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『リーゼin港町』

200話記念はまだかな

せっかくなので、俺たちはアポさんと共に久しぶりに港町ギルドに寄った。


ギルドの執務室にて話してみた。


「なるほど、船に乗って宗教国まで行きたいのね」

「ええ、そうです」

「でも次の船は3日後よ?」

「え?」


どうやらこの港町から宗教国があるところまでの便はあんまり頻繁にないらしい。船で5日ほどらしいけど、特に互いに親しくもないためらしい。


「3日か、せっかく港町に来たんだし王都にすぐ戻るってのもな」

「3日間の休暇みたいな感じで港町に泊まったらどうかしら?」


そうするか。


「よし、じゃあせっかく来たんだし船が来るまで休暇といこうか」

「賛成です‼︎前回はポセイドンクラーケン退治でしたからね」

「うむ、なかなかいいのぉ」

「サカナタベターイ」

「せっかくですし、船型ゴーレムの研究でもします」

「◯」


全員賛成のようである。


「それにしても、いつのまにかセイレーンが加わっているわね。ダンジョンからでた奇跡の歌姫と言われている子かしら?」

「あ、はい。というか、ここまで噂になっていたのですか」

「ええ、セイレーンはこの港町でも見ることは滅多にない幻のモンスターですもの。ちょっと歌を聞きたいんだけど良いかしら?」

「リーゼ、いいか?」

「◯」


オッケーのようである。


「それじゃ、歌ってくれ」

「〜♪」


リーゼが歌い始めた。


今日は初めて海を見たからか、海のことを題材にしたような歌である。


晴れた日、嵐の日、と歌い分けているようなまるで海の中にいるかのような幻想的な歌だった・・・。








「〜♪」


リーゼの歌が終わった。


ウォォォォォ‼︎


「⁉︎」


いきなり歓声がなった。


いつの間にか執務室の扉が開かれており、ギルド職員が集まっていた。


どうやら、途中からこの部屋から聞こえてきた歌に引き寄せられるように聴いていたようである。



「素晴らしかったですよ!」

「まるで海を直接見ているかのようだったぜ」

「感激した‼︎」

「聞けてよかった‼︎もうこの歌以外聞きたくないぐらいだよ!」

「噂は知っていましたまさかこんなにとは」


口々に感想が述べられる。1人中毒者になりそうじゃないか?


アポさんは近くで聞いていたせいか、まだ幻想の中にいるような状態である。


「おーい、アポさん起きてますか?」

「はっ⁉︎つい虜になっていたわ‼︎」


このギルドマスター大丈夫か?


「素晴らしい歌声でしたね。なんかこう、海の深さを感じ取れるような感じでした」


リーゼの歌は港町ギルドでも好評だった。ただ、


「あっ!みなさんなんで仕事を放り出しているんですか‼︎」

「やべっ⁉︎まだ仕事中だった‼︎」

「依頼達成報酬渡している途中でした‼︎」

「買取作業中だったよ⁉︎」



どうやらギルド職員全員が仕事を放り出してきていたらしい。


そのため、リーゼの歌を再度聞きたいがために、全員がその日いつもの数倍もの早さで仕事をこなしたそうな。




後日談

リーゼの歌の魅力が強すぎたようで、仕事がまた滞るのを防ぐためにギルドマスター自らがリーゼの歌をギルドでは涙を流しながら禁止にしたのであった。


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