表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
285/397

閑話 冬の王都

書いたことがほとんどない季節だった・・・・。

 冬にはいり、王都では雪が積もった。


 今日は別に依頼を受けるわけでもなく、ただ王都を散策することにした。


「もう本格的に冬ですねぇ」

「吐く息が白いな」


 気温が下がると、変温動物や昆虫なんかは動きが鈍くなるのだが、モンスターはその観念から外れるらしく、冬でも活発のようである。



 現に、下半身が蜘蛛のハクロなんかは元気だしな。一応上半身は厚着をしているようだが、そっちの下半身の蜘蛛の部分はいいのか?



 ハクロの糸はさすがに最高級と言われるだけあって保温性なども高めることができるようであった。



 今俺はマフラーをしているが、このマフラーもハクロお手製である。


 なお、ハクロ以外の皆は従魔用空間に入ってこたつを持ち込んだらしくそこにいるのであった。


『家でゴロゴロするのもあれだしのぉ』

『こたつ型ゴーレム5号機今回は今のところ暴走無し・・・』



 そのこたつは実は5台目である。ゴーレムのようなのだが、カトレアが試行錯誤してちょうどいい温度になるようにしたらしい。だが、なぜか暴走してしまうのが悩みらしい。


 というか、ハクロ以外は皆冬の間は外に出たがらない。単に皆寒がりなだけであるが。



「あ、雪合戦やってますよ!」


 雪を見てはしゃぐハクロ。お前は犬か。



 雪をかき分けて王都を歩いていると、かなりの温かい食べ物を打っている店が多く見られた。



 中には、冬に入る前に冬も暖かく越せるだけの資金を得られなかった冒険者たちが働いているところもあった。


「こうして何も依頼はなく、ただ王都を歩くのもなんかいいな」

『我は寒いのは嫌じゃがのぉ』

『カチコチ…』


 それぞれやっぱり寒いのは苦手である。


 ちなみに、スラ太郎だけは今この場にいない。月間「スライムクラブ」で冬の特別増量版とやらをやるらしく、モッセマンさんのところに協力しに行っているのだ。絶対冬にお勧めのスライムなんかが出てくるな。いや、冬に関したスライムかもしれない。



「お、ちょうどいいの発見」


 温かい食べ物を販売している屋台を見つけた。この時期、こういう温かい食べ物を売る屋台が多く出る。その中には冒険者たちもいて、冬の間に金を稼ごうという算段で出すそうだ。だが、プロの料理人などにはかなわない。そのため値段を赤字ギリギリにして安くして、何とか稼ごうとしているのだ。


 この屋台は冒険者のではなかったがな。まあ、寒い時にはあったかいのが一番である。



 食べて体があったまり、寒さがだいぶへっちゃらになった。



「おいしかったですよねー」


 ハクロが口を拭きながら言った。





「あ、また雪が降り始めたな」

「ホントですね・・・・早くあったかい春になってほしいですよ」


 食べ終えた後、歩いているとまた雪が降ってきた。本当にきれいな真っ白の雪である。



「そういえば、雪女って怪談話があったな」

「一応、獣人やエルフのような亜人種族らしいですけどね」


 この世界の雪山には本物が存在するようである。まあ、妖怪とかではないのが残念。吹雪を生み出すとかはできるらしい。女性しかいないらしく、雪男もいるがそっちはモンスター扱いである。理不尽だな・・・・。



「ま、雪も降ってきたし、早めに家に帰るか」

「そうしましょう」


 こうして、冬の王都の一日は過ぎてゆくのであった・・・・・。



次回から新章ですよ。まあ、この閑話と同じ季節ですけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ