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閑話 国王の座

ゼロたちが留守の間である

 ゼロたちがソウサカント島に向かっているころである。


 王宮では会議が行われていた。国王がさっさと隠居したいというのだが、その国王の座を誰に渡すかについての会議であった。国王自身が決めればいいのだが、貴族たちにまずは決めてもらってみようと思い開催したのである。


「では、国王様が退位する場合、王位継承権がある第1王子グライトス・クラン・ダンデと、第1王女グライトス・クラン・アマスのどちらが王位に就くのがふさわしいかの会議を始める」


司会はドンキー・ルゴ・コグ公爵だった。


「ここはやはり、第1王子に継いでもらった方がよいのでは?」

「いや、帝国では女性が王位を継いでいる例があるから第1王女がついでも違和感はないだろう。そもそもこの国の王位は男女平等に継承できるからな」


 歴史上は王位を継いでいるのは男性:女性は6:4であるが、まあ大体公平であった。


「第1王子、第1王女ともに優れているからな。決めるのがこれまた難しいところだ」


 そう、この二人はほとんど同じような感じなのだ。ステータスも、スキルも似たような感じである。


「二人とも恥ずかしがり屋ってのがまた厄介だよな」

「だいぶ改善されて、今では何とか大衆の前に出ても大丈夫なようだ。まあ、1時間ほどだが」


 これが王子と王女の欠点でもあった。


「ああもう、それならばそれぞれが唱えていることの方を考えたほうがいいのではないかね」

「そうだ、例えば軍備のことなんかな」

「近年、敵国であった帝国とも友好条約を結べている。そのため、軍備の縮小を唱える第1王女の方がいいのでは」

「いや、他の大陸などにある国が攻めてくる可能性も無きにしも非ずだ。ここは軍備を拡張して、他の国への進出を唱える第1王子のほうがよいのでは?」


 この場合、軍の縮小か拡大を唱えるそれぞれの立場から考える必要があった。


「だが、以前の帝国との戦争時には冒険者魔物使いがほとんど解決してしまっている。彼に任せてしまって軍を縮小する方がよいのでは?」

「いや、最近彼自身が一国と同じ扱いになっているらしい。条約は結ばれているものの、彼に頼ることはできぬ。そのため軍を拡大したほうがいいのでは・・・?」

「ちょっと皆静まるぞい!」


 そこに、現グライトス王国国王の声があった。


「そもそも軍とかいう以前に、わしらは国民の暮らしを考えなければいけないだろうがぞい!なんでさっきから軍の方を重要視する必要があるんだぞい!!」


 その言葉にその場は静まり返った。


 そもそも、何で軍備の話になったのか。



 軍隊というのは様々なもので成り立っている。


 兵士以外にも、武器、防具、給料、訓練費、食費、etc・・・・・・・・。


 それを維持するためには国家予算が使用されている。


 軍備を縮小すればその分の予算を国民へ、拡大すれば国家予算からさらに金がひきだされる。


 だが、両方とも金が動くのは決まっている。


 いま、この場に集まっている貴族の中にもそれを見越してたくらむ者たちもいた。


 軍備縮小の場合、その分の予算を国民へ回せるが、その中からこっそり横領しようとたくらむもの。


 軍備拡大の場合、拡大するのに必要な予算から同様に横領しようとたくらむものがいたのだ。


 要はどっちになっても横領しようとたくらむ貴族がいたのでいつの間にかそっちの方へ話が入れられてしまっていたのだ。


「わしらは、この国の国民によって支えられている立場。そのことをよく考えて会議を行うぞい!!」



 このあと、仕切り直して会議が行われたが、結局今日のところは決まらなかったのであった。




いつぐらいまでに誰に王位を渡すのかが決まるかな・・・・

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