『どこかにいいところないかな』
カトレアの馬車や、アルテミスに乗っていくという手段があるから遠くてもある程度なら楽に行ける。
「よし、どこに慰安旅行に行くか決めよう」
「「「「「おーっ」」」」」
書類もだいぶ片付いたし、俺たちは慰安旅行に行くことに決めたのであった。
ちなみにローズもいる。彼女も一緒の方がいいからな。
「要望は何かあるか?」
全員の意見をまとめたところに行きたいからな。
「そうですね・・・とにかくゆったりできるところがいいです」
「南国みたいなところじゃな」
「スライムイルトコ?」
「自然があふれる場所ですかね・・・」
「旦那様が行くところならどこにでも」
うん、抽象的過ぎてわからんな。ちょうどいい場所がないだろうか・・・。
「と、言うわけでどこかいいとこありませんかね」
「そう言われてもね・・・・」
毎度おなじみモッセマンさんに聞きに来た。この人ならどこかいいところを知っていそうだもん。
ちなみに、モッセマンさんはこの春に冒険者用学校の校長を辞職しており、今いるのは月間「スライムクラブ」を発売している本社の社長室である。編集作業時以外は基本暇なようだしね。
「うーん、ゼロ君たちの希望から言うと・・・・結構あるよ」
「絞り込めないから聞きに来たんです」
モッセマンさんが頭を悩ませること数分。
「うーん・・・あ、そうだ。あそこならいいんじゃないかな」
地図を広げてモッセマンさんが指さしたのは、海上にあるちょっと大きな島だった。
「リゾート地としても有名な『ソウサカント島』だ」
「ソウサカント島?」
聞くところによると、各国の王族などが数年に一度ぐらいは訪れるリゾート地だという。
「この島はわりかし危険なモンスターも少なくて、美味しい果物が豊富らしいんだ」
「モッセマンさんはいったことがないのですか?」
「この島に行く手段は船か飛べるモンスターに乗っていくしかないからね。船の運賃が目ん玉が出るくらい高いし、モンスターはいないからね」
船は船酔いするからアウトだから、アルテミスに乗っていけるかな?
「宿はその日に来てもすぐに泊めれるものだから急に行っても大丈夫なはずだ。詳しい話は国王様に聞いた方がいいと思うよ」
「あ、そっか。国王だから行ったことがあるはずだよね」
王族だったなそういえば・・・・。最近気軽に会い過ぎて国王という名前で認識してきちゃっていたよ。
とにもかくにも、慰安旅行はこの島に行くことでいいかな?
南国か・・・・・。