『王都防衛4』
これさ、思ったんだけど屋敷自体がGホイホイみたいにした方がよかったかな?
「帝国軍本隊と思わしき部隊が4つに分散及び、王都の周囲に陣取りました」
「一つ当たりの人数はおよそ5万人ほど」
王宮にて、今回の結果を報告しているときに、ギルドの隠密部隊と思わしき人たちがメタドンさんに報告しにきた。。
「なるほど、王都の周りを囲むようにしてか」
「人数が多いな。分散してそれだから本隊の本来の人数は20万人ほどだったという事か・・・」
「一体どうするつもりなんだぞい?」
「2通り考えられます。一つは兵糧攻め。もう一つはそれぞれの方面から同時に襲い掛かり、こちらの兵力も分散させて対処しやすくするためです」
なるほど、そういう可能性があるのか。
「ふむ、兵糧攻めはまずないな。この王都に来る商人たちからの反発が来るだろう。商人という者は国境がないようなもので、ここでのもうけをつぶされるのを嫌がり、その報復として帝国側での商売をしなくなるだろうからな」
確かに国としては、多額の税金を払ってくれる商人が来なくなれば損失にはなるからな。この世界、実は商人が一番強いんじゃない?
「となると、同時に攻めてこちらの兵力の分散か」
「今はゼロ殿がいるが、それでも一人。この王都にも兵士たちがいるとはいえ、分散させて5万人を相手取るのは厳しいぞい」
「え、そういえば今いる兵力って何人ですか?」
「ギルドからも募集してきた冒険者たちも含めると、およそ3000人。1つをゼロ殿に任せたとして、三等分すると1000人になる」
5万人対千人か。差がありすぎるな・・・。
「じゃったらこういうのはどうじゃ?我ら従魔は4体。それぞれを東西南北に配置するのはいかがかな?」
「いや、いくらアルテミスたちでも一人で5万人相手にするのは無理なんじゃ・・・」
「んー、確かに私には少しきついですね」
「我は平気じゃが?元の姿に戻ってブレスで薙ぎ払えばよいじゃろ」
「スライム軍団ミンナデイケルー」
「ゴーレムの使用が可能ならば平気です」
ハクロ以外大丈夫なのかよ。いや、少しきついっということは無理ではないという事なのか?
「いや、それはどうだろうか。従魔は確かに魔物使いから離れて自由行動ができる。だが、結局はその従魔たちの能力は、主である魔物使い本人がそばにいなければ100%出せないと聞く。いくら強い従魔とはいえ全力を出せなければ危険だ」
その話初耳なんですが。従魔たちって魔物使いのそばにいなければ100%の力が出せないのか。
「大丈夫じゃろ。今回我らはそいつらを全員生け捕りにすればいのであろう?100%でないならむしろ好都合。手加減が難しいからのぉ」
何気に結構怖いこと言っていない?
「いや、もう捕虜の人数としては十分だから別にわざわざそうしなくてもいいんだが」
「最初のやつらは生け捕りにしたじゃろ。この際だから全員生け捕りにしてみようと思ったのじゃ。そうすえば帝国側に我らの恐ろしさを見せつけられるしのぉ」
戦時中に敵兵の命を落とさせずに捕まえるのは難しい。それができるということはそれだけの実力を持っていることになるのだ。
「いや、でも別に恐ろしさを見せつけるつもりはないんだが」
適当に生きたいんだよな。そんな恐ろしいとか思われたくないし。
「じゃが、いくら敵兵でもその命が失われていくのを見るのは嫌じゃろ?」
何も言い返せない。
「しかし、それだとここで何か連絡する際にそれぞれ異なる場所にいると、伝達に時間がかかるのではないか?」
「ソレハダイジョーブダヨ!」
スラ太郎が空中に手をかざすと、そこから小さな豆サイズの透明なスライムが5匹出てきた。
「スラ太郎、このスライムはいったい?」
「コレヨンデー」
スラ太郎が持ち出してきたのは、今月の月間「スライムクラブ」だった。
「これに載っているやつか?」
「ウン」
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「通信専用スライム(思念波タイプ)」
我が卒業生が従魔にしているとあるスライムが作り出した新種のスライム。このスライムを手に持って心で念じると、同じスライムを手に持っているものにその思いが伝わるのだ。まだまだ改良の余地がありそうだが、このスライムが大量に作り出せれば情報がさらに世界中に伝達されやすくなるだろう。ランクはこのスライムは自然界には存在していないのでつけようがないが、攻撃能力がなく、ただ思いを伝えられるだけなのでGであろう。だが、これが世界中に普及すれば、情報の価値により跳ね上がる可能性はある。やはりスライムとは無限の可能性があるのだ。
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そういえば、たまにモッセマンさんにスラ太郎が協力しに行っているんだっけ。なんでも月間「スライムクラブ」に出すスライムネタの提供がどうとか。
しかし、これは使える。いざって時の連絡用にできそうだな。
「これすごいですよ!結構簡単にやり取りができますよ!!」
「むう、スラ太郎、お主いつの間にこんなものを」
「こ、これは驚きです」
メタドンさんや国王様までもがこのスライムに驚いていた。
「このスライムが各ギルドに配置できればギルド間の連絡がしやすくなるぞ!!」
「うむ、この戦争が終わったらぜひ我々にも数個氏は譲ってほしいもんであるな」
とりあえず、連絡手段はできた。
「とりあえず、ゼロ殿の従魔たちが迎え撃つということでいいのかぞい?」
「ま、みんな一応やる気みたいですしそれでいいですよ」
「やる気十分じゃ!」
「いつでもいいですよ」
「ヤルヨー」
「いや私にとってはきついんですが」
「じゃあ、ハクロは俺と組むか。それでいいな?」
「え、あ、それでいいです」
とにもかくにも用意はできた。
「じゃあ、お前たち。それぞれ東西南北に分かれてそこで帝国軍を迎え撃て!」
「「「「「了解!!」」」」
来いよ、帝国軍。
月間「スライムクラブ」、世界同時発売されているものの、その人気ゆえに重版が追い付かないそうな。ちなみにその印税の2割はスラ太郎に振り込まれています。しかし、彼女はお金の使い方が分かっていないためお金で支払われてなく、スライム改造に使えそうなモンスターの素材が渡されております。
もうそろそろブックマークが5000件行きそう。言ったら何か記念話をまたしたいんだけど、何かいいアイディアありませんかね?




