『妙な噂』
日常が終わって新章開始!!
夏祭りも無事に過ぎ、秋が深まってきた。
「はーっ、夏祭りも終わってしまいましたね・・・」
「我は大食い大会で優勝を逃したのが残念じゃ」
「今年も参加しているのがすごいんだが・・・・」
皆それぞれ終わってしまった夏祭りに思いをはせながら、今日はギルドに依頼を探しに来ていた。
「おっす、怪物殺しの旦那!今日も依頼を探しにかい?」
「おっ、今日はアルマナさんが受付嬢か」
「へへぃ、旦那がわっしのことを覚えてくれるのは光栄だねぃ」
ハーフエルフであるアルマナさんが今日は受付嬢だった。さすがにもう数年もギルドにきていれば自然と顔ぶれも覚えてきた。ダンジョン都市のミウさんも今頃まだドジやらかしているんだろうな。
「今日は何かいい依頼がないかなと思ってきたんだが」
「いまいちさっぱりでして」
「いいのがないかのぉ?」
「そろってそれかよ。さすがの怪物殺しもこういう時はギルドの受付頼みか」
けたたと軽く笑うアルマナさん。この人は元冒険者だったらしく、『血濡れのエルフ』なんて物騒な二つ名があったらしい。見た目からして豪快そうだが、ちょっと怖いな。
「だったらよう、さっさと冒険者ランクを上げればいいと思うがな。たしか旦那はBランクだろう?その従魔たちがいるからSランク目指してもおかしくないんだがな」
「まあ、めんどくさいからというのがある」
要はランク上げには試験があり、それを受けるのがめんどくさい。試験は筆記・実戦などだが、まあこのメンバーが強すぎて、必然的に実戦ができずに筆記ばかりで辛いというのがあるが・・・。
「Sランクならばかなりやばい依頼も受けられるのにな」
「俺は普通の冒険者として生きていきたいんだよな。高ランクになる必要はあんまりないしな」
(((どこが普通の冒険者だよ!!)))
このときゼロたちのことを知っているギルドにいた者たちのツッコミが心の中で一つになった。
ランクSクラスモンスターを数匹従魔として従え、自身もとんでもないレベルの魔法が使え、帝国との戦争時には王国側に被害者ださずに全員生きて捕らえた冒険者のどこが普通なんだよ!!と、全員そう思ったのであった。
まあ、本人が自覚があるかはどうかは知らないが。
「そういえば旦那、聞きましたか?」
「ん?」
「なんでも最近王国内に『カルトック』の信者が布教しようとしているらしいんだぜ」
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宗教国『カルトック』
・グライトス王国の敵国ではないが、宗教自体は対立しているらしい。最高神(いないのですが信仰されている)『モー』を信仰している。
・別に亜人などに対して偏見などはないがそれでも少し毛嫌いしている。
・神官が最高権力を持っていて政治を担っている。
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「なるほどね。まあ、別に宗教は個人の自由だからいいんじゃない?」
別に神が本当にいるとかいないとかわからないしね。いるんだろうけどさ。
「それがどうも怪しい感じで、妙な噂が流れているんだ。なんでも、この国を攻めようとしているとかいないとか」
「ま、そういう可能性はあんまりないだろうね。あの帝国との戦争のこともあるし、この国に敵対するつもりはないんじゃないかな?して来たら問答無用で反撃するけど」
さすがにローズとの婚約が貴族たちに知れ渡っているからな。参戦しなかったらめんどくさいことになりそうだ。
「あははは!確かに旦那たちがこの国にいるからそう簡単には攻めてこなさそうだな!!」
まあ、攻めてこないだろという結論にたどり着き、その日はギルドで依頼を見つけられなかったので、俺たちは家に帰った。
だが、このときすでに火ぶたは切られていたのかもしれない・・・・。
夏祭りの様子は200話記念ごろにだすよ!!
季節の周回的になんかそこに合うんだよね。




