『ギガントスライム発見!!』
ギガント以外に体が大きいスライムはジャイアントスライム、メガスライム、ビッグスライム、スライムキング、グレートスライム、etc・・・・・
結構数が多い。伝説では島と言っても過言ではないほど巨大なスライムがいたとか。
ギガントスライムを探して数時間、日が沈み始めた時だった。
「ミツケタッテ!!」
やっとギガントスライムを発見したようである。
発見したのはスラ太郎の眷属の「ロックスライム」のようであった。
ほかのスラ太郎の眷属を回収し、そのロックスライムの案内に従ってギガントスライムがいたという場所まで向かった。
しかし・・・ロックスライムと言うだけあって全身が岩石のような感じなのに、ぽよんぽよんと軽快な音をたてて移動しているな。見た目に反してものすごく柔らかいのか?すっごい弾力性を秘めているな・・・・。
まあ、スライムなんて他のモンスターに比べてわからないことが多いようだし、深く考えないでおこう。
案内されて、俺たちはやっと討伐目的のギガントスライムがいたという場所に着いた。
森の奥にあった洞窟の中のようである。
だいぶ暗くなってきたので、「ライト」の魔法であたりをてら・・・あ。
「スラ太郎、『ライトスライム』なんていないかな?」
「イルヨー」
ライトスライムを出してもらい、それが発光する明かりを使用した。こっちのほうが楽だし、しかも結構明るい。
スラ太郎自身も他のスライムの能力を仕えるので、同じように光ってもらいました。
2体分の明かりで当たりが昼間のように明るいな。
奥の方へ進むと、巨大な影が見えた。
「あれが『ギガントスライム』か?」
だが、何やら様子がおかしい。
「少しどす黒くなっておらぬかのぅ?」
本来の体色は青色らしい。集まったときのスライムの構成で赤色、緑色、黄色、などがあるらしいが・・・。
いやにどす黒い。何かに似た色のような・・・?あれ、何度も見たような・・・?
しかも、ギガントスライムは微動だにしていなかった。
「動いていないな・・」
「なんかもう、じっとしていますね・・・・」
念のため、ハクロに前の方に蜘蛛の巣をはってもらった。万が一こちらに動いてきた時に停止できるようにするためである。
適当にその辺の石ころを拾って投げ当てたが、ピクリとも動かない。
「反応がなさすぎるな」
不気味というか、なんというか。巨大な黒い塊がじっとしているのはどこか威圧感を感じさせた。
「この際じゃから、一斉攻撃して一気に討伐してしまった方が早いのではないかのぅ?」
「どうせ倒さなければいけませんからね」
「その意見は賛成」
「〇」
アルテミスの意見に全員賛成のようである。だが、スラ太郎はいつもの陽気そうな顔ではなく、どこか険しい顔をしていた。
「ナンカ・・・・ヘン」
「どう変だと?」
見た目からしてもう十分妙なんだが。
「ワカンナイ。デモ・・・・」
スラ太郎がこういう表情をするのはめったにない。
とりあえず、何せよ討伐が今回の目的なのでこの際一斉攻撃を仕掛けることにした。あ、いったん洞窟の外に出てからね。さすがにここで大規模な攻撃したら崩落の危険性があるんだよ。
「アルテミスはドラゴンの姿に戻って炎のブレス。ハクロは全員の攻撃の際に飛び散ってくるであろう岩などから皆を守るために糸で防いでくれ。カトレアは今度ゴーレムに搭載予定のレーザー砲とやらを撃ってくれ。スラ太郎は遠距離攻撃ができる眷属のスライムたちを出して攻撃してくれ。リーゼは歌で全員の士気を向上してくれ」
「「「「了解」」」」
「〇」
リーゼが歌い始め、スラ太郎が遠距離攻撃可能な眷属のスライムを出した。カトレアはワゼの構造を調べて応用したレーザー砲(1発限り)を洞窟に照準を合わせる。1発しかないのは、研究中でまだ何発も打てるようなものに仕上がっていないという事らしい。それでも威力はそれなりにあるんだとか。アルテミスは人化を解いてブレスを用意した。
「一斉攻撃・・・・・・撃ち方はじめ!!」
「『ファイヤ・ブーストブレス』!!」
「ミンナヤッテ!!」
「レーザービーム!!」
「糸シールド!」
「~~♪」
ちゅどおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!
一斉に放たれた攻撃により、ギガントスライムもろともその洞窟を吹き飛ばしたのであった・・・。
あ、オーバーキル過ぎたか。まあ、様子がおかしい感じだったし厄介ごとになる前に確実にここで消し去っておかないとな。
土煙が上がり、晴れたときには洞窟は完全に消滅していた。角度調整したから洞窟のみ抉り取れたって感じだけどね。
「これで完全にギガントスライムが倒せたかな?」
「これでもし生きていたら結構やばいですよね」
「全くじゃな」
「・・・レーザー砲に改良の余地あり。出力が計算より低かった」
カトレアのレーザー砲だけ砲身が溶けてしまっている以外は大丈夫なようだな。
ギガントスライムの様子がおかしかったとはいえ、これで依頼達成だな。
まあ、さすがに夜になったので森から出て近くにあった村に一泊させてもらった。明日の朝に帰宅すればいいしな。
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「びゅえっくしょん!」
「ぶぁっくしょん!!」
「なんか今日はくしゃみする人が多いな・・・はくしょんどちくしょーい!!」
「「え?」」
王都のギルドにて、受付嬢の一人のそのくしゃみを聞いて全員がドン引きしたのであった。
ギガントスライムの様子・・・何かに似ているような?