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『いきなりの王都火災』

タイトル的にネタバレに近い

 数日後、ばったりと誰も家に侵入してこなくなった。なんでもこの家に忍び込むとやばいとかいう感じのうわさが流れたようである。


「結局、だれが魔道具を壊すように指示をしていたかわからなかったな」

「防犯システム強化前に戻しておきますカ?」

「いや、このままでいいや」


 過剰すぎるかもしれないけど、なんかなれた。



 そんなふうに油断して会話していた時だった。


ドカァァァァァァン!!


「!?」


 いきなり爆音が響いたかと思うと、王都の方角から煙が上がっていた。


「なんだ!?」


 急いで俺たちは王都へ向かった。さすがに何かあるとまずいのでアルテミスを人化解除させてその上に乗って向かった。馬車よりも早いからな。



 王都を上空から見ると、あちこちで火災が発生していた。今の時期は空気が乾燥し始めているので下手したら大火災にまで発生しそうである。


 王宮の方にも火の手が上がっていた。


「ちっ、全員消火活動に参加!!それぞれ手助けに向かえ!!」

「「「「了解!!」」」」

「〇」


 全員いったん地上に降り、それぞれ各方面の火災現場へ向かった。


 俺は王宮の方である。


 


 王宮にたどり着くと、消火活動がされていた。


「あ!ゼロさん!」


 門番が俺に気が付いた。ぶっちゃけ顔なじみになっているからな。


「ローズたちは!?」

「皆さん無事です!!爆発音がした際に王族をいち早く避難させました」

「じゃあ後は消火しても大丈夫だな!!」


 素早く燃えているところへ向かう。見ると、そこはバケツリレーが行われていた。この世界には消防車ないからな。


「あ、旦那様!」


 ローズがその中に交じっていた。ついでに国王もいた。


「今なんかひどいことお思っていなかったぞいか?」

「いえ、何にも。それより一体なにが」

「急に爆発音がしたぐらいしかわかっていないのです!それより早く消火を!」

「それが先か。『アクア・シャワー』!」


 魔法発動と同時に、火の手が上がっている部分に水柱が落ち、そのまま一気に鎮火させた。


「あれ・・・?この魔法ってこんな感じだっけ?」


 ちょっと違和感を感じた。もう少し穏やかに水が振りそそぐはずだがなーんか勢いが・・・ま、いっか。


「すごいです旦那様!!」


 ローズがギュッと抱きしめてきた。昔に比べて成長した胸が柔らくて顔が赤くなった。


「と、とりあえずほかの消火に向かいます!!」


 顔が赤くなったのがばれぬようにエンチャントで足強化してその場を素早く走り去った。ローズにはばれていたようだが。







「ミンナー!イケーーー!!」


 スラ太郎は眷属の中で火に強い耐性を持つスライムたちを出して消火させていた。水分たっぷりのスライムはこんな時に役に立つのだ。さらに、今の時期、他の魔物使いたちはスライムを従魔にしているのであちこちで役に立っていた。スラ太郎がスライムたちの最上位種でもあるので、スラ太郎に皆が従い、さらに統率が取れていた。





「てりゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 ハクロが気合を入れて手から出した糸をロープ上にして炎に包まれている家から人々を巻き付けて救助しながら、その傍らでアルテミスが上空から水属性のブレスを加減してはいて消火活動を行っている。


「み、水切れしそうじゃ・・」

「まだいけるでしょ!!」


 ブレスは息を吐いてから出す。そのためブレスをはき続けるのは肺活量的にきつかった。




「いまです!」

「〇!」


 カトレアとリーゼは互いに協力していた。カトレアがホースの形をした木を生やし、その中をリーゼが水魔法で水を流し込んだ。ホースから勢いよく水があちこちに拡散されて消火していく。普通に水魔法で撃つだけだと一直線にしか行かないが、こうやって拡散させることでより広範囲を消火させられた。


 俺もあちこちで水魔法を連発して消火していた。こういった時に雨が降る魔法がないのは不便である。





 謎の爆発音から3時間後、やっと全部鎮火した。死傷者が大勢出た。



「つ、疲れました・・・」

「息が・・・」

「ふみゅ・・・」

「スライムガンバッタヨ」


 全員、満身創痍である。それぞれあちこち駆け回ったもんな・・・。魔力に余裕があるとはいえ、魔法連発しすぎて俺も疲れた。


 あちこちで誰もが疲れていた。他の水系の魔法などを使える魔法使いや、従魔たちもである。


「旦那様、これどうぞ」

「ありがとうローズ」


 ローズが差し出してくれた水が入ったコップを飲んでのどを潤した。今俺たちは一時避難場所に指定されている王宮の中庭にいた。



 国王たちが原因究明に一生懸命動いているようで、他の人たちもあわただしく動いていた。


 ローズは第2王女だが、こうしてほかの人のために配給の水を出しているのだ。


「しかし、いったい何だったんだあの爆発音・・・」


 炎系の魔法や、爆発系の魔法などが考えられたが、誰かが魔法を使ったという形跡はなかったようだ。


「しかも、あちこちで同時のようじゃな。魔法には発動するタイミングのずれがあるが、かなりそろっていた感じじゃった」


 一度しか音がしなかったもんな。


 とりあえず、今日は疲れたのでいったん家に戻ることにした。王宮も火災によって一部が焼けてしまっているので、国王はそのままその場所においてローズを連れていくことを許してもらって俺たちは家に戻ったのであった・・・。


 でも、爆発が魔法によるものじゃないなら・・・・・なんだ?



火薬はあることはあるが、この世界では結構高級品。年に一度の花火ぐらいにしか使われない。

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