『開戦の狼煙』
そういえば、この世界での戦争の勝ち負けってどうやって決めるんだろう?
王宮からの依頼達成をして、数日。いつものようにギルドにて依頼を探していると突然ギルド内に駆け込んできた男性がいた。
「た、大変だ‼︎ついに帝国軍が動き出したらしい‼︎」
「「「な、なんだってー⁉︎」」」
そういえば、12歳の時ぐらいから戦争が起きるのではないかという話はあったな。2年たっているし、もうそろそろだとは思っていたがな。
「だが、あの山を越えてここに来るまでは普通1年ぐらいかかるはずだ。ならば準備をする時間が」
「そ、それが、帝国軍の進軍はもう王都に近いところらしい!」
「なっ⁉︎早すぎるだろ⁉︎」
「どうなっているんだ⁉︎」
「わからん‼︎だが、もう迫ってきているらしい!」
ギルド内は混乱に陥った。あまりにも早すぎる帝国軍の行軍、それだけでもう大変な事態だった。
「なんかもう大混乱ですねー」
「そりゃ、あの距離だ。かなりかかるはずなにいつの間にか近くまで来ていたということだからな」
前に帝国との中間にある山まで行ったが、あの時に歩いて行ったら半年はかかったからな。
「静まれ冒険者たちよ‼︎あわてるんじゃねえ‼︎」
いきなり怒声がギルド内に響き渡った。その怒声の主は、いつの間にかギルド内にいたギルドマスターのメタドンさんだった。
「ぎ、ギルドマスター⁉︎いつからそこに⁉︎」
「さっき帝国軍が近くまで来たという話からな」
つまり、全部きいているのか。
「まったく、帝国軍が予想よりも近くに来ていたぐらいであわてるんじゃねえよ。大体早く来るための魔法なんてものあるじゃねぇか」
あ、転送魔法陣があったか。前にモッセマンさんが使っていたな。
「でも、そういう系統はたしか事前連絡が」
「この国ではだろ?帝国側がどうかは知らんな」
転送魔法陣の使用はあらかじめ届け出をする必要がある。自由に使えたら様々なことに応用が利くのだが、軍事用に利用されてしまうと色々と困ることが多いのである。
だが、帝国側ではそうはなっていないようだった。
「だけど、転送魔法陣なら、1日最高でたしか100人ぐらいしか転送できないはずだろ?だが、帝国軍はそれ以上いたはずだ」
「あの国は軍事用に開発を進めたんだろう。とにもかくにもだ、こんな話をする前にさっさと王宮に報告して会議を開くぞ!」
メタドンさんはそういい、ギルドに知らせてきた男を肩に担いで王宮まで走って行った。意外にも早かった。
「どうなるかな?」
「一応、私たちも行った方がいいでしょうかね?」
俺たちもとりあえず王宮に向かうのであった。
次回に続く




