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『リーゼ コンサート2』

前回の続き

「と、言うわけで4日後にリーゼが王都にてコンサートを開くことになったよ」

「へー、リーゼがコンサートに出るんですか」

「あんまり意味ないことのように思えるのぉ。普段から歌っておるのに、今更って感じなのじゃが」

「ご主人、コンサートってなんですか?」


昼間の出来事をハクロたちに俺は話していた。ハクロたちは自分専用の部屋をいろいろなにかしていたようで、リーゼとの話にはいなかったのである。というか、カトレアはコンサートが何かわかっていないようである。


「ウタヲウタウンダヨー」


スラ太郎、それ説明になってないからな。


「でも、何か不安じゃな」

「何か思うことでもあるのか?」

「急にアイドル全員が辞めた点じゃ。大金が絡むようなことなのにそれを考えずに辞めたのじゃろう?いくらなんでもバカじゃあるまいし、ちょっと考えればそうなることがわかるというのにじゃ」

「確かに変ですね。まさか全員わかっていなかったバカだったんでしょうか?」

「流石にそれはないじゃろう。ハクロ、お主じゃあるまいし」

「私はバカじゃありませんよ⁉︎」


ハクロの反論は意味がないが、言われてみれば変な話であった。


「となると、誰かがアイドルたちに意図的に辞めさせた可能性があるということか?」

「ま、単にそう思うだけでその可能性は低いがの」


 しかし、仮に誰かがやめさせたとしても一体何の得があるのだろうか?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おい、この屋敷で間違いないだろうな」

「へい、怪物殺しとその従魔たちはこの屋敷にいるはずですぜ」


 深夜、ゼロたちがいる屋敷に数人の怪しい男たちがいた。


「今回俺たちが標的にしているのは、この屋敷にいる従魔セイレーンだ。この毒ガスを流し、風邪気味にして歌えないようにしろという依頼だからな」

「あっしとしてはできるだけ避けたいんですがね。ここのセイレーンの歌は本当にきれいで、なんか罪悪感が」

「ま、4日後にあるコンサートの時まで歌えなくすればいいという話だ。なにも一生歌えなくするわけでない。というか、そんなことしたら俺たちにとっても損だろう?」



 男たちはキシリによって雇われたごろつきたちではあったが、リーゼのひそかなファンでもあった。これが一生歌えなくしろとかいう依頼だったら断っていたが、数日ならなんとかと罪悪感がありながらも引き受けていたのであった。



 そして、男たちは風上に立ち、毒ガスを流したのであった・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「で、誰が依頼人なんだ?」

「へいっ!!キシリというおばはんです!」


 翌日、男たちは背後から忍び寄っていたハクロに取り押さえられてつるし上げられ、あっさりと白状していた。


 実はハクロ、昨日の夜はなんか眠れなくて少し屋敷を出て散歩していたところ、たまたま何かが糸にかかったような気がして見に来てみて、男たちが何やら怪しい動きをしていたので問答無用で縛り上げたのである。


 ついでに、その毒ガスは全くリーゼには効いていなかった。


「リーゼに『状態異常無効』があってよかったな」

「そもそも我らはこのぐらいの毒ガスじゃやられんよ」


 うちは全員頑丈だからな。俺も毒ガスはくらったが、前にスラ太郎の眷属であるポイズンスライムの毒で作った毒薬をうっかりこぼして自分にかかってからなんか耐性が付いていたし、アルテミスはそういった状態異常系には強いので意味がなかった。スラ太郎はそもそも全く聞いていない感じだったしね。


「なるほど、キシリというおばはんの依頼か」

「へいっ!!なんでもリーゼさんをコンサートで歌えないようにして、自身の懐にある人員を貸して、その代わりにその社長の体を目当てにしていたようです!!」

「なんだその悪趣味な奴は・・・」


 なんともまあ、おぞましい人がいたもので。


「主殿、こうしてこやつらを捕まえたんじゃ。こいつらを証人としてそのキシリとかいうおばはんとやらを懲らしめに行くかの?」

「いや待て、いい案を思いついたぞ」


 この襲撃が失敗に終わった以上は何らかの手段を使ってくるはずだ。それを逆に利用してやろうではないか。俺の従魔(大事な家族)を狙った以上はたっぷりとお返ししてやらないとな・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なんだと!!全員捕まったのか!!」

「はい、しかしながら何も白状してはいないようです。高い金を払いましたからね、これで一応、我々とはばれないでしょうがこのままコンサートは開催されるようです」

「なら、直接会場を襲撃するのはどうだ?そしたらコンサートも滅茶苦茶になり、泣きついてすがってくるだろうね」

「では、なるべく足が付かないようにいたしますのでやってみせます」



 キシリはにやりと貪欲な笑みを浮かべた。さすがにコンサートがダメになればあの男も泣きつ入れすがってくるだろうと疑っていなかった。


 ただ、その部屋の片隅にいた小さな人影には気が付いていなかったのであった・・・。

さて、どうなることかな?


*ここで一つお知らせいたします。新しく物語を書き始めるつもりですが、この物語が毎日更新を目指していますが、その新しく作る方は完全不定期となるのでそのあたりをご了承ください。この物語はまだちゃんと続きますよ。

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