『国王様に報告ですよ』
短め
洞窟にて、実家に何か怪しいことがあると踏んだ俺たちは、2週間経つ前にアンネルさんにカトレアが作った伝書鳩型ゴーレムで迎えに来なくていいと伝え、デーさんにはすぐに戻ってくるから期間の延長料金を渡し、急いでカトレアが作った自走型ゴーレムを使って王都に戻って依頼の一旦中断をギルドに伝え、王宮に行き、国王にその事を話した。
「なるほど、つまりヨクゴ伯爵家に黒魔石の所持の疑いがあるわけかぞい」
「ええ、恐らくは」
一応前々から怪しいと思われている人だ。疑わしいならすぐにでも貴族階級剥奪をしたいぐらいだろう。
「なら、怪人の方も」
「つながっている可能性があります。ですが、捕まえることができなくて、ハクロが重傷を負うなどとあり、結局判明いたしませんでした」
「あのアラクネが重傷か⁉︎」
「今は治っているため大丈夫です。あと、重傷の原因は黒魔石を保管していた箱がモンスター化していて、それに襲われたのが原因です」
「そういうわけぞいな。ふむ、ならば怪人の調査依頼を一旦、」
「中断するとギルドに伝えております」
「早いぞいな。なら、何がいいたいのかわかっておるのだぞいね?」
「『ヨクゴ伯爵家の調査』ですね?」
「その通りだぞい。そして、伯爵家が何かしらのことを企てていた場合には、徹底的にやってしまっても構わんぞい」
「その依頼、承りました」
一度はこんな感じに言ってみたかった。なんかあれじゃん。秘密任務みたいでかっこいいじゃん。
『主殿も男の子なんじゃね』
アルテミスのつぶやきは聞かなかったことにした。
「わしもそんなこと言ってみたいぞい・・・」
国王様も同じか。王族だから命令されることがないからな。気持ちはわかるぞ。
そんなあほなことをしつつ、俺たちは再びガロン領に今度はカトレアが作った馬車型ゴーレムで向かった。
はっきり言おう。アンネルさんよりもこっち使えばよかった。一応馬のような見た目のゴーレムがひいているから馬車に見えるし、こっちの方が揺れが少なくて快適だった。しかも目的地まで自動運転。
「カトレア、なんでこっちを先に出していなかったんだ?」
「これ、最近作ったんです。アンネルさんが臭くて・・・」
だろうな。アンネルさんの臭さをかがなくて済むようになり、みんなカトレアを褒めたたえていた。
だが、アンネルさん登場終了のような気もして、どことなく素直に喜べなかった・・・。
一応まだアンネルさん出番ありますよ。これからも出ますよ。たんにゼロたちが利用しなくなるだけだが・・・。




