『ダンジョン探索進んで・・・』
今回は結構あっさりダンジョン進んでます。
「結構集まったな」
ダンジョン19階層にていったん休憩を兼ねて魔道具の整理をすることにした。
なんかね、進めば進むほど出てくるのが楽しくなって調子に乗ってここまで来ました。調査忘れかけていたよ。
「今のところ、何とか全員の希望のが手に入ってはいるな」
アルテミスは風の刃が出る手甲。ハクロは大きさが調節可能なナイフ。カトレアは爆発するハンマーと、ゴーレムに持たせる武器いくつか。
「というか、カトレアがハンマーをふるう姿ってなんか予想通りだったな」
カトレアは自分の木の根に持たせて振るっていた。
「そしてアルテミス、お前は少し暴れ過ぎだったぞ」
完全にオーバーキルしまくっていたからな。
「うう、つい調子に乗ってしまったのじゃ」
まあ、魔力の関係は全員もともと多いから魔力切れはあんまりないだろうが。
そして、仮眠をとったのち、俺たちは20階層のボスに挑むことにした。
「ここの20階層のボスはセイヌマカさん一人で挑んでいるようだな」
「あれでも結構な強者のようじゃからの」
「ここのボスは『ナイトリッチ』ですね」
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「ナイトリッチ」
騎士でもあるリッチというアンデッド型モンスター。攻撃方法は持っている剣に魔法をかけてそれを飛ばしてくる。様々な属性を持ち、対処がしにくい少し厄介なモンスター。ただ、アンデッドなだけに火には弱いらしいが、水魔法で消化するらしい。接近戦に持ち込めば倒しやすくなる。ランクはその多彩さからB。
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「めんどくさそうだな」
「いっそのこと主殿の魔法でぶっ飛ばせばどうじゃ?」
その案採用。どうせ俺は魔道具を扱うわけじゃないし、戦闘はほとんどアルテミスたちに任せているからな。このダンジョン見ているだけだと暇だし。
ということで、20階層のボス部屋に入ると、頭以外は全身が鎧に覆われたモンスターがいた。頭はスケルトンのようにも見えるが、黒く、目のあたりが赤色だった。
「ぎゃぎいいいいいいい!!」
ないか唱えたかと思うと、その手に持っていた剣に電撃のようなものがはしり、剣を振ってそれを飛ばして来た。
「遅いな。『シールド』」
ばちぃっつ!!
目の前に展開された魔法による防御壁で防いだ。
「超ひっさびさの『フレイム・ストライク』!!」
バルゼン以来の魔法を俺は使った。
右手に炎が渦巻き、それを一気にナイトリッチに向けて突き出す!!
その炎は拳の形となってナイトリッチを飲み込み、悲鳴を上げる間もなくナイトリッチは文字通り消し炭になった。
「ふう、結構久しぶりの魔法を使ったな」
「ん?主殿、なんか宝箱があるぞ」
「へ?」
出現した階段のすぐ横に宝箱があった。
「これさっきからあるようでしたよ?」
ハクロは部屋全体を見渡して見つけていたようである。
「ということは、別にボスモンスターを倒したから出たわけじゃないのか」
なんかちょっとだけ残念。ボスモンスターを倒して宝箱が出たら「ご、ま、だ、れ~♪」てやりたかったのに。
「しかし、なんかこの宝箱少し豪華だな」
なんかあのデンジャラスボックスの時みたいで怖いな。鑑定してみるが「宝箱」だとなるからモンスターではないが。
「もしかしたら強力な魔道具かもしれませんよ?」
「少し大きいのぉ。もしかしたら大斧か、ハンマー系のかもしれん」
「もしくは宝いっぱいとか」
それが一番可能性があるな。ダンジョンでも宝石が出る宝箱が魔道具が出るのよりも低い確率であるっていうしな。
「それじゃ、開けてみますか」
ギギギギィィィ、と音を立てて開けると・・・・。
「「「「は?」」」」
中には武器の魔道具や宝石や金銀財宝といったお宝ではなく、眠っているような少女がそこにいたのであった。
「え?なにこれ?ひと?」
「にしては両耳が奇妙ですよ?」
人間のような普通の耳でも、エルフのようなとがった耳でも、獣人のようなモフモフした耳でもなく、その少女の耳は何やら黒い三角のアンテナのような耳だった。
顔立ちは整っていて、髪は赤色である。身長は横になっているが、だいたい165cmといったところか。服はなぜかメイド服のようだが。
「もしかしてこれも魔道具かの?」
「それにしては人間に似すぎているな」
「人型ゴーレムじゃないですかね?関節がそれっぽい感じですし」
ハクロの指摘を受けてみてみると、確かにゴーレムに近い関節になっている。機械っぽいというべきか。アンドロイドみたいだというべきか。
「カトレア、ゴーレムかな?」
「いえ、ご主人、これはゴーレムとも少し違います」
どうやらゴーレムでもないようである。
「つまり、人型魔道具か?」
「そんなもの聞いたことがないですね」
「そもそもこんな少女型にする理由がわからん。戦闘向きでもなさそうじゃしな」
「マドーグノニンギョウナノ?」
「そもそもなんでこれがダンジョンの宝箱にあるかですよね」
「?」
全員頭を抱えた。さすがに理解ができない。というか、まだ眠っているようだしな。
「ダンジョンの宝箱から出ているから魔道具なことは魔道具なのかもな?」
「でもこんな耳以外は人そっくりなのは・・・」
「わからないのぉ」
「オコサナイノー?」
「「「「それだな」」」」
スラ太郎の言うとおりである。起こせば少しは話が聴けるであろう。多分な。
「というか、どうやって起こすんだ?」
「それよりまずはギルドにて報告しに行けばいいのではないでしょうか?こんなダンジョン内でするのもあれですし」
とりあえず、アルテミスに箱ごとこの謎の少女を空間収納させてみた。
「収納できたのじゃ」
「ということはまず、生き物ではないのか」
空間収納は生きている生物が入ることは不可能である。死体でもない限りね。
「やはり魔道具か?」
まあ、こんなところで悩むのもあれだし、もうみんなの目的の魔道具も手に入れたし、いったんギルドに戻るために、俺たちはまたゴーレムで地上に戻るのであった。
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「はっ!?今何か面白い瞬間を逃した気がする!!」
「なに言っているんだYO」
「いきなりですね・・・・」
そんな三人組の姿が宗教国近くの宿にあったとかなかったとか。
謎の少女はいったい何だろうか・・・




