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『ドアの向こう』

世の中うまいこと行くかな・・・

 ドアを開けると、円卓があった。


 周りの椅子は空席で、だれ一人座っていない。


「ここが会議室みたいなものか」


 よく見ると他にもドアがいくつか見られた。同じようにここに国際共通通信で来る人が開けるドアだろう。


『あー、マイクテス、マイクテス・・・・聞こえていますね』


 いきなり声が響きわたった。だが、周りには誰もいない。というか、なんか気が抜けそうになった。マイクで話しかけているのか?


「誰だ・・・・?」

 

 一応警戒しておく。


『えーと、この国際共通通信により生み出されたこの部屋での司会役のキョーちゃんです!』


 そういっていきなり目の前に現れたのは・・・・。


「ぼ、棒人間・・・・・!?」


 頭は真っ白なただの球体で、手足が棒のシンプルな棒人間そのものだった。


『失礼な!棒人間じゃなくてキョーちゃんですよ!』

「いや、見た目がそのままなんだが・・・・」


 というか、どうやって話しているんだ?口がないし、念話みたいなものかな・・?


『うーんと、ふんふん・・・なるへそ、新たに国際共通通信の魔法が使えるようになったゼロだね?』


 何やらキョーちゃんとやらの手元に紙の束が出て、それを読んでキョーちゃんは言った。さすがにいきなりすぎて驚いてます。


「そうだけど・・・」

『なーるほど、一国と同じ扱いになりたくてこの魔法を習得したのか!スキル「適当」で簡単にできてしまうなんてさすがだね!』


 どうやら、あの紙の束には俺の情報が載っているようである。目的やスキルまでもそうらしい。


「・・えっと、キョーちゃんだっけ?」

『そーだよー!』


 あっけに取られてばかりでは流されそうなので、こちらからも話さないと。


「いったい何者なんだ?国王にも聞いていないんだけど・・・」


 こんな棒人間が出るなんて聞いていないぞ。


『国際共通通信により生み出されたこの部屋での司会役なんだけど?・・・ああ、そういえばまだ姿をカスタマイズしていなかったっけ!ま、いいか!別にこの姿のままでもいいでしょ?』

「・・・答えになっていないけどいいか」


 まあ、今の言葉で少し予想が付いた。姿をカスタマイズってことは、本当はこんな棒人間の姿で出てこないんだろうな。


『あ、司会役兼君が一国と同じ扱いにするかの審判役なんで!』


 そういった重要なことは早く言えよ・・・・。なんか少しイラついてくるなこいつ。


『えーと、確か条件は・・・・』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「一国の条件」


1.大国とも渡り合える度胸があること

2.大国とも闘える戦力があること

3.自国民が自分1人、もしくは複数いること

4.魔法として『国際共通通信』が使えること

5.死んでるアンデッドやリッチではなく、ちゃんと生きている者であること

6.17歳以上の年齢であること

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ふんふん、なるほどね。まず1はクリアー!怪物と対峙しても立ち向かっているしね!』


 そこは少し不安要素であったが・・・・よかった。


『2は・・無茶苦茶でしょ。Sランク相当のモンスターを多数従え、自身も魔法で強力なものが使えるようだしね!!3もいいね。従魔も一応数にいれるんだよ』


 え、それは初耳だった。従魔も人数として数えたのか。


『4は今この場にいるからOK!5もしっかり生きている人だからいいね!死んだ後にゾンビとしてよみがえってきた人が入ってきたことがあったからこの条件があるんだよね!』


 そんなことがあったのかよ・・・・。


『で、最後の6は・・・・17歳以上だから17歳でもよし!条件全部満たしているよ!!』

「よし!」


 これで条件全部満たしているな!


『・・・ん?これは・・・・・・どうなのかな?』


 ん?何か問題があったのか?


「何かダメなところがあったのか?」

『えっとね・・・・ちょっと言えないかな。少し適当なそこの椅子に座って待っていて!上の人に少し聞いてくるから!』


 上の人って誰だよ。というか、何か問題があったのか?


 キョーちゃんとやらは、何やらピンク色のドアを出して、その中に駆け込んでいった。


 そのドアのデザインはいろいろ危険だと思うぞ。某ロボットが持っているどこにでも行けそうな感じのドアじゃん。




 適当に椅子に座って待つこと数分。


『いやはや、もっとしっかり学んでおけとか言われたよ。まったく、自分が残業ばかりでストレスが溜めっているからってうるさかったなあ』


 何やら疲れた様子で棒人間もといキョーちゃんが戻ってきた。なんとなくだが、白い頭がうっすら青くなっている。


『まあ、聞いてきたところ大丈夫だったよ!!これで晴れて君は一国と同じ扱いになったよ!!』


 何が問題だったのかはわからなかったが、とりあえず大丈夫だったようだ。


「これで俺は一国と同じ扱いになったということでいいんだよな?」

『その通り!!一応細かい注意事項があるから・・・』


 そういい、キョーちゃんはどこからか物凄く分厚い百科事典のような本を出してきた。どこからでてきたんだ?


『これをぜーんぶしっかり読んでね!全部読んで覚えればこの本は自動的にキョーちゃんの手元に戻ってくるけど、1週間以内にできなければ追加でもう2冊づつ増えていくからね!!』

「はあっ!?」


 どうやらとんでもない宿題が出されたようであった。

棒人間な理由?わかりやすい感じにしたかった。シンプルな感じを目指したらこんな人物になってしまった。どうしてこうなったんだろう・・・・・・。

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