『魔道王国へ』
変装中
変装し終え、俺たちは今魔道王国を訪れていた。転送魔法陣で訪れられるので結構移動が楽である。
「ここが魔道王国・・・」
『魔道具が多く目立ちますね』
なお、従魔たちは全員従魔用空間にいれている。最近出しっぱなしだったが、久しぶりに入ると居心地は以前よりも良くなっているそうな。俺も成長しているからかな?
あちこちを魔法のじゅうたんのような魔道具で飛ぶ人や、箒のようなもので飛ぶ人が多く、まさに魔法の国みたいである。
ただ、クーデターが起きたということもあり、その争いの後らしきものもやや見ることができた。
「とりあえずまずは基本の情報収集だな」
というわけでこの国のギルドに入った。この国のギルドは酒場も並列して運用されており、ここなら情報が集まりやすそうであった。
周りの話を聴きやすそうなカウンター席にすわった。ここのバーテンダーは白髭白髪で顔を隠している感じである。
「・・・注文は?」
さすがにまだ16なので酒を飲めないので、無難にジュースにした。まあ、昼間から酒を飲む人は少ないな。
エンチャントで聴覚強化し、ハクロたちには従魔用空間から観察してもらった。
「この国の新政権すでにボロボロらしい」
「金がないんだとさ」
「保守派が何やら怪しげな魔道具で攻撃しようとしているらしい」
「あんなやつらがまた返り咲いたらいやだろ」
「女房に不倫がばれた・・・」
「怪しげな実験が夜な夜な実験塔にておこなわれてるとか」
「新型魔道フォウン来年発売だぜ」
「モンスターが最近この国の地下に多く出ているそうだ」
・・・・いろいろあるな。さすが酒場、こんな情報の嵐がよく吹き荒れるよ。
気になる情報がいくつかあった。
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・新政権の金がない。
・なにやら保守派・革新派ともに怪しい実験進行中、実験塔とかいう場所で。
・モンスターが地下に大量発生
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他は結構どうでもいいやつばっかりだった。
酒場から出て、目立たないように路地裏に入った。
「この情報どう思う?」
『うーん、どっちもろくでもないのが多いですね』
『ただ、地下にモンスターが大量発生というのが気になるのぉ』
『ダンジョン化しているのかもしれません』
一応ハクロたちが目立つとまずいのでダンジョン化しているらしい地下には行けないな。俺一人だけじゃ対処できない可能性があるもん。
「となると、実験塔とやらに潜入してみるか」
さて蛇が出るか出ないか・・・。




