『寮内の出来事1』
「はあっ、ギリギリ間に合った」
門限ギリギリになり、慌てて身体強化できる『エンチャント』の魔法を使用してなんとか俺は寮に駆け込んだ。
『結構ギリギリでしたね。いやー、狭いけど走らなくてらくでしたよ』
「おいコラ、ハクロは楽しているがこっちはたいへんなんだぞ」
ハクロは途中で従魔用の空間へもどり、走っていなかった。
こういうときは従魔はずるいのである。
しかし、狭いとか言っていなかったかこいつ・・・。
「あ、そうだ夕食どうしようかな。寮での食事は確か明日からだった」
そう、新入生が寮での食事を食べられるのは入学式の後からなのである。普通は前日それを見越してどこかで食べるのだが、あの人攫い騒ぎでうっかりしてしまっていた。
『えー、じゃあ私たち今日飯抜きなんですか?』
「そういうことになるな」
『そんな〜』
考えていたら腹減った。仕方がない、風呂でも入って空腹をまぎわらすか。
「あ、ハクロ今日風呂どうする?従魔用のところしかはいっちゃだめなんだよな?」
『ゼロ様と一緒に入ったらだめですか?』
「こっちの精神衛生上止めてくれ」
大体ハクロはモンスターだけど、上半身が女性とあまり変わらないから、その、胸とかが毒なんだよ。こっちの理性にすごい来るんだよ。
『わかりました・・・あ、私たちこのまま従魔用空間にいるんですけど、風呂覗きませんからね』
「絶対覗くなよ」
なんだろう。普通は逆なような気がする。まてよ、スラ太郎はそういえばどうなんだろうか?オスかメスかはっきりしていないし、わからないことがまだあるな。
考えても仕方がないので俺は風呂にはいりにいったのであった。
この世界ではスライムに対する謎がじつは1番多い




