『ギルドで尋問開始』
シンプルです
スライムを連れ去ろうとした二人組を捕まえ、ギルドまで文字通り引きずって連れてきた。
「スライムを連れ去ろうとした二人組連行してきました」
「こいつらか・・・」
ギルドマスターであるメタドンさんに報告し、ギルドの奥部屋に連れてきた。
「なんかすっごいたんこぶだらけになってないか?」
「引きずってましたもん」
「まあいい、こいつらがスライムを連れ去ろうとしたやつらだな?」
「「ひいっ!!」」
メタドンさんににらまれて二人は悲鳴を上げる。
ギルドマスターなだけあって、メタドンさんのにらみはまるでタカのようである。小心な者なら震え上がるのだ。
「お前ら、一体何の目的があってスライムを連れ去ろうとしていたんだ?ご丁寧にスライム用の魔道具まで使用しているしよ」
スライムを捕獲するため専用のような魔道具をこいつらは持っていた。スライムはふつう持つことは可能だが、1部の特殊なスライムー『オリハルコンスライムん』のような体が金属でできているようなものを除くと、その体の99%以上は液体のようなものであり、手でつかませないようにできたりするのだ。これがスライム系統には魔法が一番攻撃の手段としていいといわれることでもある。
それに、俺は何回かスラ太郎で溺れかけているしな・・・・・。
だが、こいつらが使用していた魔道具は液体でさえもつかんだり、縛ったりできるものだった。つまり、スライム捕縛に特化しているようなものである。
「ここまでご丁寧な魔道具があるとなると、ここ最近のスライムがいなくなった事件はてめぇらが関係しているということだな?」
メタドンさんが再度にらんで、一人が話し始めた。
「そ、そうなんですけど・・・」
「そうなんですけどがなんんだ?」
「あ、あっしたちは確かに今までスライムを連れ去ってきましたケど、それは頼まれてやったんですよ」
「頼まれた?誰にだ?」
「わ、わからないでさぁ」
「わからない?」
「それが頼んできたやつはいきなり大金をあっしたちにわたして『これをやるからスライムを捕獲しまくれ。ついでに魔物使いのスライムもさらって来い』と言われて、その魔道具ももらったんで今までやってきて、そのスライムを渡して、追加の金ももらっていたんすよ。で、毎回捕まえた後にはどこからか手紙が飛んできて、指定場所で受け渡しをしていたんです」
「ただ、受け取る人は毎回同じだったんですけど、深緑のフードをかぶっていて顔が分からなかったんです。声からして男だったり、女だったりと毎回違うようで」
どうやらこの男たちは完全に雇われただけのようで、大金が手に入るからスライムをさらっていたようであった。
「他に何かわかることはないか?」
「そういや、どの受け取った人も確かどこかの国の国旗みたいな」
「そうそう、確か、」
バリン!!ドシュッ!!ドシュ!!
何かを思い出したように男が話した瞬間、2人の男たちの首に何かがどこからともなく飛んできて刺さった。
「吹き矢!?」
「ぐっつ!?がぎゅああああぁ・・・・」
「ぐびゅううううう・・・・」
男たちは苦しみ、体全体を痙攣させ、そのまま白目をむいて泡吹いて動かなくなった。
「毒じゃな、それも超強力な」
男たちの首に深々と刺さったのは大きなトゲのようなもので、刺さった部分がどす黒く変色していた。
飛んできた方角を見ると、誰もいないようだった。
「逃げた・・・・?いや、長距離射撃か」
俺たちに気配すら悟らせない距離からの射撃のようである。窓が割れており、そこから入ってきたことはわかった。
「飛んできた勢いから考えるとだいたい2Km先かの?よっぽど腕のいい奴じゃな」
警戒したが、数分たって二度目がないところを見ると、どうやらもうすでに目的を果たしたようであった。
「完全に即死じゃな。口封じのために殺されたようじゃな」
「どこかの国の名前を言おうとしたときにか・・・。タイミングからいって、確実に監視されていたな。こう都合よくその瞬間に狙えるわけがないからな」
「最初から全部見られていたのかのぉ・・・」
こりゃこっちの油断だったな。まさかそうなるとは思っていなかったもんな。
「しかし、スライムをさらい、口封じもするのか・・・・」
「国の名前を出そうとした時だから、どっかの国が関与しているのは間違いないな」
しかし、どこの国だ?
「宗教国は現在、宗教と分離はしている最中でそんな余裕はない」
「帝国もじゃな。前皇帝からいまの皇帝に変わって改革中になっておるからそんなスライムを集める余裕はないじゃろうな」
スライムを大量に集める国か・・・・そもそも、そんなに集めて何をする気だ?
「スライムを集める理由が分かればまだ特定しやすそうだが・・・」
「『スライムクラブ』を見ればわかるかもしれん。あれのスライムの中でほしいのがいるかもしれんからのぉ」
「5年前ぐらいから発行されて、月間だけじゃなくて、週刊版や特別増刊号間までありますが・・・」
「このギルドではすべてあるが、確か100はあったな・・・」
探すの骨が折れそうだな・・・・
つまり、超多い。




