『体当たり』
文字通り 短め
もう少しで第1島に着くところだった。
「よし、後ちょっとで」
「な〜〜の〜〜」
「ん?」
何か変な声が聞こえた。
「一体何、っ⁉︎」
「な〜〜の〜〜タックールー‼︎」
声が聞こえた方を見ると、白い塊のようなものが俺に向かってミサイルのごとく迫ってきた。
シャレにならない勢いだったので慌ててエンチャントで身体強化し、横に飛び避けるのと同時に、先ほどまで俺がいたところを白い塊か通り過ぎた。
「な、なんだあれ?」
勢いからしてまともにぶつかったら悲惨なことになりそうである。
『何か白い塊じゃな』
「それはわかるけどさ、ってまた来たー!!」
白い塊は通り過ぎたかと思うと、方向転換してまた来た。
「な~~の~~たーいーあーたーりー!!」
「同じだろ!!」
先ほどと同じように白い塊が突進してきたのでさっきと同じように俺はよけ、
「急カーブ!!」
「はあっ!?」
避ける寸前、白い塊は直進していた動きをいきなり曲げて俺の方にめがけてきた。
「『シールド』!!」
がきぃぃぃぃぃぃぃぃん!!
慌ててシールドを展開し、何とか防いだ。
「おー、すごいなの!!この数々の攻撃をよけたり防がれたりしたのは初めてなの!!」
なんか嬉しそうに言う白い塊だが、その攻撃本気でシャレにならないから!
「なんで攻撃してくるんだよ!!」
「地上には拳で殴りあう挨拶があるって聞いたの!!」
「間違っているからな!!」
誰だそんな間違った知識をこの謎の白い塊に教えたやつ。
ばさっつ、ばさっつ
「ん?」
羽音が聞こえたかと思うと、爺さんが翼で飛んできた。天空人のようである。
「こりゃ、タヨ。こんな乱暴はしちゃいかんと言ったじゃろうが」
「あ、じーちゃん、ごめんなの!」
「じ、じーちゃん?」
この白い塊はこの老人の孫なのか?
「すまんのう、何やら変わったもので空を飛んでいる方。うちのタヨが迷惑をかけたようで」
「拳で語り合ってたんだよ?」
「お前には拳がないじゃろうが!」
ゴッチ―ン!!
「痛いなの―!!」
爺さんの拳が白い塊の頭(?)に振るわれ、白い塊は泣いたような声を上げた。後、そのツッコみナイス。
「いやはや、うちのタヨはこうしてたまにこの辺を通る人に攻撃してしまうんじゃ。お詫びをしたいからうちに寄ってくれんか?」
「え、はい」
こうして、謎の爺さん&白い塊が住んでいるというところに俺たちは案内されたのであった。
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「なに?先代国王様のところに怪物殺しが?」
「はい、先代国王様のペットというか、孫のようにかわいがっているモンスターのようなものが迷惑をかけたとかのようです」
「ふむ、まあ先代国王様は確か第5島にて隠居されていたな。ならばこのいまこの王国で起きていることも知らぬだろうし、先代国王様の口から洩れることはないだろう。だが、念のため引き続き感づかれない距離にて監視をしろ」
「了解いたしました」
何やら・・・




