『再び港町ギルドへ』
ちょい短め
殴り込みかけることは決めたが、宗教国はどうやら海の向こうらしい。
海上なら誰もいないからアルテミスで行こうかと思ったが、よくよく考えるとあんまり面白くはない。
殴り込みするなら内側からやった方がいいからね。下手に接近したことを気付かれたらちょっとやりにくいな。あと、カトレアのゴーレムで行こうともしたが、海中を進めるゴーレムはあるが、そこまで長時間稼働は出来ないようであった。船型もいまいちわからないため制作不可能らしい。
そのため、今俺たちは、船に乗って向かうために、以前来たことのある港町に来ていた。
あ、今回はカトレアの馬車型ゴーレムでアンネルさんの馬車には乗ってないからかなり早く着いたわ。
潮風が漂い、マリンセイレーンでもあるリーゼが何やら嬉しそうにしていた。そういや、ダンジョン生まれだから海は初めてか。
「ここを訪れるのも久しぶりだな」
「前はたしかポセイドンクラーケン退治で訪れましたもんね」
あれからもう結構経って・・・ん?
「なんか匂わないか?」
「そうじゃの・・・この匂い、なんか美味しそうなものが焼けた匂いかの?」
「ご主人、向こうでなにかやっているみたいですよ」
何やら人だかりがあったのでいってみた。
「あ、イカ焼き?」
「でかすぎないですか?」
「ふむ、クラーケン焼きじゃの」
イカ焼きもといクラーケン焼きが行われていた。
「おや、ゼロさんじゃないですか?」
「ん?あ、アポさんお久しぶりです」
後ろから声をかけられ、振り向くと、そこにはこの港町ギルドマスターのアポさんの姿があった。
「お久しぶりですね。今この港町では久しぶりにクラーケン焼き祭りをしているんですよ。これがもう本当に美味しくて」
「クラーケン焼き祭り?」
話を聞くと、どうやら以前のポセイドンクラーケン焼きにはまったギルドの人たちが、またあの味をと思いクラーケンを生け捕りにして、焼きたてのクラーケン焼きをつくるようにしたらしい。
「最初は相手はAランクのモンスターだからと断る方が多かったのですが、一度その味を知った途端に死に物狂いでクラーケンを生け捕りにしてきてくれる方々が増えたんですよ。一応、協力して大勢でやっていますからね。海上に引きずり出す技術の進歩のおかげで倒しやすさが上がり、クラーケンのランクもBまで下がったんですよ」
げに恐ろしくは人の食欲かな・・・。
引き揚げ技術の進歩
銛、網、などが改良され、さらに運べる輸送船もパワーアップしているそうな。
ただ、残念なことはやはりあのポセイドンクラーケンの味にはクラーケンの味ではかなわないらしい。マジで美味しかったもんな。
ちなみに、クラーケン焼きは2週間に一回あるかないかまでになったそうな。
繁殖力を考えると一応生態系には影響はないらしいけどね。




