『領民反乱1』
これさ、この話だけタイトルがネタバレになっていない?
カトレアが作った馬車型ゴーレムはなかなか快適なうえに速かったので、行きよりも少し早くガロン領についた。
そのままデーさんの移動宿屋に向かうと、デーさんが慌てた様子で俺たちに駆け寄ってきた。
「た、大変なことになっているYO!」
「ど、どうしたんですか一体!?」
「それがNE!この領地のあちこちで領民たちが反乱をおこしたんだYO!!」
「な!?」
まさか領地に戻って早々反乱がおこっているとは思わなかった。いつかは不満が爆発するだろうとは思っていたが、こんなに早く爆発するとは。
「それでYO!領民たちは皆一斉にこの地を収める領主であるNE!ヨクゴ伯爵の新築であるNE!屋敷に向かっていったYO!!」
そんな事態になっているとは。
「いつ起きたんだ?」
「それがYO!!ゼロさんたちがここに来る30分ぐらい前だYO!!」
「わかった。とりあえず俺たちはその様子を見てくるからデーさんは宿屋をどこか安全なところに移動してくれ!!この宿屋がどさくさに紛れて襲撃される可能性があるからね!!」
「わかったYO!!ゼロさんたちもご無事でいてYO!」
こんな時までそのスタイルを崩さないデーさんには畏敬の念を少し行きつつ、急いで屋敷まで俺たちは向かった。
「「「「重税反対!!重税反対!!」」」
「おいこらこのへなちょこ貴族どもー!!」
「「「へなちょこ貴族どもー!!」」」
「俺たちからよくも今まで税を搾り取ってくれたな!!」
「「「搾り取ってくれたな!!」」」
「その恨みをたっぷりと返してやるからおとなしく屋敷から出てこーい!!」
「「「出てこーい!!」」」
なんか屋敷の周りには大勢の人たちが集まっていた。皆それぞれの武器としてなのかクワや鎌などを持っていた。
「うわぁ、こりゃ相当いるな」
「それだけ不満がたまっておったのじゃろうか・・・それにしては少し妙じゃな」
「どういうことだ?」
「いや、この間訪れたときにはすでに不満があったのは目に見て取れた。だが、あれからそんな日にちがたっていないのが妙なんじゃ。我は長いこと生きておる。そのためこういった反乱なんかはよく見たもんじゃ。その時の経験からだいたい予測が付けられるようになっておったのじゃが、ここの領民の反乱は少なくとも1か月後ぐらいじゃと思っておった。だからその予測よりも早く反乱がおきたのが気になるんじゃ」
「アルテミスの見当はずれじゃないんですか?」
「そうなのかもしれんが・・・」
気になるが、今はそれどころではない。今にも民衆が屋敷に飛び込みそうだった。このまま屋敷に突撃されて、最悪放火でもされて火事になってしまったら黒魔石に関しての証拠などまでが燃えてしまう可能性があった。
「とりあえず、いったん先に屋敷に入り込まないと」
「だけど、どうやって入りますか?あの大勢の中を通っていくのは無理そうですよ」
屋敷の周りは今も大勢で囲まれていた。その中に飛び込むのは避けたかった。
「ご主人、いい考えが」
「なんだカトレア?」
「ハクロに糸でご主人の体を巻いてもらって、勢いをつけて屋敷に放り投げてもらう。そうすればあの上を飛び越していける」
「いやそれ無茶だよね!?」
さすがにそんなことしたら危ないよ!!
「そうじゃ、地下を掘っていくのはどうじゃ?」
「時間ないでしょ・・・」
地面を掘るのは時間がかかる。堀終わる前に民衆が突撃しそうなのはわかる。
「大丈夫、これがある」
カトレアが自信に満ちた表情で手をかざすと、空間収納されていたものが出てきた。
全体的には人型のゴーレムのようだが、どうも乗り込んで動かせるらしい。右手にはドリルのようなものが取り付けられれていた。て、あれ?なんかのロボに似ているような・・・・あっ!!
「これは、ゴーレムを作っている時に思いついた合体ロボ。実はこれ三体でひと「ちょっと待って!!それ以上はなんか危ない気がする!!」そう?」
見た目が何かに似ているなーと思ったらあのロボットそっくりじゃん!!あれの確か2がこれだったよね!?
「ま、とりあえずこれなら地下を早く掘れる。どう?」
「そうだな、とりあえず時間も押しているしこれに乗るか」
というわけで俺たちはそのゴーレムに乗り込んで地下から屋敷に潜入したのであった。
ネタが分かる人は多分いますよ。結構昔の・・・いや?そんなに昔でもない?あのゲームにも出ていたからな。「2」と書いてある時点でわかる人がいるかもしれない。




