『冒険者学校の一日特別講師 2』
前回の続き
スライムを従魔にする人が増えたのは『スライムクラブ』のせいだといわかったので、とりあえずそのことは後回しにすることにした。
「ゼロ先生!!先生の従魔たちを見せてはいただけないでしょうか!!」
お、そう来る人がいることはわかっていたよ。
「では、俺の従魔たちを出すよ。出て来い!!スラ太郎!!ハクロ!!アルテミス!!カトレア!!リーゼ!!」
全員だすと、生徒たちはその目を輝かせた。
「す、すげぇ!!本物の怪物殺しの従魔たちだ!!」
「あ!!この間からよく話題になっていたリーゼちゃんがいる!!」
「姉御と呼ばれていたアルテミスさんもいる!!」
「あのドリアードの人、なんかこう包み込まれたい」
「怪物殺しの特徴として有名なアラクネの人だ!!」
「スラ太郎さんがいるよ!!」
みんな思ったよりも人気そうであった。特に、スライムの従魔の人が多いのでスラ太郎に注目が集まっている。
「先生!!スラ太郎は元はなんのスライムだったのですか!!」
「スラ太郎は確か元は『ヒールスライム』だったよな」
「ソーダヨー」
進化して今の姿になったんだよな。
「それにしても、スラ太郎さんの今の種族は『光の女王』という種類だと『スライムクラブ2号』にのってましたが、ということは他に『〇〇の女王』という進化が他のスライムたちにはあるのですかね?」
そういわれてみるとそうだよな。他になんかあってもおかしくはないな。
「スラ太郎、何かわからないかい?」
「ン―、アルヨ。デモ、ダレガドウナルカマデハワカンナイ」
そこまではわからないのね。
「まあ、我が知る限り人型の種族のモンスターはほかにも多くいるからのぉ。スライムので人型は聞いたことはないが、いるじゃろ」
そういうもんか。
「あの、ゼロ先生のモンスターって全員会話できていますよね」
「ま、リーゼを除いてだがな。こいつは歌うとき以外は基本ジェスチャーだ」
「それで、あの、私たちの従魔たちの話していることが分からないでしょうか?」
「ん?わかりますよ?私だってスラ太郎がスライムの姿の時から会話できていたもん」
ハクロが答えた。そういえば確かに会話していたよな。
「我も可能じゃが、できるだけ知能が高い相手に限られるのぉ。そもそも大抵は本能的に動いている者たちが多い。魔物使いの従魔になって知能が上がるものもいるが、それでも会話が可能になるまでには時間がかかる」
「ハクロは確か、最初従魔になる前は会話をほとんどしなかったけど、従魔になってから話すようになったな。カトレアは?」
「私ですか。そうですね・・・ほとんど会話をする必要がなかったので会話はしてはいませんでしたが、ご主人の従魔になったときに改めて話せるようになったんですよね」
「ちなみに、今そ奴ら我らを見ておびえておるようだがのぉ」
見ると、生徒たちの従魔は全員少し遠巻きにしてみていた。
「ダンジョンにおるモンスターは最初から敵意むき出しじゃから襲ってくるが、こうしてほかの人の従魔になっている者や、ダンジョン外のものはその相手との格の違いが分かってしまうと自然と我らのようなものを恐れるのじゃ。じゃが、それゆえに攻撃してくるものもおる」
なるほど、そうなってるのか。
「ここにおる者たちはきちんとわかっておるから、それなりに育てられたモンスターじゃということはよくわかる。なかなか見どころのあるやつらじゃ」
自分たちの従魔を褒められ、なんか嬉しそうにする生徒たちであった。
まだ続く




