3歳
やっぱHP消したほうがまだ描きやすいな
転生してから3年経過した。
どうやら俺は貴族の三男らしい。名前は仮で名付けたゼロからフォン・ガロン・ゼロとなった。
どうでもいいが、ゼロとしっかり名前がついているので仮だったのに本登録されたらしい。
この世界だと、フォンが一族ぜんたいの氏、ガロンが治めている地名、ゼロが名前となっているようだ。
あのときの鑑定から魔法の存在はあるようだが、どうも魔法使いや魔物使いはあまりいないらしい。
そして今俺の世話をしてくれているのはこの屋敷のメイドであるミットさんだという。
え?両親や他の兄弟?
三男である俺には興味ないらしくて全くこないし顔知らんし名前も知らん。冷たくてかわいそう?いや、最初から世話されてないからそんなこと思わんな。俺にとってはミットさんが育ての親だよ。まだ若いし、胸はないがそれなりに顔立ちは整っているしなんでメイドしているんだろう?
そういえば、鑑定した時に何でHPだけでないんだろうと思っていたら当たり前なことに気が付いた。
そうじゃん、けがした時にも体力減るし、病気でも体力減るし、それでHPが出ていたらかなりめんどくさいじゃん。
とりあえず話は置いといて、今俺は屋敷の近くにある森にいる。この森にはモンスターがたまに出て倒した時に出る素材が俺の小遣いになる。
いやー、ほんとに魔法って便利だな。三歳の俺でも火の玉一発ぶつけるだけで簡単に倒せるもん。「適当」のおかげでどうやら適当にイメージして技名言うだけで魔法が出るし、「精霊王の加護」で威力が上がっているからそんなに魔力使わないし楽だわ。
そんなこんなで過ごしていたら、ある日一匹のスライムが俺に近づいてきた。色がいつもの青色じゃなくてなんか緑だし、なんか少し小さい。よし、鑑定してみるか。
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名前:『未設定』
種族:ミニヒールスライム
年齢0歳
MP:289
ATK:10
DF:400
スキル:「癒しの心」「スライムの誇り」「回復魔法」
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あ、なんか珍しい感じがする。するとそいつは俺の目の前まで来て何か求めるような仕草をした。
『ミニヒールスライムが仲間になりたそうにしている>従魔にしますか?』
お、もしかして俺の従魔になってくれるのか?て、三年ぶりだな世界の声(?)さんよ。
とりあえず「仲間にする」選択。
『ミニヒールスライムが仲間になった>名前を付けてください』
名前か・・・じゃ、『スラ太郎』にするか。適当だし、メスかオスかわからないし。
決めた途端、俺とスラ太郎の足元に何らかの魔法陣みたいのが出て輝き、消えるとスラ太郎の見た目が少し変わっていた。
なんか少し大きくなってないか?もう一度鑑定してみよう。
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名前:『スラ太郎』
種族:ヒールスライム
年齢0歳
MP:450
ATK:100
DF:450
スキル:「癒しの心」「回復魔法」「従魔の絆」
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おお、なんか種族が少し変わった上にステータスまで上がっている。あ、俺のスキルに関係するやつあったな。それの影響も受けたのかな。
全体としてみるとどうやら回復系のモンスターらしい。
とりあえず俺は初めて従魔をゲットした。
しかし初めての従魔がスライムか。なんかあれだな、物足りないな。
考えを適当に放置し、次の日から俺はスラ太郎とともにまたモンスター狩りを再開した。
しかしスラ太郎よ・・・俺の従魔になって攻撃力が上がったせいか、もとは同じスライムなのにスライムを一撃で倒すとは・・・容赦ないなこいつ。本当に回復よりのモンスターだよね?
『ヒールスライム』
スライムの突然変異で発生した100年に一度現れるか現れないかわからないとにかく珍しいモンスター。回復を得意とする一方、「スライムの誇り」を捨てているためスライムに対し攻撃性を増す。
ちなみに一応メスらしく、ゼロの名付けた名前に少し不満を持っている。が、気が付かれない。