりしてごまかしてはいたが、今なら聞くことができるかなと思っての質問だった。ちなみに、カトレアはその時「ばっちこーい」と堂々と言っていた。ある意味スゴイ。




「げほっ、げほつ・・・むせました」

「いきなりの質問に驚いたのじゃ」

「私はそこまで驚きませんよ」

「マスターノコト?}

「( ゜Д゜)」

「そこまで動揺するのですか・・・・」


 こぼれた紅茶を拭きまして・・・・・。


「えっとですね・・・ゼロ様のことはそりゃ大事ですよ。今もこれからもずっと」

「主殿か・・そりゃ大事な存在じゃ」

「ご主人ですか・・・ずっと大切ですよ」

「マスタートハイマモムカシモイッショダヨー」


 リーゼは歌うとき以外は喋れないが、身振り手振りでアピールした。


「ふふふ、旦那様のことが皆さん好きだという事ですよね」

「はい」

「否定できぬ」

「当たり前ですよ」

「ウン!」

「〇」

 

 全員頬を赤らめながらも答える。まあ、スラ太郎は純粋に好きという事なのだろうが・・・。


「旦那様は皆さんに愛されていますよね~」

「あの・・そろそろやめてください」

「自覚はしているのじゃが、面として言われると恥ずかしいのじゃ・・・」

「メンタル的に私は大丈夫」

「ミンナスキダヨー」

「(〃▽〃)ポッ」


 リーゼだけは顔文字で表したが、全員照れていた。


 実はカトレアも充分照れているのだが、照れ隠しして平気なふりをしている。


(全員旦那様のことが本当に好きなんですねー)


 ローズはハクロたちがゼロに抱いている感情・・・・いわゆる恋心に近い感情を見抜けている。


 だが、彼女たちの心にある不安も見抜けている。


 「モンスターは人とは結ばれない」・・・・そういった不安だ。


 モンスターの中には、オークなどのように人を利用して繁殖したりする種族もいるが、それは結ばれるとは違う。


 ドラゴンの中には人と結ばれた例があるそうだが、それもほとんどない。


 モンスターが、従魔が人と結ばれるなんて話はほとんど聞いたことがない。


 そのため、彼女たちは今一歩のところで前へ踏み出せないような感じなのだ。


 ローズとしては、ゼロと結婚する際にゼロが愛人を作っても構わない・・・・ちゃんと全員を愛してくれるなら。誰一人、嫌うことなく愛情を注げるのなら。

 

 そのため、ゼロに一番近いともいえるハクロたちがゼロと結ばれないか・・・・と問われれば、結ばれてほしいと思える。彼女たちがゼロに抱く思いは自分と同じなのだから。


 そうローズは思いながら、ゼロが帰宅するまでハクロたちとのお茶会を楽しむのであった。





 









さてさて・・・・どうなるものやら。

あと少し閑話だしたら新章行くぜよ。

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