『入学式当日1』
1日でまたかなりできたな。
ついにこの日がきた。
一年前、決めたこの冒険者用の学校に入学するときがついに来た。
「ゼロ様忘れ物ありませんか?」
「いや、今日の入学式はとくにもっていくものがないんだ」
この冒険者用の学校の入学式は単純に新入生が集まって行なわれるだけではない。
将来なる職業別にまず分かれ、そして挨拶と校歌が歌われる。
そして、その後職業別にまた集まってそこで模擬戦を行うのである。
いきなり模擬戦とかいうが、簡単に早く実力を知るのに必要だからだという理由であるのだ。
ま、俺は魔物使いだから実際はハクロとスラ太郎しかたたかわないんだけどね。しかし、大丈夫かな?スラ太郎は回復役メインだから実質攻撃はハクロしかしないんだが。
「心配しなくとも大丈夫ですよ。戦わなくして生き残ることは叶わないのですから。だてに千年いきていませんよ」
「プルプルンプルプルンプルプルプルプルン」
「スラ太郎も『私だって回復役だけじゃないんですよ。回復呪文だって用法用量正しく間違えれば毒となりますよ』と言っています」
なんだろう。違った意味で不安になってきたな。その言い方かなり危なくないか?
ついでにハクロの代弁によるとスラ太郎はメスだということを知った。
しまった、ついオスみたいな名前にしちゃったよ。
しかし今からネーム変更できないしな。心配したら別に気にしていないと言われたけどそれでもな。
あ、従魔は全員出しておくように言われているため、今はスラ太郎やハクロと一緒に入学式場まで歩いている。
「おいみろよあれ。あのモンスター」
「あれってアラクネだよな?あんなに美しい姿だっけ?」
「あのスライムもなんか普通とは違うような気がするなぁ」
「アラクネの糸って確か高級品・・・くれないかな」
「そこのスライムを連れている君!我が『スライムを愛でる会』に入らないかい!」
「はあっはあっ、アラクネお姉様素敵・・・。冷めた顔で色々されたい・・・」
・・・ハクロが注目を浴びてしまうのはわかる。しかし途中からなんか変なの混じっていないか⁉︎
「あの者・・・あのモンスターたちを従えているのを見る限りなかなかのようでござる」
なんか忍者みたいなのまで混じってないか⁉︎
不安を覚えつつ、入学式場までむかうのであった。
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「あの美しいアラクネを連れてる人が私を助けてくれたのよね・・・」
「はい、でもあの姫様、なんで頬が赤くなってるんですか?まさかとは思いますが」
「あの見た目・・・完全ドストライク!」
入学式場へ向かう中に、鼻血を垂らしていて少し怖い子がいたそうな。
姫様・・・なんか残念な子だな