『出るわ出るわ』
あのゴーレムのネタわかってくれる人が多くて驚いた。結構有名だったのかな?黒鉄を次は出してみようかな?
屋敷にて様々な証拠となる書類を確保し、屋敷から出た後、避難していたデーさんの宿に一泊し、翌日引き払って王都に俺たちは戻った。
様々な書類の中には、あの空飛ぶ怪人が何やら怪しい儀式のようなものらしいという記述もあり、関係していたこともわかった。だが、黒魔石についてはなかったのだ。
しかし、その他のものにはどこそこの貴族とかに何やら働きかけるために賄賂を渡したなどが記されており、芋づる式に次々と他の貴族のことまでが昇ってきた。
さすがに数が多く、帝国との開戦が近づいている中でそれらを裁くとかなりの混乱が予想された。
「むう、余計な混乱は避けたいし、他の貴族に対しては今は黙認しておくぞい」
「じゃったら、それとなくそういう証拠握っているから戦争になったら全力を尽くせなんて示すのはどうじゃろうか?」
「アルテミス殿、その考えはいいぞいね!」
なんか意気投合しているなこの2人。
ちなみに、今は王宮の応接室にて、従魔たちが全員出た状態で国王に報告していた。一応、今回の件は実家の問題だけじゃすまなくなったからね。三人寄れば文殊の知恵っていうしね。こういった政治的なことはアルテミスは強いようだからね。意外にもカトレアからも意見がでていて3人でもう話し合っていたよ。
「な、なんかもうわかりません」
「ンー?」
ハクロとスラ太郎は完全にこういった話はダメなんだな。
話し合いは3時間ほど続いた。その間俺はハクロとスラ太郎と一緒に3人だけのババ抜きしていた。俺たち完全に空気と化している・・・。
やっと話が終わり、様々な貴族たちに対する対策を考え出され、とりあえず国王からの依頼は完了した。
「だが、こんどは別の問題があるぞい」
「ガロン領をどうするかですよね?」
違法な取引も多く、ヨクゴ伯爵家の貴族階級剥奪が決定されたが、こんどはその領地を誰が収めるかが問題だった。
今はみな反乱を起こしたりした影響や、重税を搾り取られていたため疲弊はしているが、じつは伯爵家がその地を収める前はかなり豊かだったらしい。
反乱が起きたが、鎮圧されていまは国の管理下に置かれているが、ずっと国が見ているわけにはいかないのだ。いづれ誰かに収めてもらう必要があるわけだが、誰にするかが問題だった。
「ゼロ殿はこの土地が欲しいぞいか?」
「いや、領地経営とかはさっぱりだから遠慮しておきます。大体、俺もその領地にいた伯爵家のものでしたからね」
王都に戻ってすぐ絶縁の手続きしたからもう関係はないことにはなっているけどね。ま、その土地の人々にとっては別の良心的な貴族がいいだろうな。
「残念じゃぞい。それなら別の貴族に任せるとするかな。」
ちなみに、ヨクゴ伯爵及びその息子たちが見つかっていないらしい。帝国に逃亡でもしたのだろうか?
とりあえず、そこで話は止めて、ギルドにて依頼達成報酬をもらった俺たちは王都にて最近海鮮料理を出し始めた宿に泊まったのであった。
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「ギィヤァァァ⁉︎」
「なるほど、少しでも配分を間違えると体が崩壊していくのか」
どこか、わからない場所にて、元貴族だったヨクゴ伯爵らは身体に様々な実験が施されていた。
「あ、息絶えた。 ちょっと刺激が強すぎたのかな?それとも身体が脆かっただけかな?」
そして、全身が灰になってヨクゴ伯爵家の者たちはその命を落としたのであった・・・。
新章はダンジョンを先にしたかった。しかし、話の都合上変更。その新章の次かな?




