『国際共通通信・・・・・呪文長いな』
呪文とかをあまり言わないのはスキルのおかげでもあるけどさ、作者の想像力不足もある。
厨二病の人ならうまいこと書けるのかな・・・。ある意味うらやましい。
約束通りに3日後、俺は王宮に再度訪れていた。
今いるのは王宮の奥深く、様々な蔵書が保管されているという書庫だった。
この書庫には様々な情報があり、持ち出し禁止と閲覧制限がかけられている。国家機密レベルの物も保管されているためだ。魔法によって管理されているらしく、徹底的に厳しいらしい。
そんでもって今、本棚の中を歩いていた。いうなれば本の森である。なお、現在この場にいるのは俺と国王とアルテミスとカトレアだけである。
ハクロとスラ太郎だとこの書庫には入れないんだよね・・・・・。
ハクロは蜘蛛の部分が大きいから本棚の間が通れない。スラ太郎はスライムなので体液などの問題でNG。リーゼは表面が湿っているので本に触るとふやけるのでダメ。
その分、アルテミスは身長が高いとはいえ人化でほとんど人と同じ姿になれるし、カトレアは木の椅子があるが横幅を狭く変形させることで通行が可能だった。
「『国際共通通信』の呪文はあれぞい」
国王が指さした先にあったのは、でっかい太巻きのようなものだった。いや、丸太か?
持ち上げてみるとかなり重かった。
書庫内にある読書コーナーとやらにある大きい机の上に置いて改めてその内容を見た。
「ずいぶん長いな・・・・」
「なにせ3日3晩唱えなければいけない代物だから、その分呪文もとてつもなく長く、こうしてものすごい太巻きのような巻物になるんだぞい」
すこし広げてみただけで、ぎっしりと呪文が書かれていた。もう隙間がないぐらいに細かくかつ読みやすいように書かれている。
「スキル『適当』は適当にできるけど、まずはそのイメージが分からないとダメだしな・・・」
しかし、ちょっと舐めていたな。文字だけじゃ具体的なイメージが付かん。
「まあ、この国際共通通信を使用できれば後は呪文を言う必要がなくなるんだぞい」
そりゃこれだけ長い呪文をいちいち唱えるのは厳しいからな。
「どんな感じですか?」
この際聴いた方がイメージがつかみやすい。
「そうだな・・・・例えるなら円卓で会議している感じぞい」
・・・・この感じのイメージか?
「・・・だいたいのイメージがつかめましたけど、この魔法って使用制限とかあるんですかね?」
「夜中の午前2時~3時ごろには使用ができないぞい。この時間帯だとなぜか魔法が正常に発動できないようになっているんだぞい」
となると、それ以外では常時OKか。
「それじゃ、使用してみるか」
呪文がきっかけでやっとその魔法が使えるようになるって感じかな?




