『VSデンジャラスボックス』
「グギャアアアアアアアアアアアアアァァッツ!!」
デンジャラスボックスが、その箱の口を大きく開けて俺たちにとびかかってきた。
「『フレイム・バズーカー』!!」
その口が余りにも大きく開いていたため、逆に俺は魔法をその口に叩き込んだ。
魔法を唱えると同時に超高温となっている火球が打ち出された。だが、
バクン!!
「な!?魔法を食べた!?」
予想外なことに、火球をそのモンスターは丸のみにした。そして、口内で火球が爆発したようだが全く効いていないという感じだった。
『どうやら、魔法はああやって無効化にできるようです。ただあの口に放り込まれるもののみのようですが』
「つまり、あの口以外なら効果があるってわけか」
「真正面から攻撃するのは危険じゃのう。あの口に食われる可能性があるわい」
アルテミスは人化したままで戦うように指示している。あのドラゴンの姿なら結構軽く倒せそうだが、相手が持つ毒は、状態異常に強いはずのハクロにも聞いていた毒だ。アルテミスにも効く可能性があった。そのため、その毒を食らいやすい大きな体ではなくて、今のよけやすい人の体の状態になってもらっていた。
ついでに、スラ太郎たちは従魔用空間に避難してもらっている。治療は済んだが、今なお身動きが取れないハクロがいるためである。
デンジャラスボックスは口をまた大きく開けたかと思うと、今度は糸を大量に吐き出してきた。
「これは糸使いのスキル・・!」
「厄介じゃのう、あの糸はどうやら粘着性があるとともに猛毒も含んでいるようじゃ」
見ると、その糸はハクロがいつも創り出すようなきれいな白い糸ではなく、どす黒いおぞましい色をしていて、その糸が触れた地面は変色し、生えていた草花が見る見るうちに枯れていった。
「どう攻撃したらいいんだろうか」
「あの口から魔法が吸収でき、なんでも捕食するようなところから考えると、真後ろから狙うのがいいんじゃろうが、その真後ろを攻撃できる隙がない」
常に俺たちの方向に向き、二手に分かれて気を引いて片方が前、片方が後ろに言って攻撃しようとしたが、素早く1回転してきてできなかった。
「アルテミスが素早く高いところまで飛んで、上空からブレスをはく手段もあるけど、あの口で吸収されて意味なさそうだしな・・」
「あの口を何とかして閉じさせなければいかんのお」
こんなとき、ハクロが無事だったらその糸で素早く閉じられただろう。だが、今は動けない。
「そうだ!!カトレアのゴーレムが使えないか!!」
『無理です、今あるのはすべて木製のためあの毒でやられます』
「一瞬でもいいからできないか?そのすきにアルテミスにブレスを叩き込んでもらい、俺も同時に最大火力での1点集中攻撃ができる炎系の魔法をぶち込む!!」
『わかりました。ご主人の命令に従います』
「来い!カトレア!!」
カトレアがゴーレムを出すには従魔用空間から出ている必要がある。カトレアを従魔用空間から呼び出し、さらに、
「出てきて、『ウッドマン』!!」
カトレアが、収納していたそのゴーレムを呼び出すと、俺たちの目の前には巨大な木でできた巨人のようなゴーレムが現れた。
「ウッドマン!あの箱の口をふさぎなさい!!」
「アルテミス!ブレス発射用意!」
「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
「了解なのじゃ!!」
ゴーレムが動き、その間のアルテミスがドラゴンの姿になってブレスをすぐ発射できるようにした。
ゴーレムがそのモンスターの口を無理やり上と下からその巨大な手で無理やり閉じさせた。だが、猛毒をはいているようでゴーレムの手足がすぐに溶けてきた。
だが、その短い時間だけでも十分だった。
「『ファイヤー・ブーストブレス』!!」
「『フレイム・クラッシュ』!!」
アルテミスの強力な火炎のブレスと、俺の魔法で作り出した火柱が同時に襲い掛かりそのモンスターはそのまま最期を迎えたのであった・・・・。
戦闘はどうしても短期決戦になりやすいんだよな。その辺はご理解お願いいたします。




