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『真夏のある日』

新章というよりは、ほのぼの日常回再びって感じかな。

 あの星光王国での事件からしばらくたち、季節は真夏となり、王都の夏祭りがまた開催される時期が迫ったころであった。


「暑いな・・・」

「今日はまた一段と太陽が輝いていますもんね・・・」

「こちらが今回の依頼達成報酬です・・・」


 王都ギルドにて、俺たちは依頼達成報告を行っていた。今回は『土竜』の群れの討伐だったんだよな。名前からしてなんとなくモグラかと思っていたらまさにそのまま巨大モグラだった・・・。しかも30体以上。


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「土竜」

ドラゴンみたいなモンスター名だが、正確にはワイバーンなどのドラゴンとは違った全く別の種である。

土をほるのに適した前足を持ち、地下からいきなり襲い掛かる。人や馬などを食べ、群れとなって増えていく。あちこちに穴を掘り、木の根を食い荒らすなどの被害が大きい。名前を付けたのはこのモンスターを初めて発見した人がその見かけからついそういったというが、その辺の真偽のほどは不明である。その毛皮は水をはじくので地下水脈にぶち当たっても泳げるそうな。ランクは1体だとC。集団だとB。なお、食べるには適しておらず、過去に食べてみた人がいたが三日三晩腹をくだしたそうな。

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 このまま王都に接近されると穴だらけになるからという事である。しかし、相手は地下を掘る。なのでゴーレム(〇ッター2)でこちらも地下から攻撃を仕掛けてやった。たまらず地上に飛び出たところをハクロとスラ太郎に捕縛、カトレアとリーゼで眠らせて、そのあと全員で永遠の眠りにつかせてやったよ。一応、カトレアは夢を操作できるからできるだけ悔いのない内容にしてあげたけどな。


 ん?眠らせたのならそのままどこか迷惑にならないところへ運べばいいんじゃないかって?こいつら、どこへ行っても迷惑しかかけないらしいし、繁殖力もものすごいようだからね。1匹見かけたら30匹以上になるといわれているんだよな。G並かよ・・・。

 

 というか、名付けた人って転生者なのでは・・・。意外に結構いそうだよな。まあ、前世の記憶がある人なんてほとんどいないんだろうけどね。知識ぐらいしかないし。



 依頼達成報酬を受けとったが、今日のギルド内は一段と蒸し暑かった。魔道具でクーラーのようなものがあるらしく、それが取り付けられているのだがどうやら今日は故障したようであった。


 そのためギルド内が真夏の灼熱地獄と化し、全員がぐだっていた。ここにいる人たちで、冒険者たちはさっさと依頼を受注してまだましな外に逃げるが、ギルド職員たちはそうもいかず恨めしそうな目で冒険者たちを見ていた。すっげぇ怖い・・・。


 なお、魔物使い・魔法使いの中には従魔や自分で氷魔法を使わせて涼もうとしたものがいたが、その者たちの周りは涼しいことを知っている人たちが集まってむしろ暑くなっていた。


 ちなみに、クーラーのような魔道具の故障の原因は老朽化のようである。部品もなく、そのため買い替えたほうが早そうであるという意見であった。


 だが、同じような魔道具はこの夏すべて売り切れたそうで、品切れだそうだ。今年の夏は妙に暑いからな。


 ちなみに、我が家ではリーゼとカトレア、スラ太郎の協力により快適になっている。水魔法と、ゴーレム製作技術と、アイススライムなどがあるためだ。どう組み合わせているのやら。



 なお、この技術提供は今のところ不可能である。この三人がいないとだめなところが多いからね。



 そのため、俺たちはさっさと王都から出て家に戻った。ギルド職員の目線が超怖えぇぇ・・。全員が俺が家暮らしで、しかもカトレアたちの能力を知っているから我が家に冷房装置があるのをわかっているようである。




 家に戻って玄関を開けると涼しい風が入ってきた。一応温度設定はエコ設定。いや、地球温暖化とはこの世界にないからそんな必要はないんだけどね。なんとなくそういう設定にしたくなるんだよな・・・。


 動力は少々の魔石、水、そして植物の枯葉である。なにが、どうやって、そうなるのかは全く分からないが・・・まあいいか。


「外がホントに暑かったですよね~」


 うーん、と背伸びするハクロ。ちなみに、一応全く外に出ないわけじゃないからな。こういった環境にいすぎると現代病と同じようなものにかかる可能性があるから、ちゃんと依頼なんかを受けて外に出たりしているからな。モンスターである皆がかかるかは不明だけど。


「そうじゃな、例年よりも暑いかもしれん。我の生きていた中では・・何番目ぐらいじゃろうか?」

「知るわけないだろ」


 万年単位で生きているアルテミスに聞かれても・・・・。どれだけの経験があるのやら。


「そういや、王都の夏祭り開催まであと1週間ほどだな」

「そうじゃのう・・・今年も大食い大会で優勝を狙うのじゃ!」


 大食い大会にて常連化しているアルテミスである。ジョイントさんのタイタンや、最近では若い魔物使い魔でもが従魔を参加させているようでモンスター部門とかに分かれたそうな。


 さらに、魔物使いが月間「スライムクラブ」の影響で増えたこともあり、今年の『王都夏季限定武闘大会』には魔物使い部門ができたそうな。ただし、俺は参加できないがな。Sランクばっかで強すぎるので、大会責任者たちが参加しないでくださいと懇願してきたんだよね・・・。あ、解説・司会は毎度のアルテミス、モッセマンさんにお送りしてもらう予定らしい。


「今年は『ゴフィッシュすくい』はないんですよね・・」


 ちょっと悲しい顔でハクロが言う。


 どうやら毎年いる『ゴフィッシュすくい』の屋台のおじさんが、今年は出店しないといってきたのである。理由はどうやら今年は異常に暑いからゴフィッシュがほとんどとれていないというのだ。


「まあ、祭りはそれだけじゃないしな。そこまで落ち込むなよ」

「・・そうですね。少し残念ですけど、今年は浴衣も手直ししますよ!」


 今年も祭りに行くが、今回は浴衣を手直しするという。進化してから糸もレベルアップしたようだから完璧に仕上げたいようである。


「そういや、ワゼはどうする?」


 一応魔道具であるワゼは、現在我が家のメイドをしている。


「そうですネ・・マスター、今年は店を出してみていいでしょうか}

「へ?」


 なんか意外な答えが返ってきた。


「店って、ワゼが?別にいいけどなんの店を?」


 魔道具が出す店ってすごい気になる。


「いえ、単にかき氷でに売ろうかト。今年は暑いので皆様方に涼しんでもらいたいのデス」

「かき氷か・・・いいんじゃない?って、氷はどうするのさ」

「地下に冷凍室をカトレアに作ってもらいましたので、そこから切り出すつもりデス」


 ・・・・最近、我が家の地下設備が整ってきているようである。某カエルの基地みたいなことになりそうでこれはこれで怖いな・・。


 まあ、そんなこんなで夏祭りが迫ってきたのであった。

 

なお、大食い大会にはスライムの参加は認められていない模様。体内で消化を素早くできるものが多いからね。ちゃんと胃袋にあたるものがあるものがないとダメなんですよ。


 夏祭りまであと7日

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