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『VSゼル・ウィーキッドネス・サクアシ皇帝だった怪物』

今回珍しく結構長い

 王都に向け、我がものにせんと進行していた皇帝だった怪物は、ふと目の前に何かがいきなりそびえたっていたのが見えた。それは、巨大なドラゴンだった。


 怪物はそれに思い当たる節があり、少し足を止めた。


『・・・エンシェントドラゴン(太古の怪物)か。確か、あの怪物殺しの従魔だったな』

「ほう、意識はまだしっかりとあるようだな」

『くっくっくっく、我は皇帝。それすなわち神にも選ばれしもの!いや、今の我はその神にも勝っているだろう。その我が自身の意識を失うか?』

「・・・なんか臭うのぉ。怪物になってもその足は健在か」

『我が足のことを言うなぁ!!』


 怪物は激高した。人間だった時から言われ続けたその足の臭いのことをコンプレックスに思っているのだ。とてつもない力を手に入れたこの体でも、その臭いが消えないことには不満があったのだ。


『いくらエンシェントドラゴンでも我が力にはかなうまい!!くらえ!!「エンペラー・ビーム(皇帝の威光)」!!』


 怪物の口から放たれた光線、それをアルテミスは上空に飛ぶことによりなんとか避けた。


「そんなへなちょこ光線にあたってなるものか!!お返しだ!!」


 上空からアルテミスは様々な属性を持ったブレスを怪物に向けて放った。しかし、そのどれもが全く効果がないようだった。


『ふん、この無敵の我にそんなものが効くか!!』


 しかし、この状況は硬直していた。


 アルテミスが上空から様々なブレスをはくが、どれも効き目がない。


 怪物が光線を放つが、上空にいるアルテミスはその口の向きから推測して避けていく。


 互いに全くダメージが通らない。そのうえ、どちらも全力でぶっ放すものだから、彼らの周りはものすごい被害(とばっちり)にあっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、作戦通りアルテミスが怪物の気を引き付けているな」


 俺たちは怪物の前方、2キロほど離れた平原にてその様子を見ていた。というか、2キロも離れているのに結構姿が見えるんだよな・・・。どれだけでかいんだあの怪物は。王都で見た時よりも大きくなっていないかあれ?


『黒魔石によるエネルギーがいまだに増大しつつあるようです。そのため体が今も成長中ではないかと思われます』


 世界の声さん、ナイス解説。


「ご主人、言われたものの一つがやっとできた」

「お、できたか」


 カトレアにさっき頼んだものが作り終わったようだ。


 見ると、それは巨大な大砲のようであった。


「特殊砲弾専用射出砲。その名も『ダセル』です」


 名前がかなり変わっていないかそれ?


「この大砲は内部にスラ太郎の眷属で、合成改造されて『オリハルコンスライム』『アダマンダイトスライム』『ミスリルスライム』のそれぞれの特徴を併せ持った『アダリルコンスライム』を組み込んである。そのため、魔力伝達率と耐久性能が高くなっているけど、作戦に使用するものから考えてたぶん1発しかもたない」

「それで十分だ。ハクロ、怪物に照準を合わせるぞ!!」

「了解!!」


 ハクロが『ダセル』の砲身を押し、今アルテミスが戦っている怪物に照準を合わせた。


「しかし、この砲身動かすとこだけはなんで人力なんですか!!結構重いんですよ!?」

「この『ダセル』の重さから考えると、ハクロが一番動かせるから」

「なんでほかにゴーレムとかないんですか!?」

「もっぱら全台を最後のトドメ作成に総動員させているから・・・」


 どうやら空間収納の空間内で、ゴーレムにあの怪物への最後のトドメとなるものを作らせているようだった。


「完成まであと2分・・・」

「それまで何とかあの怪物の気を引き付けてくれよアルテミス・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やーい、やーい我1体も倒せないのかい足クサ皇帝や!!」

『おのれ!!この雑魚めが!!』


 アルテミスはブレス攻撃が効かないため、光線をよけながら思いつく限りの悪口で気を引いていた。


『こうなったらこれでどうだ!!』


 そのあまりのイライラに、怪物は思い切って吐き出す光線を変えてみた。


『「エンペラー・ストーム(皇帝の嵐)」!!』


 集中して吐き出される一筋の光線から、渦を巻いて広がった光線に切り替えた。


「がっつ!?」


 突然渦を巻いて広がった光線。それに驚きアルテミスはほんの一瞬、体の動きが止まった。そのほんのわずかな瞬間に、アルテミスの右翼にその光線が当たった。


 完全に直撃はせず、威力も落ちているものであったが、それでも右翼がボロボロになり、うまく飛べなくなってアルテミスは地面に落下した。


『くっくっくっく、さすがに今のは効いたようだな。翼も使えなくなったようだし、これでさすがによけきれまい!!』


 地面に落下し、受け身が取れていなかったのでアルテミスは落下した衝撃のせいで少し身動きがとれていなかった。


『これで終わりだ!!我が全力の一撃で葬り去ってやるわ!!』


 怪物がアルテミスにとどめを刺さんと大きく口を開けたその時だった。


『くらえって・・・ぐがぼうううう!?』


 怪物の前方から何かが口の中へと入りこみ、怪物の体内で一気にそれは爆発した・・・。


『がはっつ・・・!?今のはいったいなんだ!?』


 怪物には訳が分からなかった。自分の体は無敵だと思っていた。だが、今入ってきた何かによって体内で爆発が起き、腹の中がひどいダメージを受けた。


『っく、だがこの程度で我はやられはせん!!』

『いや、ここでお前は終わりだ!!』

『な!?どこからだ!?』


 いきなり聞こえてきた人の声。その声が自分の腹の中から聞こえたと理解した瞬間、


『「シャイン・ストーム」!!』


一気に何かが自分の腹の中から上に登って上がっていき、そのまま怪物の頭をぶち抜いて光の渦が上昇していった。


 そして、頭部を失った怪物はそのまま倒れこみ、溶けるかのようにして消えていった・・・・。



何をしたかは次回にて説明あり

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