『王都での出来事4』
没ネタ
「この犯人縛首にしちゃいましょうか?」
「いやそれだめだから!」
犯人命拾い?
人攫いだとかいう犯人をハクロで潰し、ハクロがそいつをどこからか取り出した縄で束縛した。
「ハクロ、その縄どこからかもってきたんだよ」
「え、アンネルさんの馬車から降りる際にあったやつをすこし借りたんですよ」
「盗んでいないかそれ?」
「借りました」
「あ、はい」
なんてなく言い返せなくなり、とりあえずおいて、やっと騎士たちがきた。
しかし、体力ないのかな?かなり息切れしているじゃん。
「ぜぇっ、ぜえっ。君がこいつを捕まえてくれたのかい?」
「んー、ちょっとちがうかな。俺の従魔が捕まえたんだよ」
「従魔、てことは魔物使いか。まぁいい、とにかく姫様はどこだ?」
ん?姫様?なんか高い身分かと思ったらそうだったのか。
「あ、その子なら今私の背中にいます」
「おお、無事だった・・・アラクネっ⁉︎なんでこんなモンスターが従魔なんだ!しかも、容姿が全く違うじゃないか⁉︎」
あ、ハクロの背中にかついでいたのか。しかし、背中?上半身の人の背中?蜘蛛の下半身の背中?あ、ちゃんと上半身のほうだったか。
しかし、気絶しているなこの姫様とやら。大体俺と同じくらいの年齢かな?
「あのー、とりあえず渡しますね。あ、怪我は一応ないようですよ」
「あ、ああわかった。しかし、人と見かけが変わらないアラクネか・・・ずいぶん珍しい奴を従魔にしているなぁ」
「一応冒険者用学校の新入生なのでまだ正式な魔物使いではないんですけどね」
「なるほど、今年度の新入生か。ん?そういえば門のところで珍しいアラクネを連れたのがいるって噂になっていたけど君だったのか」
噂になっていたのかよ。そりゃ、ハクロの見た目が普通のアラクネと違うらしいけどそれだけでそんな噂になるもんかよ。・・・ん?門?
「あーっ⁉︎しまったもうすぐ門限だ!急いで寮に帰るぞハクロ!」
「あっ、えっ、ちょっと待ってくださいゼロ様ー!」
いつの間にか門限が迫ってきていることに気がついた俺たちは慌てて寮へいった。
「あ、いってしまった」
「とりあえず姫様が無事だったからよかったじゃねぇか。この人攫い野郎も捕まっているしさっさと帰ろうぜ」
「しかし、彼らにお礼を渡せなかったな」
「今は姫様が気絶してしまっているからまたあらためていこうぜ。冒険者用学校の新入生だといっていたし、調べればわかるだろうよ」
その場に残された騎士たちは気絶してしまっている姫様をつれて、城へもどったのであった。