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『家探し』

今回からは普段の生活にはいるよ!!

 ダンジョン都市から戻って、まず俺たちはリーゼの紹介をローズにしていた。


「ローズ、これが今回のダンジョンで従魔になったマリンセイレーンのリーゼだ」

「マリンセイレーン・・・その歌声は奇跡を起こすとまで言われる幻のモンスターでしたね。さすが私の旦那様です!!こんな素晴らしいモンスターを従魔にしてしまうなんて」


 リーゼもローズに喜ばれたのが分かったらしくて嬉しそうにゴーレムの中を泳いだ。そういえば今更だが、ローズとリーゼって名前の響きが似ているな。言い間違えそうでなんか怖い。


「そういえば旦那様、家を買うためにダンジョンに稼ぎに行ったのでしょう?結局買う家はもう決めたのですか?」

「それがね・・・」


 金を稼いだのはよかった。しかし、これといった家が見つけられなかったのだ。


「そういう事ですか。でしたらあの不動産屋はいきましたか?」

「なんのだい?」







「ここですわ、不動産『モッケェイ』。ここはかなりの掘り出し物があるという話なのですよ」


 ローズに連れられ、俺たちは王都の路地裏にあった不動産屋に来ていた。


「ここであっているのか?なんかどう見てもやばいものしか扱っていないような」

「旦那様がダンジョンに行っている間に調べたのですよ。そしたらここがなかなかなものを扱かっているそうですわ」


 中にはいってみると、少し埃っぽかった。


「おや?客とは久しぶりだな」


 俺たちが入った瞬間、音もなくその場に一人のご老人が現れた。


「ひっ!!」

「うわぁ!!」

「ひよっひよっひよ、そう驚かんくてもええ。儂はこの不動産のオーナー、ギンベイじゃ」


 いきなり現れたから驚いたんだよ。幽霊かと一瞬思ったよ。一応鑑定したら生きた人間だったしな。


『鑑定結果では「人間(?)となっていますので』


 久しぶりに聞こえた世界の声さん・・・、そんな不安になるようなこと言わないでよ。この世界はアンデッド系のモンスターがいるぐらいだから、幽霊がいないとは限らないんだよ。


「あ、あの私たちは家を探しに来たのですが・・・」

「ほおぉ、よく見れば第2王女様に怪物殺しか。こりゃまたすごい客が来たもんじゃ」

「え?わかったんですか?」

「ひよっひよっひよ、儂はこういった情報には結構詳しくてな、一目見てその人物が誰かなんて事は簡単に見通せるのさ。そういえば、最近婚約発表をしたとか言っていたな。二人で愛の巣探しとはお熱いのぉ」


 なんかすごく恥ずかしくなってきたのだが。


「おいこらギンベイとやら。我らもおるのじゃぞ」

「これはこれは怪物殺しの従魔の方々で。そういえばダンジョン都市にてセイレーンというモンスターも従魔になったと聞きましたよ」


 この爺さんすごいな。かなりの情報通だよ。


「で、家をお探しですな?それならぜひともいい物件があるのじゃが」






「ここですじゃ。王都から馬車で15分の屋敷じゃがどうかな?」

「おい爺さんや、これは廃墟というのでは・・」


 案内された屋敷はあちこちにツタがはりつき、庭は荒れた大きな屋敷だった。どう考えてもこれ廃墟だろ。なんか幽霊でそうなんだが。


「ひよっひよっひよ、まあそんな怒りなさんな。お前さんの従魔にゴーレム制作できるものがおると聞くが、そいつにこの屋敷を手入れさせてみたらどうじゃ?あっという間に新築同然になるじゃろ?」


 この爺さんどこまで情報を・・・・。カトレアなら確かにこの屋敷の新築化はできるだろうけどなんかなぁ。


「あ、ついでに言うとな、この屋敷には昔『シルキー』という妖精がおったと聞く。人がいなくなればどこかに行ってしまうのじゃが、こ奴らはいつの間にか家の手入れをしてくれる妖精という。お前さん方がここに住めば来るかもしれんぞ?」

「その可能性はあるな・・・」


 シルキーはモンスターと違って妖精である。家を管理してくれるという者で、これが1匹いるだけでも屋敷の手入れが楽になる。


 そのため、何やかんやと交渉し、この屋敷を手に入れてカトレアに直してもらった。


「ご主人、できましたよ」

「うわぁ、見違えたな」

「ここまできれいになったんですね」

「さすがにカトレアの腕には驚くのぉ」

「スゴーイ」

「旦那様の従魔は本当に優秀ですね」


 その屋敷は修理前とは見違えるほどきれいになっていた。


「しかし・・・」

「どうしたんだカトレア?」

「この屋敷の内部をゴーレムたちに整えていてもらったんですが、なぜか何者かがいつの間にかきれいにしていたりしているようで・・・」


 どうやら早くもシルキーが家に憑いたようであった。悪い妖精じゃないしいいんだけどね。


 一応ローズとは婚約をしているが、まだ結婚しているわけではないので、しばらくはこの屋敷にはすめないことを残念そうにしていた。


「ひよっひよっひよ、ついでにアドバイスをしておくがシルキーは姿をめったに人前に見せないそうじゃ。無理に見ようとしたら怒るらしいぞ。じゃが、たまに部屋の片隅にごほうびでもおいてあげるのがええ。そしたらシルキーも喜ぶじゃろう」


 そういって、ギンベイさんは音もなくその場を去っていったのであった。


 あのじいさん、本当に幽霊じゃないよな・・・。






この爺さん、謎がまだありそうでなんか怖いな・・・。幽霊ではないようだけど・・・。

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