『ダンジョン関係あったようです』
いつもより遅いかな?
ダンジョンがワゼの手によって断末魔を上げた後、王都中のくしゃみの音がぴたりとやんだ。
酒だけみたいなダンジョンだったが、やはり王都で泊まらないくしゃみの原因であったようだ。後にこのくしゃみが流行ったのを「魔病流行期」と呼ばれるのはまた後世の話。
あ、ダンジョンはコアが破壊された後に3日で消滅するため、内部にある酒は消滅する前に手早く集められていった。この酒がまたおいしいらしい。酒はわからんな。
酒臭い霧が厄介であったが、酒豪の冒険者たちにはむしろご褒美のようなものだったようで、あっという間にその階層のダンジョン限定で出るという魔酒を改修していった。酒飲みの力ってすごいな・・・。
ちなみに、害となっていたのでダンジョンを破壊してもよかったようだが、一部の酒好きな冒険者たちには残念がられていた。
ん?そういえば酒臭いところを進んだはずなのに、ワゼには全く酒の匂いがしなかったな・・・・。
「それはですねワタシには防臭のコーティングされているようなんデスヨ」
その技術、ゴーレムにつけたいな。
ついでに、ワゼはダンジョン内のボスモンスターを倒していたのだが、その持ち帰ってきていた素材でいったいなんのモンスターだったか判明した。
「これは『ワインスネーク』の脱皮した皮じゃな。
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「ワインスネーク」
ワインでできた蛇のモンスター。その体は猛毒のワインでできているが、その脱皮した皮を水に溶かすと極上のワインが抽出できる。身体が液体のため、物理攻撃よりも魔法で攻撃したほうが効果的。ただし、炎の魔法だと引火し危険度が増す。体内にある魔石を狙って破壊できれば意外にあっさりと倒せるようだが、その魔石の位置を特定するのが難しい。ランクはC。
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「体内にある魔石ならセンサーで簡単に特定しそこを攻撃し倒しました」
魔道具のワゼには苦でもなかったんだな・・・・。
まあ、皮は極上のワインの素材のため、700万ゼンでギルドに買い取ってもらった。これが酒になると一千万ゼンほどになるそうな。まあ、材料だしこの値段か。
これでひと段落かと思いたいが、別の心配があった。
もし、あの酒蔵もダンジョンの一部と化していたならダンジョン消滅と同時に、あの酒蔵も消滅するのではないかという心配である。
事情を説明し、酒蔵の中を全部運びだした。
ダンジョンの断末魔から3日後、酒蔵が崩壊した。予想通りダンジョンの一部となっていたようで、目の前で見事にがらがらと崩壊していったよ。中に合ったもの位は外に運び出しているから無事だけどさ・・・・酒蔵がなくなってご愁傷さまです・・・・・。
しばらく閑話が続いて新章へ。
いつもより閑話が多く入る章となるな・・・・・。