『一国と同じ扱いに』
ずいぶん簡単だと思いますか?条件すべて満たすのは結構難しいことなんですよ。
「そういえば、この空間からどうやってでるんだ?」
ずっしりと重量感ある百科事典のような、大量の注意事項が書かれた本をもっておれは質問した。
『それはあの緑のドアから出れば帰れるよ‼︎』
キョーちゃんとやらが指・・・手?を指した先には緑のドアがあった。
『あ、次からここに来るときはキョーちゃんの姿は変わっているからね‼︎』
ドアを開けて、その先に入るときにそう聞こえ、その瞬間俺は呪文を唱えた書庫に戻っていた。
「おお、戻ってきたかぞい」
「ご主人がいきなり消えたことに驚いた・・」
どうやら、呪文を唱えた瞬間俺の姿はすぐに消えたそうだ。で、ほんの数分で俺は今この場に戻ったようである。
「時間のずれがあるのか」
「そうだぞい。詳しいことはわからないけど、どうやら国際共通通信の魔法で飛ぶ場所はこのいまいるところの時間より早いようだぞい」
そういえば・・・・。
「国王、キョーちゃんとやらに会いましたけど」
「おお、どんな格好だったぞいか?」
「棒人間そのままでしたが・・・・なんで黙っていたんですか?」
「面白そうだかららに決まっているぞい」
悪びれもせずに言い切った。
よし、後でこっそりこの国王のひげをそってやろう。
「それはそうと、やはりそれをもらったぞいか・・・」
国王の目線の先には、俺の手元にある先ほどの注意事項がたっぷり書かれた本があった。
「国王もこれを?}
「そうだぞい。恐ろしく多くて読み切れず、次から次へと追加されたのがトラウマだぞい・・・・」
どうやら苦労したようである。やっぱひげ剃るの止めるか・・・・。
「とにもかくにも、これでゼロ殿は晴れて一国と同じ扱いになったぞい。このグライトス王国の国籍がなくなったぞい」
なお、この世界の住民票はどうやら魔道具によって管理されているそうである。
「これで一国と同じ扱いか・・・特にたいした変化はないような」
「その扱いになるとな、どこかに国を建国することも可能ぞい」
なるほど・・・まあ、当分建国はまだいいかな?
「さて、とりあえずゼロ殿、今ここで条約を結ばないかぞい?」
「あ、そういえば一国と同じ扱いになるとそのようなこともしないといけないんでしたっけ」
これでほかの国と友好条約を結んでけば、どこの国からもちょっかいをかけられることもなく平和に過ごせるようになるんだよな。
「では、善は急げと言いますし、さっさと結びましょうか」
こうしてこの日、ゼロとグライトス王国間に友好条約が結ばれたのであった。
さらに、この国際共通通信魔法は各国にもその情報を伝えるそうで、しばらくの間条約を結んでくれなどの手紙が来たり、使者が訪れてきたりなどがあったが、できるだけ確認して結んでいくことになったのであった。
結構めんどくさい・・・・・。
取りあえず、これまで訪れたことのある国とは結べました。
しばらくはまだこの国で冒険者としていますが、そのうち建国していく・・・かも?
当分は様々な処理があるのでローズとの結婚もまだ先ですかね。