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適当に生きたいただの魔物使い(重要)ですがなにか?  作者: 志位斗 茂家波
スライム・スライム・エリクサー編
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閑話 スライムクラブですよ

スライムクラブの制作過程のってますよ

「は?スライムクラブ論争?」

「そうそう、それで事態の収拾をつけるためにゼロ君の従魔のスラ太郎にお願いしたいんだ」


 俺たちは珍しくモッセマンさんに呼ばれたと思ったら、そんな頼みごとをされた。


現在、俺たちは今世間で大人気の月間「スライムクラブ」の販売元のモッセ・スラ社におとずれているのである。


「そのスライムクラブ論争って何ですか?」

「まあ、どこにでもある派閥争いみたいなもんだ」


 話によると、最初このスライムクラブは社員一同共通の思いで運営されていたそうだ。


 だが、あまりの大ヒットゆえに利益に目をくらんだ社員たちの何人かがここから独立し、同じように「スライムクラブ」を販売開始した。


 内容がどちらも似たようなものになり、どっちが本物かというレレベルの大論争になっているらしい。


「相手側の記事はね、どう考えてもこっちの盗用みたいなんだよ。だけどその証拠が見つけられなくてね、この際特集号を組んで記事が出る前にその盗用の現場を押さえたいんだ」

「なるほど、だったら俺たちも協力しますよ。」

「私たちも愛読していますからね」


意外に面白いしな。


「ありがとうゼロ君」

「まあ、スライムの手配はスラ太郎がやるんですけど・・・スラ太郎いいか?」

「ウン!」




 スライムクラブの制作が開始された。


 まず、スライムの写真を撮るところから始める。


「こいつが『アダマンダイトスライム』、『アイススライム』、『スライムスケルトン』・・・」


 一体ごとの名前と種類を確認していく。スラ太郎がそのスライムの名前を書き、それを確認して、その特性、生息地、ランクをしっかり記載していくのだ。



 というか、スライムって骨ないのにスライムスケルトンってなんだ。



 お次は、そのスライムたちの情報を記事にしていく。


 はっきりってここが一番重要なことである。


 この記事でいかに面白く、美しく、かっこよく、可愛く、たくましく、そのスライムがどうであるのかなどのことを決めるのだ。


 そして、そのあと社内にてその論議が交わされる。


「アクアスライムはもっと可愛くすべきだ!!」

「ロックスライムって似た名前のスライムがいるけどこれをいかに変えるか・・・」

「この記事だとジュエリースライムの乱獲の恐れが・・・・」



 なんだこのスライム会議は。はっきり言ってスライム馬鹿の集まりにしか思えん・・・。だけどまあ、聞いていると面白いんだよな。



 なんやかんやと内容が決まり、その記事内容をさらに編集し、合計3回の会議で編集されたものをまとめていく。



「ここまでは別にこれといった怪しい点はないんだよな」


 この世界にはカメラはあるが、盗撮できるまでの小さいものなどはない(身内に作れるものがいるが・・・・)。



「最後の納品の時かもしれんぞ」



 そう、最後の納品の時が一番危険だ。この瞬間に盗用されている可能性があるのだ。




 その納品前夜、俺たちは倉庫にて今か今かと出荷される直前の最新号を見張っていた。なお、カトレア作製ミニゴーレム100体、スラ太郎の「軍隊スライム」280匹、ハクロお手製糸の検知という超警戒体制である。誰かが侵入してくればすぐにでもわかるが、念のため、倉庫内の物陰に俺たちは隠れた。





張り込んで3時間・・・



「どうやら来たようだな」


 物陰に隠れていると、怪しい人影が数人倉庫に入ってきた。ハクロの糸検知、軍隊スライムの見張りの報告確認によると、倉庫に入ってきたそいつらで全員のようである。


 それぞれが倉庫内にあるものを物色しているようである。おそらくだがスライムクラブを探しているのだろう。


 その証拠に、ダミーとして宝石類に化けさせたスライムたちが入っている箱には目もくれていないのである。


 

 そのうち、スライムクラブが入っている箱に近づき、中身を確認していた。


「倉庫から出たタイミングで取り押さえるぞ」

「「「「了解」」」」



 スライムクラブの本を何冊か手に持ち、そいつらが外に出た瞬間だった。


「いまだ取り押さえろ!!」

「なんだ!?」



 相手側はいきなりのことで混乱したようである。


 そのすきに素早く皆で、全員取り押さえた。


「くっ、見張りがいたのか」

「一応関係者でもあるからな。全員で見張っていたんだよ」

「しかもアラクネがいるってことは怪物殺しか・・・・ついてねぇ」




 そののち、俺たちはそいつらから尋問(トラウマレベル)で情報を引き出し、バックについていたやつらのことを聞き出した。


 やはり、スライムクラブのもう片方の売っていた側の者であった。ここで数冊盗み出し、そのあとすぐに内容を少し変えて売り出すつもりだったらしい。


 そのあと、モッセマンさんのところに突き出した。


「こいつらの後ろにはやはり類似しているスライムクラブを売っていたやつらがいました」

「そうか、ゼロ君たちに頼んでよかったよ。これで証拠もそろったし、その会社をつぶせるよ」




 後日、スライムクラブは完全にモッセ・スラ社が本物であり、もう片方の会社はこれまで盗難してきた罪や、その上さらに他社のをパクッていたのが分かり、つぶせたのであった。


 さらに、俺たちには報酬として必ずスライムクラブの最新号が確実に手に届くようになったのであった。面白いので最近手に入れにくくなっていたからね。




スライムクラブ・・・本当に売っていたら面白そうだな。

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