『依頼・・・ん?』
ちょっと変わった冬の話
「いいのないかなー」
ギルドにつき、俺たちは依頼を選んでいた。この時期になると冒険者たちは屋台なんかで金を稼ぐようになり、ギルドに訪れることが少なくなるので依頼自体が出されにくくなる。だが、受ける人が少なくなっているということは余っている依頼なんかもあるのである。
「『サラマンダーの鱗採取』、『火炎草の採取』、『火鼠の皮の剥ぎ取り』・・」
一個地球で伝説級のがないか?かぐや姫がとらせようとしたやつだよね・・・・この世界にはいるのか。しかし、冬ということもあって炎系のモンスターから取れる素材を求めるものが多いな。
「・・・『フレイムロブスター捕獲』、『マグマスライム及びファイヤスライム捕獲』・・・』
フレイムロブスターってモンスターじゃなかったよな。確か地球のロブスターに似ていて、その実が激辛な食材だそうな。スライムの捕獲ってのは・・・ああ、湯たんぽ代わりにするらしいな。下手すると全焼させるけど。
「あんまりろくなのがないな」
「ほとんどが捕獲系ですからね」
サラマンダーとかは火山の方にいるといわれているが、遭遇率は高くないから見つけにくい。スライム系は・・・スラ太郎が所持している眷属の中にいるが、スラ太郎が大事にしているようだしな・・・・・・ん?それって眷属というよりもペット感覚じゃないかな?
受付嬢に何か指名依頼がないか聞いてみるか。
今日の受付嬢は狐の獣人の方である。尻尾とかモフモフしていそうだ。まあ、触らせるのはある程度親しい人じゃないとだめらしいがな。
「指名依頼ですか?・・・・男性の方々から従魔とデートしたいなどがありますが」
「すべて断ります」
この世界の人ってさ、欲望隠しきっている人っていないよな。それだけ正直な人が多いんだろうけど、自分の欲望に素直過ぎない?
「あ、あと少し遠いところからの指名依頼があります。まともそうなものですよ?」
「どこからでだれのどんな依頼ですか?」
「えっと、はるか北の国『スノウアイランド』の・・・・『氷龍帝との会談』・・・え?」
「へ?」
・・・氷龍帝?なんか名前からしてやばそうなんだが。
氷龍帝・・・アルテミス知らないかい?




