閑話 ゼロの苦手なモノ
閑話ラッシュ!
「そういえば、ゼロ様って苦手なモノとかがあるんですかね?」
ゼロが風呂に入っていて部屋にいない時に、ふとハクロが呟いた。
「要は主殿が苦手なモノかのぅ?・・・言われてみれば気になるのじゃ」
「ご主人は普段から苦手なモノがなさそうですよね」
「ヨクシラナイヨー」
「?」
その場にいたアルテミスたちも気になった。
彼女たちは普段からゼロのそばにいる。だが、ゼロが何かを苦手にするような様子を見たことがなかった。
「食べ物の好き嫌いはありませんし」
「人付き合いもそれなりじゃな」
「というか、私たちがご主人の弱点を探しても良いものでしょうか?」
ハクロたちは従魔、つまり主である魔物使いのゼロに従う存在である。その主の弱点を探るのは何か間違っているような気がした。
「うーん、大丈夫じゃろ・・・多分」
「多分ですか・・・」
一番魔物使いに関してこの中で詳しいアルテミスだったが、彼女自身確信をもてていなかった。
「そもそも、我らのようなモンスター、つまりは意思疎通が可能かつ互いに話せるようなのが魔物使いの従魔になった例がほとんどないのじゃ」
「大抵はスライムとか、ウルフみたいな感じですからね」
「まあ、主殿が規格外というべきかのぉ?」
アルテミス自身、長年生きてはいるがあまりそういう話は聞かなかった。龍帝たちなら聞いたことがあるかもしれない。彼らはアルテミスよりも長くいきているのだから。
「ハナシズレテルヨー」
スラ太郎の指摘により話を戻す。
「ゼロ様が何か嫌がったことがありましたっけ?」
「欲望にまみれた人が嫌いそうでしたが」
「それは誰もが同じじゃろ。主殿は明らかにそういうタイプの人間が嫌いそうじゃが・・・・弱点とはまた違うのではないか?」
「ですよね・・・・」
うーん、と全員が悩んでいると風呂からゼロが上がってきた。
「・・・何話してんだ?」
「あ、ゼロ様なんでもないですよ」
「そうそう、何でもないのじゃ」
「何も変わったことをしていないですよ」
「ナンモナイヨー」
「〇」
「ん?」
さすがに、ゼロ自身に話すのはまずいと従魔一同全員思った。
「何か隠してないか・・・・?ま、いいか」
結局ゼロの苦手なものはなんなのか・・・・それは誰にも分らなかったが、後日判明するのであった。
ゼロが苦手なモノ・・・なんでしょうか?




