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閑話 宿屋にて

宿屋での出来事

「ふわぁぁぁ、いい湯です〜」

「やや小さいが、それでも皆入れるな」

「フニュ〜」

「先によく洗ってから入る・・・」


いま、ハクロ達は夜食を食べた後に風呂に入っていた。


この移動宿屋は、キャンピングカーのような見た目だが、空間拡張魔法でもかけられているのか風呂がかなり大きく、体格が大きいハクロや、木の椅子が常についていてその分面積をとるカトレアが入っても余裕があった。


ちなみに、ゼロは先に風呂に入っていて、疲れていたためにすぐに寝てしまった。ハクロ達が上がってきた後、従魔用空間に入れるつもりだったが、忘れてしまっていた。そのため明日の朝どうなっているかは想像するのは容易い。


「しかしのぉ、ハクロ、お主仮にも千年は生きていたモンスターじゃろ。あんなにあっさりと怪しい箱を開けるか普通?」

「そ、それは言わないでくださいよ。大体、千年は生きているとは言ってもいまのようにしっかりとこう考えられるようになったのはゼロ様の従魔になった時からですから。それまでどうやって生き延びてきたかは実は結構あやふやなんですよね」

「ふむ、我は元からドラゴンである故に自我は最初から確立してはおったが、やはり種族によって差があるのか。いや、それでも警戒心は薄すぎじゃろ。普段から主殿の身の安全のために警戒している分、自身の警戒心がなかったのか?」

「つまり、ご主人しか目に入っていないような感じですね」


身体を洗い終え、湯船にカトレアが浸かってきた。


「ま、その気持ちはわかります」

「カトレアお主もか?」

「ええ、私もご主人に会うまではこうはっきりと考えたことがないです。ですが、初めてその姿を見たその時に、何かこう、求められたい、求めたいというような感情がでましたからね。その気持ちの原因を探りたくて、ご主人のとこに行くために森を出たんですよ」

「それって私と同じだね。私も何かこう、仕えるべき相手がいると何かが訴えてきましたからね」

「ワタシモー!」

「ほう、スラ太郎もか」

「ソンナカンジカナ?」


4体中3体が、ゼロに惹かれて従魔になったものということになる。また、アルテミス自身もゼロに興味を持って、従魔になっているわけでもある。


「つまり、主殿には何か引き寄せられるようなものがあるわけじゃな」

「私たち皆、自分から従魔になっていますもんね・・・」

「ハクロ、お主のぼせてきてはないか?」

「まだ一応回復しきってないからだと思いますよ。一応毒ももらってましたからね。回復魔法や、薬草でなんとか解毒できたとはいえ、今は少し体力が落ちてますからね」

「カトレア、そういうお主も褐色の肌が赤みを帯びているんじゃが・・・」



喋っていたら、結構長いこと浸かってしまい、皆少しのぼせていた。そのため、もう風呂から上がり、部屋に戻った。


「主殿〜、我を従魔用空間に、って寝ておられたか」


アルテミス達が、一応ゼロを気遣って広々と寝かせてあげようと思って従魔用空間にさっさと入れるように言いに来たところ、そこにはすでに布団を出して寝ているゼロの姿があった。ちなみに、この布団は宿屋の押入れに入っているものである。


「完全に熟睡してますね〜。よっぽど心配をかけさせてしまったのが原因でしょうか」

「いや、今日は魔法も使ったからな。魔力がいくら多くても体は人間。その分体力的に疲れたのじゃろう」

「オヤスミー」

「あ、ちょっとスラ太郎!」


ゼロの寝顔に目を惹かれていたハクロ達はスラ太郎がゼロのすぐそばを陣どって寝たことに気がついた。


「以前、ゼロ様がうっかりスラ太郎の中に入られて溺れかけていたことを忘れたんですか!」


以前あったこともあるので、ハクロはすでに寝たスラ太郎の体をつかみ、ゼロから少し離れた部屋の端に置いた。


「まったくもう、油断も隙もありゃしない」

「精神年齢がまだ子供じゃからな。その分予測がつきにくいわ」


そしてハクロ達も各々ゼロに寝相などで迷惑をかけないように、ハクロは天井に糸をかけてハンモックのようにして寝て、アルテミスは布団をゼロから離れた部屋の端に置き、そこで寝て、カトレアは自身の木の椅子がをベッドのような形に変形させ、そこに横になって寝たのであった・・・。


ま、翌朝には全員どう寝相が悪かったかはわからないけど、皆ゼロにくっついて寝ていたけどね。

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