『後始末、そして進化の選択』
没ネタ
「焼き払うのはいかがでしょうか」
薬品を焼いた場合有害物質が出ることがあるので没ネタ
バカ坊っちゃんは皮膚のところどころがただれてはいるが、何とか生きているようだった。ま、回復させてやる義理もないし、この騒ぎを起こしたからかけてやるつもりもないんだけどね。
『>経験値がたまりました。スラ太郎は進化が可能になりました』
「え?スラ太郎進化できるようになったの?」
「プ!」
どうやら今の戦い(一方的に回復魔法かけるだけでそう呼べるかわからないけど)で進化できるようになったらしい。が、今すぐの進化はいったんやめておいた。いつの間にか応援が駆け付けられていたらしい。次々と体を溶かされた人たちが運ばれていった。
よく見るとモッセマンさんと冒険者Bランクのアウルさんがいた。
二人とも俺に気が付いたらしく、こっちに来た。
「な、怪物がいなくなっているよ!!」
「もしかして君がやったのかい?」
「いや、俺じゃなくてスラ太郎がやってくれたんだが」
「そうそう、スラ太郎がやってくれたんですよ。しかも今ので進化できるようになったみたいでモガッ」
(おいハクロ!余計なことは言うんじゃない。ややこしくなるだろ!)
「おや?進化できるのですかこのスライムが!」
(聞こえてたーーーーー!!)
「お願いします、ぜひモンスターが進化するところが見たいんです!!校長をしていますが、実際モンスターが進化するか見たことがないんです!!」
「えーと、それは後にして今はさっきのことをどうにかしないといけないと」
「そんなことより見てみたいんです!!早く見せてください!!」
どうやらモッセマンさんはあの馬鹿が引き起こしたことをそんなこととしてしか見られないようである。
同意はするけども、校長がそれでいいのかよ。
「こらこら、今はあのバカが引き起こしたことの後始末をしないといけないぞい」
いつの間にか国王が二人の背後にいた。そういえばこの人いつの間にか消えていたな。
「ゼロとか言ったな。そなた今回の事件の功労者として表彰したいのだが」
「えっ?でも今回は俺じゃなくてスラ太郎が解決してくれたんですが」
「それでも、お前の従魔だろ。つまり、主の手柄なのだよ」
「プルルン」
「スラ太郎が言うには「マスターの手柄でいいですよ」らしいですよ」
「いいのか?」
「プル!」
これはハクロに行ってもらわなくてもわかる肯定の返事だった。
「一応今回の事件の処理が済み次第王宮への招待状を出そう。それまではこの学校で学んでいるといい」
「あ、ありがとうございます」
国王がその場を去るとすぐモッセマンさんが鼻息荒くして待っていた。
「では今すぐにでもそのスライムを進化させてくれ!!」
「えっと、スラ太郎進化いいのか?」
「プ!」
かなり気合が入っているようである。しかし、進化ってどうやるのか。
『スラ太郎は現在3種類に進化が分かれています>どれにいたしますか?』
え?3種類あるの?鑑定を使って調べてみたのをみんなに伝えた。
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『クイーンヒールスライム』
・回復にたけたヒールスライムの女王。体のサイズが大きくなり、体の色が白くなる。この先進化はない。
『メディスンスライム』
・薬を体内で生成できるようになったスライム。万能薬の生成可能になり、さらに不老不死の妙薬であるエリクサーも精製ができるようになったスライム。これ以上の進化はない。
『光の女王』
・スライム族の中で最上位にあたる。すべてのスライムの特徴を持った伝説のスライム。人型になれるようになり、言葉が話せるようになる。しかし、そこまで流暢ではない。さらにこの上の進化がある。一応女王とついているが種族名なのでそこは勘違いしないでほしい。
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・・・なんだこの進化。どう考えてもかなりの壊れ性能なものばかりである。
「ふむ、ヒールスライムの進化にはこのようなものがあるんだな」
「エリクサーとかって、どれだけすごいんだよ・・・」
「私の特徴よりもすごい・・・」
それぞれ驚いていた。しかしハクロよ、お前どんだけショック受けているんだよ。
「で、どの進化にしようかな?」
「断然『光の女王』で」
「すべてのスライムの特徴を持っているらしいからね。いまだに存在が確認されていないスライムの特徴があるだけで学会に旋風を巻き起こすよ」
「私の特徴が薄くなりそうなんで反対したいのですが・・・、ゼロ様の力になるためにはやはり『光の女王』にするべきかと」
「じゃあ、それにするよ。スラ太郎もそれでいいかな?」
「プルン!」
『光の女王に進化することに決定いたしました。>進化のためサングラスをかけることを推奨いたします』
え?サングラス?
疑問に思った瞬間、進化が始まった・・・ってめっちゃ眩しい!!確かにこれ直視できないよ!!サングラスいるよ!!
スライムの種類はこの世界ではいまだに未調査なものが多いらしい。




